TANGZU x HBB Xuan Nv 8mmと10mmの2DDイヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク)(Linsoulリンク
TANGZUより、HBB氏とのコラボでリリースされた2DD搭載の美しい赤色が印象的なイヤホン。Xuan Nv【PR】
私のブログですらかなり登場頻度の高いHBB氏。
最近だと元モデルがあるイヤホンに対してのチューニングverが多かったと思いますが今回のは単独。



0.78 2pin端子で赤く透明度の高い美しい樹脂筐体。
少し重みがあるのでレジン充填タイプなのかと思いきやその中間? 
ノズルが根本からぐにょりと耳穴に合わせるように曲がっておりフィット感はかなり強め。
この装着感も相まって遮音性はかなり高いです。
イヤーフィンのような食い込みも仕事をしてる。
ベントはDDの真上にそれぞれ1個ずつと、pinの少し下に少し大きめのものが1箇所。

透明度の高い樹脂なのでDDから伸びている導管もクッキリ見えます。
フェイスプレートはデザインの入ったプレートが埋め込まれており(こういう模様の天井ありますね)
その上の樹脂に更に金色の装飾が施されています。
何か屏風で見た覚えのあるような模様ですがこれは蝶のコンセプトデザイン。
中国では自由、優雅、美しさの象徴でHBB氏の地元ハワイでは癒やしと変容。
さり気なく左右それぞれにメーカー名とHBBが刻まれていてイヤホンながら見ごたえのある気合の入ったデザインですね。


音質としてはHBBらしい低音に力強さのありながら中高音が埋もれないウォーム系。
10mmのDDはセラミック系振動板で8mmの方はPU+LCP2つの素材を組み合わせたもの。
比較的どの音域でも癖なく鳴らすLCPが小型DDの方に採用されています。

装着感の高さも相まって深く、力強い低音域が特徴的。ソリッドとまではいきませんが樹脂筐体であるにも関わらず
ボワ付きは少なめ。バスドラだけでなくベースラインやギターの中域までもトルク感が強い。
密閉度が割と高めな見た目をしてますがヌケも悪くない。メタル系の音楽でも低音域が出すぎて閉塞的になりません。
中高音域は良くも悪くもクセが少なく、分離感は並。低音域の力強さに比べてウォームながら曇った印象は少ないし
男性Vo等は艶っぽさも出る。女性Voだと少し伸びが物足りないがASMR系の音源だと程よく艶というか重みがあって◎。
高音域の金属系の音は少し距離感を感じるし刺激感は大分抑えめ。
最近1DDだろうがなんだろうかバランスよく高音域も伸びるイヤホンが多かった中では少し物足りない感覚を覚えました。

ドラムがドッコンドッコンいってベースがゴリゴリ出てきてギターもかなりマッチョになるのに全体がモコモコしすぎず
全体の音を見渡しやすいのはHBBらしい「低音域だけじゃない」良さを感じます。
高音域の物足りなさに関しては元が潰れてるとかではないのでリケーブル等でも好みに近づける、伸ばすことは出来そうな感じ。
装着感が非常にガッチリと食い込む感じが強く、2時間程度で耳が痛くなってしまったのが難点ですが
遮音性がかなり高いので集中して音楽を聴きたい、映画を見たい時には良いお伴。
何より見た目の良さはレビューしてきたHBB氏コラボの中でNo.1。
赤系のイヤホンが欲しいと思ったら見た目で選んでも損はしない一台だと思います。



総評
オススメな人:低音域にパワーのあるウォーム系な音色が好みの方。見た目に惚れた方。
個人的好み度:10点満点中/6点(休憩が必要な程度に装着感がガッチリしすぎていた)
完成度:10点満点中/10点

7HZ Aurora 7HZがリリースしたハイエンドのトライブリッドモデル

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク)(Linsoulリンク
私のブログでもいくつかレビューのある、比較的低価格ながら個性的で満足度の高いイヤホンの多いブランド7HZより
リリースされた1DD、2BA、1マイクロ平面駆動ドライバ搭載のトライブリッドイヤホン。Aurora。【PR】
399ドルという普段出しているクラスより上の価格帯ですが一体どんな完成度なのか。



0.78 2pin端子で7HZいつもの斜めに設置されたもの。
Auroraの名を冠していますがフェイスプレートの柄はオーロラというより何か別物のような。
確かに見える角度で雰囲気は大きく変わるけど派手さは結構抑えめ。
プレートはかなり薄めで重量感は全く感じません。
公式説明だとチタンフィラメントとあります。


光の当たり方で全く異なる見え方

本体は半透明な黒の樹脂製。そこそこ大型の部類に入る大きさで、内部にドライバがみっちりと入っています。
2基のBA、平面駆動は6mmサイズなのですがDDが12mmサイズなのでしょうがない。
ノズル本体は短いけど根本にかけてかなり太く盛り上がっています。
樹脂製でフェイスプレートも軽量であるにも関わらず全体としてはそこそこの重量感なので
これくらいしっかりとした太さがないと装着感に難が出ると思ったんだろうか。
太くて奥まで押し込めないのでイヤホンが耳から結構はみ出ます。
幸い外側に重心がないので違和感は少ないけど長時間付けてるとちょっと耳の入口の血流が滞る感覚。

音質としては全体的にド派手な迫力のあるドンシャリ。
低音域は12mmサイズのDDだからこそという深く、前に押し出してくるゴリゴリの音。
サブベースからミドルまで反応が早くだらしないボワ付きは少ない。
かなり押し出し感のある低音域だけどイヤホンのトップ側に3つの少し大きめなベントが3つ並んでいる
効果なのか樹脂筐体にも関わらず余韻もしつこくないし、音ヌケも良い感じ。

中音域はBA2基で担当しており、上下が強力なAuroraの中では少し落ち着いた音色。
ただしチューニングの妙かクロスオーバーの性能が良いのか、分離感が高くVoもギターサウンドも
少々ドライに存在感をハッキリと出してきます。
ピアノやアコギサウンドも綺羅びやかさが強くて良い。

高音域は6mmの平面駆動が担当。
ここが結構刺激感というかクセのある音域。
低音域に負けないようにしっかりとパンチがある刺激強めの音。
中音域よりも更にドライで硬質な感じ。
ホーン楽器の高音域がずば抜けて気持ち良いけども聴き疲れしやすいのも確か。

気持ちウォームで力強い低音域とかなりドライで力強い高音域、それらに挟まれた分離感高めの中音域。
ポップスだろうがしっとりしたバラードだろうが「俺が俺が」と上下が襲ってくる。
中音域も負けじと存在感はしっかりあるので聴く人によってはバランスが悪い!とか言われてしまいそう。
クラシック系の音源等、ちょっと落ち着いてしっとりと聴きたいという時には不向きだけど
ロック、ダンス系をド派手に楽しみたい!という人にはこれ以上ないパワフルイヤホンです。
何でもいける優等生な高級機というよりは独自の派手さを持った7HZなりの楽しく聴けるを体現したイヤホンだと感じました。

ケースは金属ではなく革系

珍しく内部クッションみっちりタイプ




総評
オススメな人:上下ともにド派手に聴けるドンシャリ+解像度を求めていた方。
個人的好み度:10点満点中/9点(装着感だけ) 
完成度:10点満点中/9点 7HZらしく高品質、高音質だとは思うが円安の影響もあり少々割高感は否めない 

SIVGA Nightingale 14.5mm平面駆動ドライバ搭載の木製プレートが光るイヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク
SIVGAという比較的高級なヘッドホンをメインに展開しているブランドより
水滴の形をしたアルミニウムとマグネシウム合金の筐体に木製のフェイスプレートが特徴的な
平面駆動搭載のイヤホン。Nightingale。


0.78 2pin端子ですが、qdcではないタイプの凸端子になっています。
当然qdcのケーブルは使えませんし、凹端子に対応したCIEMタイプのケーブルだと若干不格好。
独自規格とまではいきませんが少々癖があります。
また付属ケーブルは4.4mmバランス端子のみというこれまた独特なラインナップ。
元々平面駆動ドライバを搭載したイヤホンは強めの上流を選ぶ傾向がありますが
これだけ4.4mm使いなさいよオーラをだしたイヤホンも珍しい。
ちなみに私のデスクトップアンプは3.5mmアンバランスのみなのでリケーブルでレビューしました。




内蔵されたドライバはデュアルマグネティックドライバー、磁気力学を利用して2組の高性能磁石を適合させることで
単一磁石よりも効率を大幅に上昇させたもの。広くて自然な音場を売りにしています。

つけ心地に関しては癖がある評価が多かったのですがそれも納得。
内側の加工自体は非常に滑らかで丸みがあるので平気そうに見えるんですが
ノズルが少々短く、角度がかなり深い。本体から大きくはみ出るような角度。
私は多くのイヤホンを本体を手前に回しながら耳の穴に丁度いい角度を見つけて押し込んでいますが
Nightingaleに関してはノズルで耳の穴がグリっとえぐられてしまうのでまっすぐ縦にして押し込んでいます。
それでも少々ノズルが耳の内側に強く当たっているのでこれは人を選ぶだろうなと感じました。
私は2時間程度で耳道がむず痒くなりました。血行が少し阻害されてる感じ。
小さめのイヤピにすると圧が和らぐ分密着が取れず音が軽くなってしまうので難しいイヤホンでした。

音質としては広くて自然な音場を売り文句にするだけありヘッドホンのような余裕のあるステージ感。
広めのホールで聴いてるような感覚を覚えます。
サブベース自体は控えめながら下でしっかり支える存在感はあるタイプ。
ミドルベースが少し全体の中では多めなので平面駆動としてはややウォームで柔らかい雰囲気に聴こえるかも。
平面駆動ドライバは大抵かなり大口径なので自然な柔らかさでヘッドホンやスピーカーライクな
広く響く低音を出せるものが多い印象。
NightingaleはSIVGAがヘッドホンを多く排出している為か、かなり意図的にイヤホンというよりヘッドホン的な
チューニングを施したように感じます。

中高音は平面駆動らしい解像度の高さがありつつも若干距離感がある。
埋もれているというよりはステージ感の広さとしてあらかじめ配置されたような距離感。
男性Voのような熱量と厚みがあるタイプも、女性Voのような伸びが求められるタイプも
距離感はあるがしっかりと気持ち良く伸ばしてくれる。
以前レビューしたS15だとこの辺りがすごく近くて、包まれるような気持ちよさがありましたが
Nightingaleは適度な距離感があるので平面駆動特有の解像度の高さがあっても長時間聴ける
視聴ストレスの少なさを感じました。
その為分離感の強さや煌めき感を今までレビューした平面駆動のようにまでは感じません。
ただこの辺り「そうなってしまった」のではなく「そのようにした」んだろうなと
思わせるチューニングの自然さ。

楽曲によってはギターが曇ってるように聴こえることもありましたが好みの範疇。
4.4mm端子のみだったり、内側の仕上がりもう少し自然に出来なかった?と構成や見た目に関して
思うところはありますが平面駆動だから~という理由だけでなく、
Voを重視する方や自然に広くヘッドホン的な響きを持ったイヤホンを求めてる人に
向いてそうな音作りだと思うので是非試して欲しい独特の魅力を持ったイヤホンです。




総評
オススメな人:ナチュラルでヘッドホン的な響きが好みな方
個人的好み度:10点満点中/7点(個人的に装着感が難しかった)
完成度:10点満点中/9点 

Kinera Celest Plutus Beast 骨伝導ドライバ搭載のトライブリッドイヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク)(アリエクHiFiGoストアリンク
Kineraより今年頭頃にリリースされていた骨伝導+BA+SPDのトライブリッド。Plutus Beast【PR】
SPDは特許取得の四角い平面ドライバーですね。

0.78 2pin端子で、本体は樹脂製。
非常に丸っこいデザインで、内部にはこれでもかと3種のドライバが詰め込まれています。
大きなドライバのおかげか見た目に反して結構ずっしりとした重み。
ノズル部分は短めに見えますが根本は耳の穴に沿うようになだらかに伸びたような形状。
骨伝導ドライバは性質上ぴったりと装着するのが大切なので耳全体にびったりイヤホンが触れるような設計。
ベントはノズル根本付近と端子横に1箇所ずつ。

みっちり


ドライバのせいか微妙に段差のある内側

私のブログでは前回Phoenix Callを紹介しました。
それに勝るとも劣らないデザインの美しさが今回も光っています。
フェイスプレートは金色と青色で選べるようになっており、金+金、青+青、金+青の3種。
私はどちらの色も綺麗だったのでミックスにしました。



音質としては深さと柔らかさのある低音域特徴的なドンシャリ。
サブベースから低音域まで弾むような独特の量感。
骨伝導ドライバ搭載イヤホンはBQEYZのWINDを所持していますが開放的な音のこちらに比べると
密閉型でベントも最低限のPlutus Beastは奥行きに特化したような低音域。
ウッドベースのような響きのある低音にはドンピシャ。ソリッドで締まった低音とは真逆なので
反応が遅いと感じる人はいるかも。
高音域も低音に負けじと解像度高めなパンチのある音を出しており、電子系音楽でも低音域の迫力だけでなく
高音域のキラキラ感と抜けが両立しています。
BAは1基しか積まれていないのですがおそらく超高域が中心で主な中高音は音の雰囲気的に平面ドライバで担ってるような気がする。
中音域は全体的にやや硬質で、柔らかめの低音とは分離感があるがギターの高域などで一部エッジが立ちすぎて
ちょっと耳に障る時がある。

音数の多い激しめな楽曲も楽しめるのですが、主張の強い低音と高音のおかげでVo辺りは凹みやすい。
個人的には音数の少ない楽曲のほうが、それぞれのドライバの主張の強さが良い塩梅で楽しめました。
独特の低音域はライブ音源でも力を発揮しますが本領は映画やゲームだと思います。
中域の凹みも音楽で無ければ余り気にならない範疇ですし、下手なスピーカーやヘッドホンよりも
重みのある低音域とそれに負けない元気な高音域は相性抜群。
意外とズレにくく、長時間でも負担になりにくい装着感なので音楽以外の日常使いにもオススメ。

シャレオツケース

シンボルのアクセサリー付き



総評
オススメな人:深く柔らかめの低音域+負けない高音域でピンときた方。
個人的好み度:10点満点中/9点 
完成度:10点満点中/10点 相変わらず付属品やら見た目やらがおしゃれ。

KZ ZSN PRO2 新世代DD+1BAハイブリッドイヤホン

 

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新世代DDを搭載したシリーズの1BAをプラスしたハイブリッドイヤホン。
EDX LITE、EDX PRO Xときて3台目。
これまでの2つがとても良い出来だったのでかなりハードルは上げてたんですが、見事に飛び越えてくれました。



qdc端子で、本体は透明度の高い樹脂ボディ。フェイスプレートは軽量な金属製。
プレート側に1箇所と、DDの真上に1箇所ずつベントがあります。
ベントは根本からの盛り上がりを含めると少し長め。
角度も少し深めで、凸のない滑らかな内側ですが装着感はしっかり食い込む感じで良好。
今回はBAがノズルに収納されてます。
EDX LITEもそうだったけど、最近は安価モデルでもビルドクオリティが高いですね。
中が接着剤でベットリとしてる様子がありません。

音質としてはEDX LITEのような深めのサブベースに、カリカリしたBAの旨味を活かした高低差の凄いドンシャリ。
ミドルベースの辺りは少し薄めで、楽曲によって物足りなさはあるがサブベースの重みが凄い。
グイグイと出しゃばる量感ではないがこれまでのKZシリーズと比べ深さ重さが段違い。
元々KZイヤホンはゴリゴリに低音が強い音が多かったけど、新世代DDの本領がここでも発揮されています。
中音域はややドライな響きですがVoからギター、金管楽器まで良く伸びます。
分離感も優れており、空間もベントが少ないのに並程度に広い。
高音域はBA1基なので広がりこそ弱いが刺さりなく気持ちよく金属音の伸びがある。
EDX LITEの低音、中音域の仕上がりにBAできっちり美味しいところをカヴァーした感じ。

多ドライバを積んだKZイヤホン、最近掴んだものだとKZ ZS10 PRO Xと比較すると流石に
高音域の圧、量ともに1BAの限界は感じるけど、聴き比べして初めてわかる程度。
寒色系という程解像度高めでもないが暖色では全く無い。
強いて言えばドライ感強めのハリのあるドンシャリ。
個人的には新世代DDの中で一番ハマりました。
こいつにBA等を増やしたモデルもそのうち出るんでしょうが、楽しみで仕方ありません。

これからKZイヤホン試す人にはいきなりコイツを選んで貰っても良いと思います。


総評
オススメな人:サブベースも高音域もクッキリとした強めの音が好きな方。ドライな音が好みの方。
個人的好み度:10点満点中/12点 
完成度:10点満点中/12点 LITEやEDX PRO Xより価格は上だけど、その上でコスパは良いと思います。

TRN Azure Dragon 14.6mm平面駆動ドライバ搭載のほぼ開放型イヤホン

 


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TRNより販売された蒼龍の名を冠する平面駆動搭載イヤホン。Azure Dragon。
四神獣モチーフのシリーズですね。
とはいえ各々特別関連性のあるモデルかと言われればそうでもない。
特に今回のAzure Dragonは価格帯からしてかなり気合の入った別格の出来。



qdc端子で全金属製ですが軽量なボディ。kirinのような丸っこい形状をしており、装着感は非常に良好。
気持ち深い角度の標準的な長さのノズル。根本からなだらかに太くなっていて痛みはないが
ずれにくいタイプ。軽量なので耳でしっかり支える感覚もなく、何時間付けても平気なタイプ。
開放的なデザインのフェイスプレートは濃紺をベースに蒼い装飾が施されたなんともおどろおどろしいな、
神秘的なような、モンスターハンターでありそうな面白デザイン。
ヘタなゲーミングなんたらよりもゲーミングっぽいです。


ベントは内側にも一箇所。そしてノズルの根本に何か変な色が見えます。
kirinでもあったノズル交換機構です。
短めの高音域強調ノズルと、デフォルト装備の標準ノズル、それに長めで経の狭い高音域減衰モデル。
フィルターではなくもう少し物理的にチューニングを変化させる手法ですね。
個人的にはノズルの長さで大分装着感変わってしまうので困りものですが、逆に言えば装着感で泣く泣く手放すということも無いのか。




ちなみに付属品のケーブルは恒例の2.5~4.4mmプラグ交換可能タイプ。バランス化の為に追加でケーブルを買ったり
リケーブルの手間がはぶけるヤツ。

音質としては超開放的なヌケと解像度の高い中高音と広がりのある低音域が超気持ちいいドンシャリ。
まずこのイヤホン、平面駆動ドライバの真上にチューニング用のcavity(空洞)パーツがあるとはいえ
背面がメッシュプレートの上に半分空いてるようなデザインなので開放感が非常に高い。
その恩恵が全ての音に出ているような個人的ベスト平面駆動イヤホン。

サブベースはしっかりと音圧があり量感も多め。ヌケが良いのに力強い。
勿論圧的な意味では密閉のソレに若干劣るんですが横に広く全体を支えてくれる。
派手な楽曲で物足りなくなるような薄さはありません。
ミドルベースはサブベースに比べると薄めだが存在感は並以上。
ソリッドさは余りないので、クールな中高音との温度差はある。
元から存在感強めのベースギターや歪んだ太めのギターだとより強調されてゴリっとくる。

中高音域は解像度と分離感が高めで広がりが強い。金管楽器やコーラスのキレや伸び、綺羅びやかさが気持ち良い。
ギターのカッティングも非常に気持ち良く鳴らしてくれます。
平面駆動だと中音域が独特の耳に障るむず痒さのような刺激感がでることもあるんですがそれも無し。
高音域も刺さるギリギリまで伸びてくれるが、開放的な機構のおかげかある一定以上の刺激は抑えられてるように聴こえる。
何より全体的にヌケが良いのでライブ音源でもスタジオ音源でもどこか広い部屋でスピーカーで聴いてるような、
程よい距離感と包みこまれる感覚が同居している。
S15だともう少し距離感が近く、ナイチンゲールは距離感はもう少しありつつも、その分煌めきのある刺激感は弱めでした。
無論この辺りは好みの領域ですが個人的にAzure Dragonは今まで触れてきた平面駆動の中で一番好み。
デザインがちょっと個性的すぎるように見えて、実物は案外落ち着きがあってクールですよ。
音漏れを含めて外で使うには多少勇気がいるかもしれませんが。

濃いめで全体を広く支える低音域と綺羅びやかで分離感の良い中高音が好みなら是非手を出して欲しいイヤホンです。

総評
オススメな人:開放的でかつパワーのあるイヤホンがほしいと思っていた方。
個人的好み度:10点満点中/12点
完成度:10点満点中/10点