CCZ BC04 洗練された出来栄えのお手頃ハイブリッド

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク
CCZよりリリースされた1DD+1BAのハイブリッドイヤホン。BC04。【PR】
小さな凸のある0.78 2pin端子。いわゆるTFZ系。
フェイスプレートはアルミ合金で、縦に線の入った質感高めのデザイン。
そこにCCZのロゴと、ロゴから6本伸びたラインには蛇腹のような模様が。
そこを更にシルバーで縁取りされており、なかなか高級感のある感じ。
本体は樹脂製で、大きな凸の無いシンプルめな形状。
ここにきてCCZ独自のシリコン製イヤーフィンが復活しました。
ノズルは根本の盛り上がりを含めると少し長めで、角度が結構深い。
浅めに装着する分には気になりませんがイヤーフィンが機能する程度に突っ込むと
少々耳道にごりっと干渉する装着感。
ベントはDDの真上と、その少し横に2箇所あります。



10mmのDDはCNTDとありますがカーボンナノチューブドライバー で良いんでしょうか。
BAはノズルではなく、DDのすぐ真横にあるように見えます。

音質としては出来栄えの良い いかにもハイブリッドな強調感のあるドンシャリ。
ベントが内側にしかないけど、音場は縦に広い印象。奥行きはないが狭さは感じないです。
サブベースからミドルベースまでしっかりと重みと量感があり、CNTらしいとは言えないゴツめの低音域。
ボワついたウォームな音ではないので、CNTらしい一定の締りはある感じ。
Voの辺りは全体の中では少し落ち着いているが凹みは感じず、男性Voは自然に伸び、女性Voはより強調される。
ギターやキーボードの音は分離感はそうでもないけど程よくギラつきがある。
1BAとは思えないほど、一昔前のTRNハイブリッド系イヤホンのように刺さりのある刺激は無くしたうえで
気持ちよく聴こえる部分を伸ばしてくれる音。
高音域も金属感のパンチは弱いけど良い意味でシャリシャリしてます。

光の加減でだいぶ印象が変わるFP

レビュー依頼を頂いた時点では価格が不明だったのですが、5000円以下ならかなり良い出来なのでは?と思ってました。
まさか26ドル。amazonで四千円切るとは。構成を考えれば妥当程度に見えますが音を聴いてからだと手頃に感じる。
装着感の易しさや、高音域の厚みに差はあるけどTRN VX PROに近い万能的な寒色系ハイブリッドサウンド。
直近でレビューしたBC02やFlashと比べてチューニングの具合が抜群に良いと思います。
1BAの割には中高音の量感が変に薄くなっておらず、3BAくらいは使ってるんじゃないの?という広がりがあります。
DDでカヴァーしてるとしたらDDの出来がかなり良いんですかね。
寒色系ながら、低音域の厚みがどっしりとあるので元気なドンシャリ系サウンドが好きならかなり刺さると思います。
個人的にはTRN VX PROの半額以下でこの音が手に入るようになったのは驚き。
フェイスプレートのデザインもギリギリダサいラインを踏まない程度に攻めてる。
何の情報も無しに送られてきたので期待やら怖いやらでしたが現物を見た瞬間、見た目はとりあえず10点でした(笑
音も自分好みの方向で良かったのでこれはかなりオススメ。CCZの中ではNo.1に気に入りました。

私のはブラックですが、シルバーとパープル(青紫)もあります。
表面加工のお陰でどの色も格好良くみえる。
BC02やFlashで「もうちょっとクッキリ目の音が欲しいな」と思ったらこれです。


総評
オススメな人:寒色系ハイブリッドサウンドが好みな方。
個人的好み度:10点満点中/10点 
完成度:10点満点中/10点 (装着感はちょっとクセがあるけど深さやイヤピの大きさ調整でなんとかなる)

KBEAR Flash 1DD+1BAの低音強めハイブリッド

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク
10mmDDと1BA搭載のKBEARからリリースされた低価格帯ハイブリッドイヤホン。Flash。

qdc端子で本体はやや大きめの樹脂ボディ。フェイスプレートは合金。
ベントはDDの上に一箇所と、端子すぐ下に一箇所。
ノズルはやや深めでしゅっと細めに締まった根本の盛り上がりを含めると結構長め。
ドライバ構成の割にかなり分厚い筐体なので、ノズルの長さもあって耳からしっかりはみ出ます。
装着感自体は内側に凹凸もある為しっかりと安定感がある。大きくてもレジン充填タイプではないので軽い。
フェイスプレートがシンプルながらカッコイイ。無理に製品名やロゴそのまま入れんでも良いのにと思うものも少なくない中
どちらも載せてるのにダサさが無い。やはり金属の質感は全てを解決する。
プレートは2色だけど本体の色はシルバープレートに対して3色あるので注意。



音質としては量感は控えめながら存在感のあるサブベースにボリューミーなミドルベースが印象的。

10mmの1DDはPU+PEEK素材振動板を採用。どちらも樹脂系のようですね。
中高音域の存在感がBAを搭載している割には控えめに感じるくらい低音域が主体的です。
ミドルベースが重さも程々に量感が凄いので楽曲によっては存在感がエグい。
広めに響くのでオーケストラやジャズ系で低音が物足りないと感じる人にはオススメし易いかも。
ちょっとボワついた感じですが分離感は悪くないので気持ちいいです。
古めのロック・ポップスだとこの低音が少し大人しくなり、結果全体的にハイブリッドとは思えない大人しさになります。

中高音はVoの辺りで少々凹んでます。
存在感が明らかに低音に負けて丸っこく聴こえる。
音数の多い楽曲やダンスミュージックだと特に顕著。高音域の金属類は分離感良く鳴っていてBAが仕事してるなぁと感じますが
中音域に関しては構成的にある程度割り切って抑えた感じ。

ウォームな傾向だけど高音域はしっかりと存在感があるので低音主体で高音域もある程度存在感は欲しいぞ!という人には良いかも。
中高音も凹まずそつなく、なんなら程よくギラついた音出します!という方向性の方が好みだったらKZ系の同構成の方向がオススメ。
ウォーム系が好みな人はオススメの低価格帯ハイブリッドです。


総評
オススメな人:ウォーム系が好きな方。 ギラついた中高音を求めてない方。
個人的好み度:10点満点中/6点 
完成度:10点満点中/8点 

CCZ BC02 低価格でCNT振動板の1DD

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク
CCZよりリリースされている、日アマゾンでも2500円以下という値段でCNT振動板を採用した1DDイヤホン。BC02。【PR】
久々のCCZですね。前回は1年以上前の勇士 Warrior BC-08の記事でした。
ここで気づいたんですがBC02はプレートにSymbolとあるので正式名称はやはりSymbolなんでしょうか。

端子はTFZタイプ。qdcとは異なる大きさの凸端子です。0.78 2pinではあるので他の端子でも見た目を気にしなければ流用可能。
本体は樹脂ですがフェイスプレートは金属+デザインプレート+樹脂というサンドイッチ構造。
気持ち重さの重心がプレート側にありますが小型ボディでもないので特に装着上気になりません。



ノズルは標準的な長さでちょい深めの角度。根本がほとんど膨らんでいないので装着感は見た目よりも深いです。
内側のイヤーフィンは勇士まで使っていたシリコン素材ではなくなりました。
気持ちエッジが立って、より食い込むような形。この変更によって装着感が重心バランスの割に良いのかも。

ベントはDDの真上に一箇所と、DDの真横の辺り。pin側の側面に楕円形の大きなベントが2箇所並列に空いています。
音質に関しては後述しますがここから少し音漏れします。

CNT振動板搭載の10mm1DDですが、音質としては気持ち地味なドンシャリ。
サブベースもそれなりに鳴らしつつミドルベースは結構濃いめ。
TKZKのOuranosは同じCNT仕様ですがもう少し締まりのある低音域だったのに比べBC02は少しボワつきがあります。
とはいえCNTの割にはという程度で、価格を考えると十分楽しく聴ける範囲のボワつき。

中高音域は濃い目の低音とは分離感があり、金属的な主張は弱いですが余り凹まず主張してくれる。
ギターサウンドは低い方の音が低音域の濃さに引っ張られてにかなり濃ゆく、中高音は分離こそしているものの
カッティング等キレのあるサウンドについてはちょっとモタつきがあります。
大きなベントが効いているのか空間に関しては少し広めで、距離感はあるけど高音域までしっかり楽しめる。
パンチこそないけど低音域の濃さを考えるとここまで分離感高めに鳴らしてるのは価格帯を考えると良い。
Ouranosは全体的に自然でかつパンチも程よくあって心地よいサウンドでしたがBC02はOuranosの半額以下ですからね。

見た目に関してはプレート部分がスモークがかっていて暗めなのもあって安っぽさが少なめ。
商品ページの写真程くっきりとデザイン部分が見えないので安心(?)
低価格帯の1DD+1BAもアツイけどBC02みたいな1DDも決して捨てたもんじゃないなと思わせるくらいには
濃いめの低音~中域と分離感のある中高音が堪能出来ました。
パンチが弱くても濃さと分離感と音の広さで十分楽しく聴ける。



総評
オススメな人:低価格帯の1DDにハマってる方。刺激感のある音が苦手な方。
個人的好み度:10点満点中/8点
完成度:10点満点中/9点

NICEHCK DB2 DBシリーズの真ん中を埋めに来た暴れん坊

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク)(HiFiGOリンク
NICEHCKよりDB1、DB3ときて空いていたDB2を埋めに来た1DD+1BAのハイブリッドイヤホン。DB2。【PR】

端子はTFZ pin等と言われる少し凸になっている0.78 2pin端子。
qdcよりも大きい土台なので端子が合致するケーブルだとより強固な接続が可能になります。
リケーブルの際にはフラット2pin等の凸が少ないケーブルを使わないとイヤホンからの端子だけで結構長くなってしまうのが玉に瑕。



見た目はNX7シリーズと同じかなり薄いボディ。
クリアな樹脂に金属で少し厚みのあるフェイスプレート。
そのプレートに樹脂製の美しいプレートが更に埋まっているような構造。
日本アマゾンで4千円ちょいの価格帯ですが見た目は万超えのNX7 MK4と遜色ない美しさですね。
ノズルはかなり深めの角度で伸びていますがボディが薄いので装着感は良好。
ベントはDDの真上に1箇所のみ。

10mmの1DDに関してはグラフェン振動板+チタンコート。二重にコーティングしてあるというよりは
部分的にチタンコートを施しているようです。
このチタンコートがあるせいか、再生時間による音の変化が割とあるようだったのでレビュー前に50時間ちょっと鳴らしてあります。

音質としてはまず音の配置というか定位?が独特。
スピーカーシステムでいうとウーファーが眼の前にあってセンタースピーカーが遠くに、
左右のスピーカーが後方斜め後ろに置いてあるような。
サブベースからミドルベースにかけてかなり重め。
ポップスやロックではそこそこの存在感ですがダンスミュージックになるとズンドコときます。
何より距離感が近い。
しっかりと制動されたような低音なので量の割にだらし無さは殆ど無い。

中音域は男女でくっきりと印象が分かれます。
前述したベース域の濃さから男性Voは熱量もあって埋もれずに前に出てくれますが
女性Voものだと音域によってクリスプな雑味がありちょっと粗めな印象。
このクリスプさが鳴らし込みによって今後軽減するのかはわかりませんが
ギターだと特に顕著。
刺さるわけではないけどここの帯域だけ妙に軽くて浮いてるような感じ。

高音域は何故か全体的に音が後ろ側からなってるような聴こえ方。
ベントが1箇所しかないし、低音域が強いぶん追いやられて遠くに聴こえることはよくあります。
でもDB2の場合遠くはないけど何か居場所が耳の裏の方というか。
決して不良を疑うわけじゃないけど、随分大胆なチューニングをしたなと思います。
下2つの帯域が主張強い分工夫した結果なのかもしれないが
1BAでも最近はうまくまとめられたイヤホンが多い中結構尖ったギラつきもある。

DB2はXで投稿されてる感想を見てもかなりばらつきがあり、時間で変わったという感想も多い。
公式が100時間~150時間はエージングしたほうが良いという製品も過去にあるくらいなので
そういうこともあると思います。
個人的には曲によっての印象差もかなり大きい。
古めのロック・ポップスだと低音域がスマートにしか鳴らないし、中高音も比較的自然に鳴るけど
音数が多くて元からドンシャリ傾向のある楽曲だとクセのある暴れん坊。
試聴が出来るメーカーではないので定価だと微妙に勧めにくいけど、
セールで大きく下がる時は是非試して欲しい個性的なイヤホンでした。


総評
オススメな人:一癖あるイヤホンが試したい方。
個人的好み度:10点満点中/5点 
完成度:10点満点中/7点 

Shozy P20 14.5mm 平面駆動ドライバー搭載イヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク)(Linsoulリンク
Shozyというブランドからリリースされた14.5mmのDD一発搭載イヤホン。P20。
14.5mmの平面駆動ドライバではありません。ダイナミックドライバーです。

※ レビュー後、平面駆動ドライバという文言に訂正されていました。
 
PET振動板なので樹脂系の振動板ですね。
平面駆動ドライバは正確に言うとダイナミックドライバーとの違いは無いそうですが小難しい話は置いといて...。
ただのDDがこのサイズで搭載されるのは珍しい気がします。



0.78 2pin端子でややずっしりとした全金属筐体。
大型ドライバを搭載するだけあり筐体もかなり縦横に大きいです。
角度深めに伸びたノズルと、内側の構造がフィンのように凹凸となっているので装着感はズポッと収まり良好。
耳穴全体で支えるような感覚なので重さによるグラつきも無し。
フェイスプレートには独特の模様が入っており、これはプリントではなく刻印。
深くないので指で触っても嫌なザラつきはありません。
P20という製品名ですが商品ページには当然のように「ラビリンス」と書かれている...。
「迷路」の名を冠するだけあるデザイン。
ちなみにベントがノズル根本にある他、この迷路の中心に小さく3つ空いています。

ちょっとフィンのエッジが細め


音質としては余裕のあるボリューミーな低音域が中心のウォーム寄りながら、分離感はしっかり高めの音。
サブベースは量感こそ強く前に出ませんが全体を包み込む地響きのような存在感。
ダンスミュージック系であればサブウーファーのようなズンとくる音を楽しめる。
人が聞き取れる、かなり限界に近いところの低音域が出ている気がします。
ミドルベースは濃い目で押し出し感も強いのでここの辺りが主役。
控えめながら地響きのような重さと、グイグイ来るミドルベースはロックやポップスだと
本領発揮出来ない部分もあるけど「この曲こんな低音域あったの」という発見が出来そう。

中高音は大型ドライバの恩恵なのか、解像度こそ並だけど低音域の存在感に負けず。
というよりしっかりと分離されていて濁っていない。
女性Voは気持ち存在が遠いけど男性Voは近いくらい。ギターサウンドやドラムの金物については
しっかりと聴き取れるくらいには存在感もある。
綺羅びやかな残響感もあって、金属筐体の良さが出てますね。
コーラスやドラムのハイハット、マラカスのシャカシャカした音に関しては分離感が非常に良い。

大型ドライバなので箱出しからの鳴らし込みや、出力の環境による違いは大きいかもしれない。
一聴してウォームな傾向と思いきや、徐々に分離感の高さや中高音のハッキリした存在感に
思考が迷路のように混乱する。
どっしりとした深みのある低音とこの中高音はヘッドホンの良さとイヤホンの良さを混ぜ合わせたような。
抜けの良さは弱いけどイヤホンで味わえる低音域としては是非一度味わって欲しい音でした。
円高の影響もあり約2万円の現状だけど、十分それに見合う実力はあると思います。

ちなみにサブベースの重さと中高音の分離感で一番キマったのはスオミトランスでした。




総評
オススメな人:低音つよつよな イヤホンが欲しい人 低音強めで中高音は埋もれず鳴ってほしい方。
個人的好み度:10点満点中/10点 
完成度:10点満点中/10点 独特の強さがあってデザイン的な質も高い。初めてのブランドだけど非常に好印象でした。