TRN Kirin TRN発 今流行りの平面駆動ドライバ搭載イヤホン

 

今回ご紹介するのはこちら。
今流行っている平面駆動ドライバ搭載イヤホンがTRNから!
TRN Kirinです。
qdc pinで金属筐体ですが、マグネシウム合金で軽量。ドライバは各社若干の違いはありますがKirinは14.5mm。
フェイスプレートには細かな穴のようなものが見えますが半開放型のような感じ?
模様というわけではないと思うんですが、試した感じ特に音漏れがここから大量発生してはなかったです。
ベントは別途大きなものが下部に3つ搭載されていて、フェイスプレートの効果もプラスなのかかなり広い鳴り方をします。

目立つベント、ノズルの根本には謎のライン


装着感は非常に良好。
本体の軽さもありますが若干長めの標準ノズルと変に凹凸を作らずスリムにシュッとした
ボディがすんなりかつガッチリと耳にホールドします。
軽量金属筐体とこの痛み無くしっかりと収まる感じ、VX PROに近い良さです。

TRN Kirinは各社から出されている平面駆動ドライバ搭載イヤホンと比べ価格は若干低め。
ですが付属品がかなり凝っており、まずはノズルが交換式で短め、長めのタイプが。この為根本にシリコンリングが付いてたんですね。
ケーブルも2.5mm 3.5mm 4.4mmプラグが交換できるタイプ。
別に本体が安っぽいとかでもないのにこの付属品群は豪華ですね。ケーブルに関しては最近安売りしてる流れこそありますが。

ノズルの収納板が非常にカッコイイ

普通のネジと同じ。反時計回りで取れます

今回は主にリファレンス、標準ノズルでのレビューになります。
ちょっと付け替えくらいは試したんですが長めだと若干中高音減衰で低音、ミドルベースあたりがちょっと盛り。
短いタイプは高音域がちょっと盛られて他はそこまで変わらず。
装着感含めて標準が一番で良いかな。という感じだったので。

音の第一印象を語る前にこのイヤホン、必ず1時間ちょっとは鳴らしてから聴いてほしいです。
エージングに関しては私の場合とりあえずやっておこう。くらいのものなんですが
Kirinに関しては明らかに箱出しとその数時間で音が変化したと感じました。
箱出しの時点では低音がちょっとブーミーで中高音がちょっと耳に障るような刺さりとは違う刺激があり、
これは失敗したかもーと思う音でした。
しかし小一時間聴いていくうちにどんどんと刺激が無くなり、低音も落ち着いていったので
平面駆動の特性なのか不明ですが、箱出しで判断してたら間違いなく後悔するところでした。

ようやく音の第一印象を。
どっしりとしたベースを中心に、濃いめかつ精細な中音域が広めのステージで鳴らす非常に魅力的な音。
サブベースから量感のある低音がしっかりと主張。特にミドルベースあたりはかなり濃い。
相対的にサブベースはちょっとスリムに聴こえますが多めの部類だと思います。
金属筐体の効果か、平面駆動ドライバの効果か、相当な量感にも関わらず一定の締りがあり
他の音をマスクしていません。14.5mmという大型ドライバということも貢献してそう。

中音域は少し暗めで、濃さと広がりが強め。
個人的には平面駆動は明るくてシャキっとした音なんだろうなぁ!と思ってましたが。
LETSHUOER S12は試聴だけさせてもらったことがありますがとてつもない明るさを伴った中高音だったので
ここはイメージと違いました。でもTRI I3も平面駆動搭載のトライブリッドでしたが中高音は暗めだったかも。
平面駆動はチューニングによってかなり幅のある音を出すというコト?
横への広がりが強く、分離感高め。
その影響かパートによって大分音の印象も違います。
ドラムのスネアや男性Vo辺りは気持ち控えめ。ピアノやギターのカッティング、金管楽器はパンチこそありませんが広く響く明瞭感。
ドラムの金物や女性Voは高めの方だと時折グイッと主張してきます。刺さるってほどではありませんが派手な部類。

高音域はちょっと距離感を感じますが悪い意味ではなく、広い音場の中で端の方に位置してるかなーという印象。
他の音に追いやられているというわけでもなく、しっかりと単独で存在感を出しつつも刺さるような刺激は避けてるような。

Kirinは今まで聴いてきたイヤホンの中でもトップクラスに音場が広く、ヘッドホンに近いような音を楽しめますね。
カナルイヤホンの良さは構造から来る密閉感、それに伴う音のパンチ、スピーカーやヘッドホンでは聞き取りにくい
細かな音を楽しめる点だと思っています。
その代わりヘッドホンやスピーカーで味わえるステージ感、広さ(物理的に空間があるので当然と言えば当然ですが)を失います。
Kirinは軽量ボディで装着感の良さから来る閉塞感が弱い分、殊更カナルイヤホンで感じやすいこのデメリットが弱い。

レビューを始めてから、ある程度感想をまとめたら次のイヤホンだ。というリズムが続いてるんですがたまにこういう
「しばらく外したくないな」と思わせる出会いがあるからたまりません。
装着感の良さ、音の心地良い楽しさ。音楽を聴く上でこの2つが揃えばしばらくは手放せません。

強いてデメリットを上げるなら中音域の暗さ。
量感の濃さが要因なのかわかりませんが、Braveryと比べると慣れるまでちょっと気になった。
男性Voやドラムの一部金属系が若干控えめに感じる程度なので、不満という程ではないんですが。



総評
オススメな人:平面駆動ドライバホンを探している方で、低音域の強さを重視している方。でも基本的には誰にでもオススメです。
個人的好み度:10点満点中/10点
完成度:10点満点中/12点 他に比べ若干低価格にも関わらず出来の良さ、付属品の豪勢さが凄い。




偽Podsシリーズ 第三弾

 

今回ご紹介するのはこちら。
今まで2回登場した偽Podsシリーズの第三弾。名前はない...ショップはいつものChitty's Store

偽P(無印) 高級偽P(前回) 最高級偽P(今回)という感じになります。

相変わらず本体のみでの販売なので、ケーブルはMMCX対応のものを自前で用意する必要アリ。
それでいて今回は通常価格が現段階で8000円程度。
円安の影響もあるとはいえ、偽Pに比べると3倍以上の価格です。
偽Pから高級偽Pが結構個人的には価値ある音だなぁと思ったのでサマーセールに乗じてチャレンジ。

ガワは流石に最高級なだけあり雰囲気があります。樹脂ではなくちゃんとした(?)木材だと思います。
イン側の方は相変わらず最初から小キズが。

パッと見て穴から除くメッシュは高級偽Pと同じ緑色。ドライバーユニットの詳細が
偽P、高級偽P共に不明でしたが今回の最高級偽Pは商品ページにドライバーユニットの紹介がありました。
「バイオファイバーペーパーコーンサウンドユニット」
進化なのかどうかはともかく、初めて偽Pシリーズでドライバーユニットを紹介するということは
「他とは違うぞ」という自信があるのでしょう。
ストアページに画像もあります。


薄い和紙にたくさん髪の毛が入ってるような、お世辞に美しいとは言い難い見た目。
しかし単語的にはようやく中華イヤホンらしいそれっぽい響きを感じるので期待値が上がります。

音の第一印象としては微妙。イントラ系として決して悪くないドンシャリ系。
低音域はサブベースが少し薄め。鳴ってはいますが本来ウーファーがブンブン響くようなサブベースが
かなり控えめになります。イントラならしょうがないんですが。
しかしミドルベースの辺りは結構などっしり感。偽Pの中でも若干ではありますが多いと思います。

中音域に関しては私の苦手なキンッキンに響く状態。経験だけでいうとこの手の刺さりはいくら鳴らしても変わらないですね。
しかしJcallyのEP-09のような音楽に使うのはキツイというほどではない。
ギリギリ刺さってるくらいが気持ちいいんだよ!という人には良いかも。
男性Voでもしっかりと前に出てくる。でも繊細な感じではなく、ちょっと荒さがあるので最近の出来の良い1DDに慣れてると
やっぱこういう刺激のある音はよりキツく感じます。

高音域は中音域の主張に引っ張られてるがクッキリとパンチがあってこちらは良い印象。
イントラは元々カナル型に比べれば抜けが良いのは当たり前ですが、
それだけに高音域も細くスカスカになったりして「ラジオ用ならいいけど音楽にはちょっと楽しみにくい」というのも。

偽Pシリーズは独特の分離感の良さがありスピーカーを耳の直ぐ側で鳴らしてるような
開放感と音の太さが魅力的なんですが、最高級偽Pに関してはちょっとそこの良さが他2つに比べ弱い。
装着感はサイズが殆ど変わらなく見えるにも関わらず一番良い。
ガワも一番良い。
でも肝心の音が一番良くない...。
これで3000円くらいなら「まぁ良いか」なんですがセールでも6000円ちょっとはしたのでコスパも悪い。
Chitty's Storeにはまだ上の価格帯の似たようなイヤホンがありますがその辺りは宝くじでも当たらないと
中々レビューを書くことにはならなさそうです。


総評
オススメな人:偽Pが好きな方。
個人的好み度:10点満点中/6点
完成度:10点満点中/8点(偽Pの中では一番見た目が良いので)



EarFun UBOOM L  一番ベストなBTスピーカー

 

今回ご紹介するのはこちら。
EarFunの名機UBOOMの進化版。その名もUBOOM L。
何ともひねりのないネーミングですがUBOOMは過去私のブログでも紹介した、コスパ◎のBTスピーカー。
そんなスピーカーが初回クーポンで7999円→5999円になっていたので買ってしまいました。
BOSE買ったばかりなのに。

両者の主なスペックの変化としては
・スピーカーユニットが45mmから55mmに大型化
・最大出力24Wから28Wへ
・防水性能はIPX7からIP67
・バッテリーは増量、再生時間はユニットが大型化した関係か同じく最大16時間。
・bluetoothバージョンは5.0で変わらず、しかし対応コーデックSBCのみだったのがAAC追加。

防水性能に関してはIPXとIPで表示が異なります。
そもそもとしてはIPは保護特性記号というもので、その後に続く「X」もしくは「数字」で防塵性能と防水性能を2桁で表しています。
uboomのIPX7は防塵性については省略、防水性のみについて「7」という等級を表しています。
これは一時的に一定水深の条件に水没しても内部に浸水しないレベル。
それに対してUBOOM LのIP67は防塵性が「6」、防水性が「7」となります。
防水性は同じ等級。UBOOM Lはさらに防塵性についても粉塵が侵入しない等級になっています。

つまり日常的な水が降りかかるようなシチュエーション等であれば特に心配する必要がないということです。

充電端子は引き続きType-C。外部端子も備えていますので、有線で楽しむことも可能。
EarFunは価格を抑えているにも関わらずこういう細かいところに気が利いてて良い。
前作に引き続きTWS接続も可能。

大きさとしてはこんな感じ。
UBOOMより一回りちょっと大きいです。重さは585g→650gなので持った感じは意外と軽め。
質感は変わらずファブリック。メタルな金属感も良いですがこの手のスピーカーだとこういう布地が安心しますね。
ちょっとくらい落としても細かい傷を気にしなくて済む安心感。

音質モードは通常のインドアモードとアウトドアモードの2つ。
でもビデオモードという表記も。2つなのか3つなのかどっちだ!と思ったんですが
ビデオモードは音質を変更するものではなくいわゆる「低遅延モード」。
実はiPhoneに繋いでソシャゲで遊んだ際、遅延がかなりあったので少しがっかりしてたんですが
ユーザーズガイドを見ると「約250msの遅延を提供します」とのこと。
ビデオモードにしてみると約150ms以下に低下させますよ。とありましたが
数値以上に差を感じました。
ちょっとしたゲームをやる分には気になりません。
ただしビデオモードをオンにすると接続距離が短くなるらしいので、外使いをする場合などには向いてないようです。

よくあるシンプルなボタン配置。
肝心の音質について。
まずはじめにインドアモード(デフォルト)。
こちらは正直あまりオススメしません。
かなり平坦な面白味のない音で、夜静かな音量で落ち着いて聴きたい等、限定的なシチュエーションでなければ
基本的にアウトドアモードがオススメ。
以下アウトドアモードでのレビューになります。

第一印象としては今まで使ってきたBTスピーカーの中でも異色のバランスの良さ。
破綻のない範囲でバランスよく強調し楽しく音楽を聴けるサウンド。
UBOOM Lはoluv's gadgetsというyoutubeチャンネルを開設している方による調整(監修ってことで良いはず)が入っています。
実は昔からBTスピーカーを調べるときは氏のチャンネルを頻繁にチェックしていたので「あの人だ!」と驚きました。
公式の紹介によると「マスターミュージックオタクによる調整」だそうです(笑

tribit等今まで色んなBTスピーカーを使ってきましたが大抵は低音をモリモリに上げて中高音はパンチ優先。
楽しいドンシャリな迫力あるサウンドでした。
先日紹介したBOSE soundlink FLEXは低音好きな自分でも低音酔いしそうなレベルのムキムキマッチョベース。

しかしUBOOM Lは一味違う。確かに低音が強調され中高音もしっかりと目立つような調整になってはいますが、無理がない。
このサイズ感のスピーカーに無理も糞もないでしょうと思ってましたがナチュラルに盛られているんです。

低音はサブベースから含めパッシブラジエーターをいかんなく発揮したどっしりと重さのある音。
しかし全体のサウンドバランスで言うと出しゃばりすぎず、土台をしっかり構築している範囲。
オーケストラ編成の楽曲でもコントラバス等の重い音がググっと引き立ちますが
EDMやメタル、ロックでベースが前に出すぎてブンブンすることがない。
バスドラムにもしっかり重さがありますが本体が震えすぎるようなボワ付きはない。
重さがある低音を出しているにも関わらず、量感がキッチリ調整されている音です。

中高音域は明瞭かつ広がりのあるサウンド。
インドアモードだととても地味だった音が一気に広がります。
今まで体験した中ではDENONのDSB-250に匹敵するサラウンド感。
積んでいるDSPが余程優秀なのか、oluv氏によるチューニングの効果なのか。
ヴォーカルからギター、ドラムの金物や弦楽器まで。
ギンギンに太く強くがむしゃらに鳴らすのではなく、ナチュラルに強調された音。
久石譲のピアノ楽曲を試すと小型スピーカーは大抵音が割れたりしてしまうんですが
UBOOM Lではまったく割れませんでした。
ツイーターを積んでいるようなブックシェルフスピーカーや大型のスピーカーに比べても
このサウンドは目を見張るものがあると思います。このサイズでこの完成度。

艶とか解像度とかいうのはこの手のスピーカーに求めてはいけないですが、
このナチュラルな、それでいて楽しく聴けるサウンドは素晴らしい。
1万以下で買えるBTスピーカーとしてではなく、今までのBTスピーカーの中で一番良いと思いました。
このままoluv氏監修でUBOOM Sとか出してほしい...。




総評
オススメな人:予算1万以下で優秀なBTスピーカーが欲しいならコレ。カラバリは残念ながら期待出来ませんが。
個人的好み度:10点満点中/12点
完成度:10点満点中/12点 




CCA CRA+ 新たなアンダー5k 高コスパイヤホン

 

今回ご紹介するのはこちら。こちらも久しぶりなメーカー
CCAの CRA+
ほんとは無印版をいつか購入しようなんてチェックしていたらまさか後発の+が登場時5000円くらいしてたのに、アリエクセールで半額くらいになってたのでこちらを購入してしまいました。

qdc端子で筐体は樹脂製。背面プレートが半分だけ金属プレートのようなデザインですがこれも樹脂っぽい?
調べたら亜鉛合金プレートとのことでした。
無印版が銀色でこちらは金のみ。
10mmの1DD一発構成。 
このDDが今までの定番二重磁気DDではなく、振動板をとても「薄い」ものに変更。
従来の1DDにはない高音域の表現が可能になっているらしいです。
無印版はこの特性がモロに生きて、多少暴れん坊な音だったようです。
その評判がとても「これは良いぞ」と好評だったのですが、すぐにこのプラス版が発売されます。
チューニング等に改良を加え、暴れん坊な無印の尖った部分を大人しくさせた様子。

音の第一印象としては1DDらしい迫力のある低音~高音域が両立したバランスの良いドンシャリ。
低音域は二重磁気DDから引き続きサブベースもそこそこに、ミドルベースもしっかりと鳴らす。
新型DDの効果なのか、膨らんで全体に被さるような量感は無く、それでも太さと存在感はしっかりと保っています。
締まりのあるソリッドさとは違う、単純に量感がうまく調整されたような印象。

中音域に関しては全体の中では若干沈み気味で突出してはいませんが解像度は悪くありません。
ハイブリッドイヤホンのようなシャリついたような、ギラギラ感がないので少し物足りなく感じる人がいるかも。
でも最近はmeleやBL-07のような、楽しく聴かせるバランスを保った上で刺激を程よく抑えて
スマートな鳴らし方をするイヤホンが増えているので、CRA+もその流れを汲んだチューニングだと思いました。
高音域も印象としては中音域にほぼ同じ。
ただ、直近のmeleやBL-07と比べると少しだけカドがとれて丸みのある、音量を上げても刺激がさほど強くない印象。

総合的にはこれが5000円だったら最近のスマートな1DDが好きなら買ってみても良いかな。という評価ですが
今はアリエクだと2000円ちょっとに下がるので、ハイブリッド型にちょっと飽きてきたなぁという人も、
シンプルに1DDでバランスよく鳴らしてくれる高コスパイヤホンないの?という人にも。
万人におすすめできるイヤホン。
ちょっと前まで僕の中でコスパの良い、初めての1本にオススメなのはと質問があれば
KZ zsn pro xと答えるつもりでしたが、今後はCRA+も同じくらいオススメできます。
この価格でこれだけバランスよく楽しく鳴らしてくれる1DDは貴重。
強いて言うならカラバリが無くて見た目ちょっとギラギラし過ぎなところでしょうか。
結構指紋もベタベタ目立つボディです。


総評
オススメな人:安価でこれ1本あれば事足りるよ。というイヤホンが欲しかった方。
個人的好み度:10点満点中/9点
完成度:10点満点中/12点(見た目があまり好みと違いますが、コスパが2歩くらい飛び抜けてる印象。オススメ)


KZ ASF 5BA搭載のフルBAモデル

 

今回ご紹介するのはこちら。KZのASF。
一時期たくさん紹介してたKZですが結構久々。

qdc端子で結構ゴツめ。DQ6とかと同じようなエグい角度付きなのでハマれば安定感はバッチリですが
ノズルが根本の盛り上がり含めると結構深く突き刺さるのでイヤ―ピースは気持ち小さめが落ち着きました。
フェイスプレートは隆起のあるデザイン。亜鉛合金製なので重さはなし。

白く見えるのは接着剤ではなくパーツ
音の第一印象としては低音強めのドンシャリ。
低音がミドルベースを中心にかなり盛られているので籠もって聞こえます。
個人的には装着感の圧も相まって相当目の前に詰め寄られるような低音に感じました。
音場自体は標準的かと思いますが、「そんな前に来られても...」と手で距離を取りたくなるレベル。
低音域担当のBAにベントが設けられた結果、こんなボリューミーなことになっているようです。
サブベースなら量感多くても良い意味で頭悪くて気持ちいい音!となるんですが
ミドルベースでグイグイ来られると少し気持ち悪いです。ゲームとか映画だと低音酔いしそう。

高音域はBAらしくキレがあり、刺さりもなく主張してくる音。
とはいえ、最近の優秀な1DDイヤホンと比べると若干荒削りな印象。
DDのレベルがどんどん上ってきているので下手なBAより高音域が自然でハキハキとして綺麗。
でもASFのような金属感のある高音域が好きな人は結構多いハズ。
問題は中音域で、このあたりがかなり雑。
ASFをぱっと聴いた瞬間は「良いドンシャリかも」と感じましたが
Voやギターの辺りでどうも音がグシャグシャっと潰れています。
量のある低音に追いやられて少し遠く感じますが、刺さらないまでも結構不快な音が多い。
安っぽいラジカセを大音量にした時のような、歪んだ音に聴こえました。

私が中華イヤホン沼にハマり始めた時ならまだしも、比較的低価格で優秀なイヤホンの戦国時代になっている
今においてわざわざこれをオススメする理由はあまり見いだせない。
最近のイヤホンはお利口さんにまとまりすぎ! もっとピーキーな扱いの難しいイヤホンを求む!という人なら
結構オススメです。


総評
オススメな人:直近の優等生イヤホンより1世代、2世代前の実験的な方が楽しいと思う方。
個人的好み度:10点満点中/3点
完成度:10点満点中/7点(個人的に合わないだけで完成度が低いというわけではないです)