TRN T350 1DD+1BAのaptx adaptive対応TWS

 

今回ご紹介するのはコチラ。
TRNよりリリースされた完全ワイヤレスイヤホン、T350。Linsoulリンクはコチラ
8mmのグラフェン振動板採用DDとKnowles製BA1基を搭載。
QCC3071チップセットを搭載し、bluetoothのバージョンは5.3。
ゲーミングモードを搭載し、再生時間もaptx adaptive接続なら5.5時間。
その他AAC/SBCだと約7時間。
何と言ってもイチオシはaptx adaptive対応の点だと思います。

車のダッシュモードのような硬めの質感
サウンドピーツのOpera05をはじめ、最近レビューしたイヤホンはLDACに対応しているものが多かったけど
aptx adaptiveも基本的には「凄い高音質なコーデック」くらいの認識。
LDACの方が最大伝送レートが有利だったりするようですが
aptx adaptiveは「aptx HD」と「aptx LL」、高音質と低遅延を謳う別々のコーデックのいいとこ取りをしたようなもの。
つまり、イヤホンに搭載されたゲーミングモードを使わずとも高音質でかつ低遅延が楽しめる。
今回はaptxやAACを試した上で、最終的にaptx adaptive対応のドングルを買うまでいってしまったレビューになります。


その前にまずは見た目から。
医療クラスグレードの3Dプリントされた樹脂ボディで、フェイスプレートには電気?のような模様。
商品画像を初めてみたときは「令和最新版とかの商品で見るやつだ...」と思ってしまったけど
実物を見るとテカリのあるピアノブラックに程よく輝く金色が調和して案外悪くないです。
筐体は比較的大きめで、ノズルもグイーっと横に伸びたタイプ。
個人的には上下に深い角度は痛くなったり、音がスカスカになりやすいんですが
このタイプは普段使っているイヤピよりワンサイズ落としてぐいっと突っ込むと
喋りながらでもズレにくく快適に使えるので好き。
ベントはフェイスプレートに1個、下部前方側に1個。どちらも変わった場所に付いてますね。
下部前方側のはマイクかも。





照明でピカピカですが、もう少し落ち着きあり


防水性能は商品ページだとIPX54と書いてるんですが1桁多いですね...
防塵性能にも触れてるのでおそらくはIP54の誤りかと思います。
IPXという表記だと「X」は防塵性能は無い。ということを意味してしまいます。

音質としてはTRNらしい軽快な中高音と、締りと重みのある低音が気持ち良い音。
サブベースからミドルベースまでしっかりと重みがありながら、ボワつきが少なくよく制動された感じの低音域。
外出用だと普段はTRN VX PROをBT30に繋げて聴いてるんですがCNTドライバとT350のグラフェン振動板採用ドライバの
性格の違いがはっきりと出ていました。
CNTも低音はサブベースからしっかりと出ますが少し軽め。
VX PROは中高音のスムースで広がりのある中高音との調和があるので総合的に気持ちよく聴けるイヤホンなんだけども、
T350はどっしりとした重さがあるのでまた一味違う趣。
ライブ音源のベースなどはゴリゴリと存在感を放ってくれる。

中音域は男性Vo等は僅かに凹むがパンチはしっかりと出してくれる。繊細さも十分。
低音域の濃さに多少引っ張られて暖色っぽさが出るところもある。
高音域はカラっと乾いて抜けの良い、金属的な質感をうまく引き出した音。

VX PROと比較するとBAドライバ数の差が如実に出てるけど、そもそもVX PROは有線機ですしね。
音数が多い楽曲だと多少高音域が潰れ気味になってしまいますがTRNらしい主張はハッキリ、でもギラつかず
暴れん坊ではないうまくまとめられた高音域です。

aptx adaptiveに関しては素晴らしいの一言。
LDACで感じた音の開放感、情報量の増加を同じくらい感じられました。私の耳では。
私の携帯はiPhoneなのでPC環境限定ですが対応したAndroidフォンとか欲しくなっちゃいますね。
ゲームでの低遅延もバッチリ。
今までで一番違和感無くFPSが出来ました。
「これくらいなら殆ど気にならないな」ではなく全く気にならないレベル。
LDAC+イヤホンのゲーミングモードも悪くないと思いますが
ゲーム限定で言えばaptx adaptiveの方に軍配。
出不精なので高音質コーデック対応機種調べたり買ったりは手間で嫌だなぁと思ってましたが
経験してしまうとちょっと環境考えてしまうくらいには良い。

問題はaptx adaptiveとLDAC両方の受信に対応してるアンプはあっても送信だと現状無さそうなところ。。。
T350も最近導入したTWSも全部1台でまとめて堪能できると最高なんですけどね。


オススメな人:締まりと重みのある低音域+乾いた高音域が好きな方。aptx adaptive対応のスマフォ等を持っている方。
個人的好み度:10点満点中/10点(スティック型に比べ装着感が好み)
完成度:10点満点中/9.5点 片方のフィルターがいきなりユルユルでずれまくりなので。TRNはこういうところに難あり。


TRIPOWIN PICCOLO 11mmのLCP振動板採用1DD

 

今回ご紹介するのはコチラ。
TRIPOWINよりリリースされた金属筐体の1DDイヤホン、PICCOLO。Linsoulのリンクはコチラ
アルミ合金ボディのようですがコンパクトながら比較的重みのある感じ。
qdc pin仕様で気持ち端子の出っ張りが小さめです。



シルバーとブラックの2色ですが仕上げが全く異なります。

シルバーは鏡面仕上げのツルツルで私の手元にあるのはブラック。
マットな質感で表面はザラつきがあり、フェイスプレートの模様も相まってアート作品感が凄い。
中々の渋かっこ良さ。模様の意味はわかりませんが。

1DDだと10mm、あるいは最近だと12mm以上のサイズのイヤホンがリリースされてますが
今作は11mm。刻んできましたね。
振動板は第3世代のLCP(液晶ポリマー)を採用。私のブログだとTINHiFi C3も同じものでした。
しかしこちらの振動板はよりアップグレードされたことで高音質に仕上げたようで。
11mmというサイズアップも音質に好影響を与えてくれそうで期待大。

ノズルは別素材ですがこちらも金属。ちょっと短めで
角度は標準的な深さ、凹凸がないなだらかボディなので装着感は良好。
耳が小さめな方でも収まりやすい部類だと思います。
1mm小さい10mm1DDだったTINHiFi C3は逆に筐体が少々デカ目でした。

音質としては重低音からどっしりとした低音と気持ち柔らかめな中高音の気持ち暖色系サウンド。
商品説明の中にもある通りサブベースから低音までボリューム感がしっかりとあります。
LCPは比較的柔らかめな音を出すんですが、PICCOLOはコンパクトな金属筐体のおかげか
低音の圧が強い割に膨らみすぎず、かといってソリッドにも寄らない低音域を出します。
C3だとベースラインこそしっかりと聴き取れるボリュームでしたがサブベースに関してはやや下の方で
控えめになっていたので、確かに低音域に関しては進化を感じました。

中高音に関してはLCPらしいマイルドでありながら伸びは良く、ドラムの金物やホーン楽器のサウンドも
ディテールはしっかりと聴き取れる。
特に男性Voも女性Voも刺激的な部分は顔を出さずに、それでいて低音のボリュームに飲まれない分離感があるので
オールラウンドに色んなジャンルを楽しめるサウンドバランスになっています。

商品画像だと殆ど隠れて見えていませんがノズル根本にあるベントに加え、頭頂部にもう1個あります。
金色の蓋のような構造が被っており、高級機だと交換可能なフィルタとかにあたりそうなやつ。
この機構のおかげなのかは謎ですが(特にアピールもない)、低音と高音は並の音場であるにも関わらず、楽曲に寄って中音域だけ妙に伸びてきます。
ピアノやアコースティックギターが金属筐体らしい綺羅びやかさを覗かせるときが。
LCPだとあまりこういう雰囲気は感じにくいと思っていましたがPICCOLOは一味違うチューニング。


TINHiFi C3はamazonで現在6千円台で、見た目含め比較的暖色寄りでナチュラルなサウンドを出すイヤホンでしたが
同じLCPの1DDイヤホンとしてPICCOLOはそこからサブベースの力強さ、中音域をわずかですが
カッチリとした残響感を纏っています。しかも5千円を切る。
総合的には同じく暖色系のナチュラルなイヤホンという印象。
しかしPICCOLOの方が金属筐体のメリットを活かした僅かにタイトな音作りをしているので
ナチュラルなバランスで聴きたいけどあまり柔らかい雰囲気は好きじゃないという人には結構オススメできるかも。

オススメな人:すぐ上に書いてしまった。
個人的好み度:10点満点中/9点(見た目でかなり加点)
完成度:10点満点中/10点 低価格機からのステップアップで、力強い個性よりもナチュラルな方が好みならかなり強い選択肢。

TRN MT3 1DDの金属筐体イヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。
TRNからリリースされたどこかで見覚えのある筐体の1DDイヤホン。MT3。
qdc pin端子で筐体は亜鉛合金製。結構小型ですが重さはずっしりとあります。
なだらかで丸みのある形状で装着感は良好。
ノズルは標準的な長さで、根本の盛り上がりに微妙な段差があります。
特に角度も深くなく、フィンがあるわけでもないので誰でも収まりやすい形状。
少々重いけどバランスが偏ってないので耳穴全体でうまく支えることが可能。
以前レビューしたHM20なんかは背面のプレートが厚めだったので微妙にバランス悪かった。


MT3に搭載されているDDは10mmのチタンコートメッキ振動板+デュアルチャンバーユニット。
音質の第一印象としては硬質で程よい派手さのあるドンシャリ。
サブベースは出しゃばらないが、かなり低いところまでクッキリとした存在感がある。
ミドルベースも濃さはありつつ金属筐体のおかげか一定の締まりが感じられる。
中音域はVoや金属楽器に関しては気持ち凹むが一定のパンチはあり曇はさほどない。
高音域に関しては独特の雰囲気があり、少し遠くに位置して聴こえるが
派手に響いて欲しい美味しい部分はキッチリと出してくる。

全体に共通して言えるのは音の硬質さ。
これがチタンコートの効力なのか、低音はボリュームがありつつも柔らかく鳴りすぎないし
中高音は低音に比べると量感が控えめながら繊細さも程よくあり、曇った印象になるような
過度な凹みがない。
猿ZEROなんかだと一聴して「派手目だけど崩壊してない絶妙なバランス」と思ったところ
MT3は「地味目だけど楽しく聴かせる絶妙なバランス」という感じ。
同じ低価格1DDイヤホンだけど明るく派手なアプローチで攻めたドンシャリと
地味ながら手堅く抑えるところを抑えてきたドンシャリ。
同じドンシャリという表現をしてしまうけど、タイプが結構両極な印象でした。

価格帯もちょうど同じくらいで、どちらもおすすめですが
強いて言えばMT3は付属品が少し豪勢。
1サイズのみだけど最近TRNからリリースした新作のイヤーピースも付いてる。
少しモッチリとしてペトペト感のあるイヤピで、ノズルが短いので
ややノズルの長い角笛が合わない場合に使ってます。
3ペアでamazonだと現在1280円。
角笛と同じく軸と傘で別素材仕様。
コストがそれなりにかかっているせいか1サイズのみとは言え
千円で別売りされるイヤピが付いてるのは大きいですね。


総評
オススメな人:3000円以下で無難に質の高い1DDイヤホンが欲しかった人。
個人的好み度:10点満点中/9点
完成度:10点満点中/10点 

SOUNDPEATS Opera05 1DD+2BA 洗練されたハイブリッドワイヤレスイヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。SOUNDPEATSのOpera05。
現在Makuakeというクラウドファウンディングサイトで25%オフ~で購入できる
TWSイヤホンです。リンクはこちら
終了までは1ヶ月半程なので、是非ご検討ください。

(Makuakeというクラウドファンディングサイトでは、25%オフ以上で購入することができます。 早く買えば早く買うほど割引率が高くなる仕組み)

SOUNDPEATSといえばCapsule3 Pro等を今年頭に紹介したばかりですが、
今度はハイブリッドが出ました。それも2BAと12mmの1DDというパワーのある組み合わせ。
ハイレゾ認証取得済みのLDAC高音質コーデック対応なのは勿論
ANCノイズキャンセリング機能、通話中のENCノイズキャンセリング機能も完備。
bluetooth5.3でIPX4防水。




外観でいうとこちらもCapsule3 Proから踏襲されたぴかぴかなブロンズデザインが特徴的。
つやつやなので指紋が付くと目立ちますが、明るめの色なので黒よりは我慢できる。
撮影の都合上光を強めに当ててるのですが角度によってはこんな感じ。

高級感のあるシックな雰囲気もあります。
気持ちゴツメに見えますが高さがあるだけで幅は標準的。
装着部はCapsule3 Proと同じ形状。楕円形ノズルです。
個人的に楕円ノズルは得意でないのですが、一度耳に入れた後
手前方向に撚りながら押し込むと密閉が取りやすいです。
どうしても付属イヤピが合わなければ通常のイヤピでもOK。
スティック型ほどではありませんがケース内部にも若干の余裕はあります。
タッチセンサー操作ですが、装着後は誤動作するような形状でないので安心。

今回はBTA30 PROではなく、先日のアリエクセールで購入したシャンリン M0 PROを使用しました。
こちらもいつかレビューを投稿出来れば。
超小型ながらLDACにも対応したbluetooth再生可能な高品質DAPです。

音質としては12mm大型DDも2BAもうまく調整されながら旨味を引き出したバランスの良いドンシャリ。
LDACなので有線に負けず劣らず音の粒立ちや広がりが違うのは勿論、
12mmのサイズを活かした重みのある低音が電子系からロックポップスまでバランスよく響きます。
DDらしい弾みと温もりがありますがボワつき過ぎず、かといって締まりがあってソリッドというわけではなく。
程よいボリューム感と余韻を残した低音域。
2基のBAは金物からギター、ヴォーカルまで低音とは良い意味で分離されたような鳴り方。
ドライバの位置は構造的にBAがノズル付近にありDDはその後方なんですが文字通り
BAが手前で、低音はその奥から包み込むような鳴り方をします。
金属感のあるしっかりチャキっとした音を出しますが刺さるような不快感はゼロで、
中音域はものにより若干痩せてますがカラっと乾いた音で曇りがありません。

この12mmDDから出るどっしりとしたウォームさと2BAから出るドライな雰囲気が程よく混ざって
どんな楽曲も楽しく聴けるドンシャリに仕上がっています。
アナログな曲でも電子系の曲でも全体的な強調が満遍なく程良い。
LDACによる高解像度感もデカイけど、かなりうまくまとめられたチューニングだと感じました。iPhoneでもテストしましたが、LDACの恩恵なしでも音質は上々でした。

Makuakeによるクラウンドファンディングに抵抗がある人はamazonで後から販売もされると思いますので、どうしてもamazon等で購入したいという場合はそちらで。




7HZ Legato パワーあふれる12mm+6mmの2DDイヤホン

今回ご紹介するのはコチラ。
7HZよりリリースされた2DDイヤホン。Legato。Linsoulのリンクはコチラ
カナル型として最大クラスの12mmDDと6mmDDを組み合わせた見るからにパワーのありそうなイヤホン。
0.78 2pin端子で、salnotes zeroの時から見かけるようになった少し凹側の端子が斜めに付いてるやつ。
他メーカーも採用してほしい!と思ったけど 現状7HZの専売みたいになってますね。
筐体は航空グレードのアルミニウム合金でかなり軽量。
フェイスプレートの研磨処理?というんでしょうか。
往年のイヤホンという感じのデザインで好み。ロゴや派手な柄もらしくていいですがこれくらいシンプルなのもアリ。
ベントが内側1箇所の他、頭頂部に大きなものが3つ連なっています。
ノズルは特徴的な形をしており、イヤピ装着部分はちょい短め。
でも根本の盛り上がりがかなり長めに作られていて、全長でいうと割と長めな部類。


装着感でいうと中々曲者で、普段大きなイヤピを使う人だとプラプラした状態になるかも。
普段より1サイズ落としたイヤピで奥まで押し込んだ上で、ケーブル装着部が上を向くようにひねり上げると
比較的安定しました。
なだらかな筐体なのでグイグイ押し込んでも痛みはないけど、少し動きには弱めでグリグリ動きやすい印象でした。

音質としては12mmのDDが唸りを上げるパワフルな低音が魅力的な音。
2つのDDはどちらもダイヤモンドライクカーボン(DLC)振動板採用で、先日レビューしたEA500と同じもの。
比較的バランスよく全音域で仕事をしてくれるイメージですが
12mmという最大クラスの大きさを活かした重低音がいい仕事をしてます。
メインとしてはサブベースよりもミドルベース寄りですが、どんな楽曲でもゴリゴリに
低音をメインに押し出してくれる力がある。
ハッキリ言って存在感が強すぎて完全に他を食ってしまう場合もあるけど、こんな馬鹿力を求めてた人も多いハズ。

中高音域は6mmのサイズ違いDDが担っているんですが、ここはリケーブルで結構印象が変化します。
付属ケーブルでもそれなりに仕事はしてくれるけど銀メッキ、純銀系の太めのケーブルにすると
低音に若干締まりが出て、相対的に中音域のパンチが前に出てくれます。
個人的に何か良いケーブルはないかといくつか試した中ではNICEHCKのSilverLoong。コイツがピカイチでした。

元々ケーブルについてはイヤホンの音以上に個人の感想要素が強いので触れないようにしてましたが
Legatoだけはただ低音がものすごいヤツ。という印象で終わってほしくなかった。
6mmのDDなら、かつ7HZのチューニングなら。と思って試しましたが
中音域にハッキリとしたパンチが生まれ、男性Voもクッキリと前に出ます。
金管やドラムの金属類についても割と出るどころか刺さる直前くらいまで抜けてくるときもあるので
やはりポテンシャルは高い。

勿論イヤピや装着感での違いも出てくると思いますが付属ケーブルだけだと中高音域については
本領を出し切れていないのではという印象。
最近NICEHCKから出たばかりのRedAg等の純銀系もバランスが良くなります。
「せっかくの低音が痩せるかも」というのは杞憂で、12mmのパワーはそんなことじゃ衰えてくれませんでした。
むしろblueroseのような太めの銀メッキだとよりブーミーに。
低音域重視ならそういったケーブルでもアリです。

LegatoはSalnotes Zeroのようなスマートな高コスパイヤホンとは違いパワーに全振りした
パワーマッチョ系のイヤホンだと思います。
それでも中高音が曇ったブーミーなイヤホンではないあたり流石。
大口径でしか出せない 太さがそこにある。


総評
オススメな人:低音!とにかく低音に力を!という方。 
個人的好み度:10点満点中/9点
完成度:10点満点中/10点 

TANGZU Wan’er S.G ナチュラルサウンド1DD

今回ご紹介するのはコチラ。TANGZU Wan’er S.G。
武則天は1万円オーバーのクラスでしたがこちらは現状amazonで3000円以下の手頃モデル。

qdc pin端子でシンプルな形状の樹脂ボディ。
10mmのPET振動板を採用した1DDイヤホン。
商品紹介ページに5回も入念にチューニングしような記載があり
ただの安価モデルではない気合を感じるイヤホン。

凹凸がほぼ無くなだらかなカーブもない、比較的のっぺりとした形状。
ノズル角度も殆ど無く、クセのない装着感。根本に少しだけ盛り上がりがあるおかげか
奥まで差し込むと結構安定感がある。
フェイスプレートは写真でも分かる通り通常よりも妙に奥行きがあります。
それもそのはず。実際にデザイン部分は分厚いプレートの下に挟むような形。
私が購入したのは黒モデルですが、骨董品のような雰囲気が出ますね。
普通は綺羅びやかなデザインを全面に押し出して目立つものが多いと思うんですが
Wan’er S.Gは一味違った表情を見せてくれます。
ベントは2箇所ありますが背面や側面ではなくどちらも内側。うち一つはドライバの直ぐ側というか真上。

音質としてはナチュラルでクリア、見通しの良い爽やかなドンシャリ。
サブベースは控えめで、ミドルベースもそれなりの量感がありつつも出しゃばらないタイプ。
しかしサブベースとミドルベースの中間部分に妙なトルク感があり、
バスドラやフロアタムだけ存在感強めで曲によっては閉塞感を感じました。

中音域は非常にクリアで広めに響きます。
人の声からピアノ、ギターサウンド、どれも刺さるような不快感は一切なく、
ナチュラルに聴き取ることができます。
ゲームをしていると、物音の方向が他のイヤホンに比べわかりやすい。

高音域も中音域に似たような傾向。
ギラついたパンチ感やBA基のような繊細さはありませんが
だからといってモタっとして反応が遅い、鈍くさい雰囲気は皆無。

1DDの5000円未満クラスイヤホンはこれからレビュー予定のTRN MT3やSalnotes Zero等
完成度の高いイヤホンがどんどんリリースされてますがその中でも
Wan’er S.Gは「この音域が凄いぞ!」というパンチこそないものの
「全体的にナチュラルなクリアさが凄いぞ!」という強みがあります。
アクション映画等を見るときは「もうちょっと迫力欲しいな」と思うかもしれませんが
一部の音が強調された圧のある音は疲れた!なんて人がいたら是非Wan’er S.Gはおすすめ。
デザイン的な意味でも、よくある派手なイヤホンとはひと味違うイヤホンでした。

個人的好み度:10点満点中/8.5点
完成度:10点満点中/10点