SOUNDPEATS UU イヤーカフの姉妹型

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク)
昨年末頃にレビューしたSOUNDPEATS初のイヤーカフ型ワイヤレスイヤホン、CCの姉妹型。UU【PR】
いくらなんでもリリース早すぎない?と思った方。 今作は進化版とかではなく細かな仕様が異なる姉妹型です。
公式よりクーポンを発行していただきましたので、ぜひご利用ください。クーポンコード【SPUUZW63

見た目の時点でも案外違いは多いですが、まずはスペックをおおまかに比較して異なる点を。

・タッチセンサーではなく物理ボタン
・DD口径は12mmから10.8mm
・バッテリー駆動時間が8時間に増加
・本体重量が0.3g軽量化



個人的にも目玉だと思ったのは物理ボタンになったこと。
イヤーカフ型はどうしてもサイズが小さく、装着時に本体をベタベタ触ることになります。
タッチセンサーだと誤作動が多くなりがちだったのが物理ボタンで一気に解消。
スイッチもカチカチと押しやすく、強く押さないと反応しないというタイプではない。
ドライバサイズの変更もあって僅かですが軽量化したこと、ほぼ対称的な造形をしていたCCに比べると
UUはリモコン部とスピーカー部が非対称で重量バランスが変わったことで装着感も上昇した気がする。
リモコン部が耳裏での収まりが良いです。

デザイン的には好みの範疇ですが個人的にはCCの方がスマートではあったものの、
UUの方が快適性は上に感じました。
最も推せるポイントは「スピーカー開口部が少し広い」点。
半円を描くような配置だったCCに比べUUは耳穴に向かって花のような模様でまっすぐ配置されていることで
装着感が多少ずれても音の迫力が失われにくい。

例によって装着感としてモデルのようにリング部分が地面と水平になるような装着だとスピーカー部が大分耳穴からズレてしまうのですが、
低音の圧が程々に抜けるので使い方や状況によってはコチラのほうが周りの音が聴き取りやすく便利。
ピアスのように大分下向きの位置に付けたときの低音量はイントラコンカ型に近いほどでした。

まず、専用アプリでダイナミックEQをオンにすることをオススメします。
Breezyの頃から出会ったこのイコライザですが非常に迫力が増すので「やっぱオープンタイプは音が軽い」と思う人は絶対導入したほうが良い。
ラジオ等音声を聴き流したいだけならまだしも、映像や音楽に使用するなら迫力を出すに越したことはない。

下手なイントラコンカ型よりも低音はしっかりと聴こえるくらいに盛られます。
中音域はEQの有無にかかわらず非常に聴き取りやすい。 CCに比べドライバサイズが小さくなった影響か少しコンパクトな鳴り。
主張の強さが若干軽減したように感じられました。金管楽器等は相変わらず強く響くこともありますが。
高音域に関してはスピーカーの開口部が広くなった影響だと思うのですが、イヤーカフ型だという特性を抜いても
広く響くようになりました。
個人的にはモデルのように地面と水平になるような位置に拘るのであればUUの方が音は好み。
ピアスのように耳穴までスピーカー部を持っていくならCCの方が若干低音寄りなバランスで使いやすい。

ただ物理スイッチや装着感を考えると日常使いしやすいのはUU。
イヤーカフ型なので多かれ少なかれ多少音は漏れるんですが、音漏れが多いのもUU。開口部が大きく広いので当然といえば当然。
姉妹機でお値段はほぼ変わりませんし、使い方で選んで良いと思います。
音漏れは少ないほうが良いならCC。
多少音漏れ多くても物理スイッチで動作する、再生時間も多めが良いならUU。
どちらも構造上周囲の音を聞き取りやすく、それでいて音楽もそれなりに楽しめる代物。

メガネやマスクがひっかかるので耳掛け式等は使いにくい!という人には是非イヤーカフ型を試してほしいです。
激しい運動じゃなければポロリとかもしないので、そのあたりが心配な方も安心できる程度にはしっかりした装着感。
ただレビュー中、PC周辺で使ってたんですが時折ブツっと接続が不安定なのが一点気になった。
CC含め最近のbluetoothオーディオでこういうことはなかったので個体差?だと良いんですが。
現在amazon公式セールもあるのでこの機会に是非。


TANGZU Wan'er S.G Studio Edition ナチュラル系1DDのアップデート版

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク
私のブログでは2年ほど前に紹介したWan'er S.Gのアップデート版。Studio Edition(以下SE)
1DDという構成は変わらず、カラーリングデザインをはじめ細かく更新された感じ。



qdc端子は変わらず、軽量な全樹脂筐体。
ブラックとホワイトカラーがあり、私のは福袋で購入したらRがブラック、Lがホワイトのタイプでした。
通常はどちらか一色です。
どちらも大理石のようなキラキラした模様のあるデザインが基本になっており、高級感がある。
無印と同じくベントはDD上とその横に並んで1箇所の合計2箇所。
ノズルも角度や根本は同じような加工ですが金属ノズル部分が変更されています。
短く、返しが上位モデルでたまに見かける斜めに伸びたタイプ。
個人的には元のノズルのほうがしっかりめの装着感でした。特別悪いことはないけどイヤピによっては抜けやすい。

音質としてはニュートラルでクリア。解像度がより無印より上がった印象。
同じ10mmサイズのDDですが振動板がより軽く高剛性にアップデートされているらしいです。
ノズルが少し短くなったことも影響してる気はしますが、サブベースや低音は無印に比べ少し軽くなった。
ミドルベースから中音域にかけての妙にしっかりとしたトルク感が良い意味でフラット気味に。

中高音域はSEで更に解像度が上がり、音が少し華やいだ。
1DDなのでハイブリッド系のような強い感じではなく、透明感の高い優しい感じ。
金管楽器やドラムの金属は一定以上の音域がカットされたような天井の低さこそ感じるが軽やかで
分離感が高く聴き取りやすい。

ご時世的に無印がamazonで3000くらいだったのが今では4000近くなり、SEは4500程度。
セールでそこそこ落ちますがここ2年で低価格帯はより激戦区というか、選択肢が増え続けているので
デザインが秀逸で推せるものの音質的にはマイナーアップデートのような仕上がりのSEは若干厳しい印象。
ナチュラルな傾向で、中高音は少し明るめに聴こえるほうが良いという人にはそれなりにオススメ。


個人的好み度:10点満点中/7点
完成度:10点満点中/9点

KZ PRX 平面駆動搭載のPRシリーズ最新作

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク
KZのPRシリーズ最新モデル、PRX。
1年近く前にPR3を低価格平面駆動イヤホンとしてレビューしていました。
KZにしては合間をあけてリリースされましたね。



qdc端子で、基本的な構成は変わらず。
透明な樹脂筐体に、亜鉛合金の開放的なフェイスプレート。
PRXは真ん中に青いラインでY字があり、3方向に縦長のメッシュがデザインされています。
PRシリーズの特徴である大型の平面駆動ドライバは今作も同じ。
細かくブラッシュアップされているようですが、サイズ感は13.2mmから変わってなさそう?
商品ページや箱に記載はなさそうでした。凄く緑色。
頭頂部もかなり開放的なメッシュデザインになっているので音漏れが心配されますが、見た目ほどではありません。
程々の音量であればレジン充填無しの樹脂筐体イヤホンと同様くらいの漏れレベルです。

角度によっては渋さのある色味

装着感は変わらず良好。
なだらかで凹凸のない軽量ボディ。
ノズルは標準的な長さと角度。気持ち厚みのあるボディですがそこまではみ出ません。

先に書いておきますがこのシリーズに関しては未だに日amazonとアリエク等のサイトではかなりの価格差があります。
音質的には相当おすすめできるイヤホンですが、抵抗がなければ半分かそれ以下の金額で買えるのでアリエクをおすすめします。

音質としてはPR3よりも更に低音域の質が向上したドンシャリ。
サブベースからミドルベースまでどっしりとしたKZらしいエグい深さのある音。
開放的な機構のおかげで濃さと柔らかさが強いのに他を阻害するような圧迫感は少ない。
大型DDを搭載しているイヤホンと比べても全く遜色のない重み。
ダンス系の音楽は勿論、ロックポップス、メタルでも楽曲の重みをしっかり感じさせてくれます。
サブウーファー付きのスピーカーじゃないと低音物足りない!なんて人でも満足出来るんじゃないでしょうか。

中高音域はPR3から大きく変化し、刺激感のあるカリカリさは感じない。
解像度の高さを維持したままもう少しウォームな雰囲気に寄りました。
低音に飲まれていると言うよりドライバの特性として全体的な雰囲気が柔らかく、カリカリ感を除去した感じ。
とはいえ音がぼやけたという印象はなく、アコギやピアノの煌めきもかなり気持ちよく聴ける。
女性Voも男性Voも低めのほうが艶があって気持ちいいが高めのVoもそこそこ伸びる。
ドライだったPR3に比べると本当に艶が増えました。全く聴き疲れしない。
ドラムの金属類やホーン楽器は少し大人しくなりました。
KZらしいギラっとしたパンチを求めている人だと少し物足りないかもしれないが、個人的にはアリ。
ちょっと距離感を感じるときもあるが解像度の高さがそれをカバー出来てると思います。

いけないと思いつつも音量を上げて聴くと気持ちいい開放型系の音質。
ヘッドホンの開放型だと慣れるまで「なんか音軽くない?」となるんですが
PRXは開放感と音の密度を絶妙に仕上げた印象。
ジャズクラやピアノソロを聴くには多少低音域が暴れん坊ですがそれ以外なら全部良い。
ゲーム・動画視聴にも低音の重さと中音域の聞き取りやすさが活きます。
PRシリーズに触れたことがある人は勿論、KZらしい低音の重さと平面駆動らしい中音域の解像度の高さは
開放的なデザインさえ問題なければ誰にでもオススメできる。
日本amazonでもアリエクレベルとはいかないまでも5000円程度になってくれればもっとオススメしやすいのですが。



個人的好み度:10点満点中/9.5点
完成度:10点満点中/11点

Tripowin Vivace チタンコートの1DDイヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク
Tripowinより販売されている 0DiBi(0디비)という韓国のオーディオレビュアーとのコラボイヤホン。Vivace。
既存イヤホンの別チューニングではなくこれ単体がコラボでリリースされたイヤホン。


0.78 2pin端子で、FPに一部金属が使われているが基本樹脂の筐体。
コンパクトだからというのもありますがイヤホン同士がふれるといかにも軽めの音が鳴る程度には軽い。
クセのない丸みを帯びた形状で一箇所だけ角になっているのが案外珍しいFP形状。
ノズルは標準的か若干短めで、根本の盛り上がりが多少あるが角度も緩く装着感は◯。
ベントはノズルの根本と、pin側に1箇所ずつ。

FPはシルバーなので周りの色で雰囲気が変わる

10mmの1DDと構成もシンプルですが、PET振動板にナノスケールのチタン粉末をコーティングしたというちょっと変わった代物。
軽量でありながら高い引張強度を持つことで応答性の高いサウンドを実現。
わざわざ粉末をコーティングと記載するあたり、普通とは加工も違ってるんでしょうか。

音質としてはに歪少なくナチュラルながら元気も良いドンシャリ。
サブベースやキックはそこまで深さはないが、ミドルベースのあたりは標準的に盛られている。
KZのようなムキムキな低音に慣れているとスカスカに感じてしまうかもしれないが決してそうではない。
LCPやPETのような振動板は低音を強く出すと中高音も比較的強く出て音がチャッキチャキになる気がするけど
チタンコートのおかげなのか、ミドルベースを自然な量感に盛りつつもそれに負けない主張をナチュラルに出してきます。
解像度の高さを押し出すキラキラ系ではないけど、とにかく聴き取りやすい。そして疲れにくい。
カナル型イヤホンは刺激が強くて耳が疲れる。という人には是非試して欲しい。
明瞭でいて優しいバランスはVivaceのイチオシな特徴だと思います。
ベントが2箇所あるおかげか音も自然に広がり、狭さは感じません。

軽量でクセのない優しい装着感と楽しく聴ける範囲でナチュラルに長時間聴ける音質。
おまけにこの手のイヤホンに珍しくamazonが一番安いことがあります。
タイムセールで3.5k前後と、定価でも十分オススメできるのに相当割安。
デザインもシンプルながらFPの部分は金属プレートを透明な樹脂で蓋をシたような文字通り輝くデザイン。
ロゴもシンプルながら割とかっこいいと思います。
難点を強いて上げるならベントが2箇所、充填されていない樹脂筐体ということで筐体自体からそれなりに音が漏れます。
大きめに聴く人だとちょっと気になるかも。

五千円以下で、バランス良くて完成度の高いイヤホン教えて下さい!という質問には全部Vivaceと答えても良い。
見た目や音漏れへの懸念がなければ昨年リリースではありますが2025年を通してもかなり強い低価格帯イヤホンになると思います。


個人的好み度:10点満点中/8点
完成度:10点満点中/10点

7HZ TimelessⅡ 大口径平面ドライバ搭載の丸いヤツ

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク)(Linsoul公式
7HZよりリリースされている14.5mmの大口径平面ドライバを搭載した見た目が特徴的なイヤホン。TimelessⅡ【PR】
パット見て驚くこの特徴的な丸い形状ですが、名の通りこれには初代Timelessが存在します。ちなみにTimeless AEというマイナーチェンジモデルも。
平面駆動ではなく通常のDDを搭載したEternalというのもありました。
そういったものを含めると実は四代目といえなくもない。




全金属の真っ黒な筐体。端子は初代はMMCXでしたがこちらは0.78 2pin端子になっています。
フェイスプレートには細かなカット加工が施されており、模様ではなく表面は凹凸があります。
付属ケースも同じ加工がされています。 このケースがスクリュー式で本体に恥じないゴツい仕様になっております。
重厚感や所有欲の満たし方がすごい。頻繁に開閉するには不便だけど。


フェイスプレートは円盤状ですが内側は案外スマート。pin端子の付近は面取りされたような状態でスッキリしてます。
端子はいつもの7HZ仕様。イヤホンに対し少し斜めにケーブルが刺さるようになっており、ケーブルが頭側に寄ることで装着感が向上する小さいけど良い仕事をするやつ。
ノズルは若干短めで、かなり深く斜めに伸びた角度。根本の伸びを合わせるとノズル全長は並程度。
さらに根本はに少し盛り上がった段差があり、そこから更にもう一段の段差。
ドライバの真上に小さなベントが1個と、2つ目の段差には3個横並びのベントが設置。
フェイスプレート側には一切ベントがないのと、本体が少し大きめなせいか音漏れはさほどでもありません。

装着感が気になる見た目をしていますが、案外普通。
全金属でも重さはそれほどでもなく、重心も外側に寄ってないのでスッと収まる。
ノズルとその根本から支える構造なので、グイグイ押し込みたい人だとちょっと耳口に圧迫感を感じてしまうかもしれない。
個人的には2時間程度を超えると少し圧迫感を感じた。



TimelessⅡは付属品の中に交換用ノズルが用意されています。
標準装備の金色ノズルの他に銀色と、コーンノズルと名された住宅の壁にある通気口のようなノズルが2種。
高音域の調整と、その特徴的な構造から音の広がり方も変化します。
このパーツに関しては7HZの専売ではなく、別ブランドで過去に見覚えがあるようなないような・・・。
交換用ノズルがあっても変化が弱いか極端だから結局元のパーツを使う。なんてこともありますがTimelessⅡはいかに。


標準ノズルの音質としては濃いめの低音と分離感に優れた中高音のドンシャリ。
サブベースはかなり深いところが鳴っているが量感自体はそこまで前に出てこない。
レベルの抑えたサブウーファーのような、目立たないが確かに底にいる地響き。
大口径なのもあってか、広めのサウンドステージと相まって余裕のある響き方に感じます。
重さがありつつグイグイと前に迫ってこない。
ロックでも勿論楽しいけど打ち込みやダンス系の低音域と特に相性が良いです。
ズンズンと広がる低音に分離感高めのキラキラ系サウンドが映える。
金属筐体特有の旨味も存分に味わえます。

中高音域は刺さるような刺激はギリ抑えたうえで平面駆動らしい細やかな表現と力強さが同居しています。
Voの主張に関してはそこまで強くないんですが伸びはよく、グラフで見ても若干凹んでるんですがそこまで感じない。
ドンシャリなバランスでありながら上下の刺激が広い空間の中で程よく緩和されてるような。
TimelessⅡは初代もそうだった(試聴のみですが)けどヘッドホンに近い、イヤホンとは思えない程よい距離感があるんですよね。
伊達にデカい円盤背負ってないぜと思わせる。
ドラムのキックやフロアタムもドカドカ存在感があるし、金属類のパンチもしっかりある。
刺さるほどじゃないけどスネアのあたりはちょっと誇張された強さがある。

銀色のフィルターはバランス寄りらしいんですが楽曲によってはむしろ低音の圧が増した気がする。
中音域は金色より刺激的に出てるような。
金色のコーンノズルはちょっとウォームでデフォの金色ノズルに近いんだけど、直に耳穴へ向かってないせいか
高音域の響き方が少し余韻が強く響くようになった。というかコーンノズルが案外まともに聴けて驚きでした。
こんな形状じゃ反響したようなクセ強サウンドになるんじゃないかと思ったら籠もったような音には全くならない。
銀色のコーンノズルは4種の中で一番音がカッチリしてるのに刺激は抑えられてる。
高音域が固く、中音域の気になった誇張感は抑えられ、それでいて低音域は殆ど変わらずグイグイくる。
ノズル内で音が反響することでこんなうまいこと調整されるもんなんですね。

交換を繰り返してるとノーマルフィルタは全体に柔らかい響きが残っているのに比べ
コーンノズルは少しタイトな響きになり、穴が狭いせいか押し出しは強くなる印象。
個人的にはデフォのノズルで良いかなーと落ち着きましたが、もうちょっと音色に締まりがほしければコーンノズル。
気持ち明るくしたいだけなら銀色フィルタが良いのかもしれない。
本体の出来は大型平面駆動シリーズの中でもかなり高いと思いますし、そのうえフィルターギミックは
極端な重いバランスにふらず、かといって高音がピーキーにもならない範囲でしっかり味付けを変えてくれる。
価格に見合った遊び甲斐もある一台でした。



総評
個人的好み度:10点満点中/10点
完成度:10点満点中/10点