CCA CA10 個性的なデザインが光るフルBAイヤホン

 

今回ご紹介するのはこちら。
CCAのBA5基を搭載したフルBAイヤホン CA10です。
qdc2pin構成。
金属と樹脂のハイブリッドなフェイスプレートを持つ個性的なデザイン。
ボディ自体は樹脂でかなり透明度高し。一部曇って見えるのは接着剤の塊...ではなく。
3Dプリントサウンドキューブというパーツらしいです。
ブックシェルフスピーカーでよくあるような、空気の流れをコントロールして低音域の表現を高めているパーツみたいなものだと思います。

ノズルの根本あたり、ちょっと糊が


かなり大きめのボディですが、DQ6あたりの形状が平気だった人なら多分大丈夫です。
少し爪になるような出っ張りが控えめで、ノズルに向かっての盛り上がりが大きいので装着時の圧迫感は強め。
分厚いボディなので耳からはかなりはみ出る方です。外使いには目立つサイズ。

中身がほぼ丸見えの透明度


CCAといえばKZの姉妹ブランドですが、先日紹介したKZ AS06も同じくフルBAイヤホンでした。
似通った音になってくるのかなーと思ってたんですが方向性は割と近かったです。
こちらも第一印象は解像度高めのドンシャリ傾向。

低音はサブベースからしっかりと重く響き、バスドラムやベースもかなり深めに響きます。
特にベースはDDから出るような柔らかさがあり、かなり好みの低音。
その分、BAらしいソリッド感があまり感じられないので引き締まったベースを想像している人にはイマイチかも。

中音域は若干凹んでますが低音にのまれているわけではなく、しっかりと分離感はあります。
高音域も良い意味で距離感があり、AS06に比べBA数が多い分なのか音の鳴りと太さに余裕があります。
大きめの筐体と背面のベントのおかげなのか、濃厚な低音域が主張するにも関わらず全体的な音場が広く
あまりこもった印象は受けません。
AS06に比べ、低音が柔らかく、中高音の分離感が優れたイヤホンと感じました。
解像度に関しては正直そこまで変わらない。若干こちらのほうが優れているかも程度。

AS06の音が気に入った方ならきっとこちらも気に入ると思います。
AS06は作りがちょっと荒かったり、素材感も少し値段の割に安っぽい部分があったので
その辺り完成度を高めて音場も広く感じるグレードアップ版だと思いました。



総評
オススメな人:KZ A06のドンシャリ感が気に入ってた方。
個人的好み度:10点満点中/8点
完成度:10点満点中/9.5点 唯一無二の見た目が好みを分ける。個人的には大アリ。



Senfer PT2021 エイリアンな見た目の個性的デザインのイントラ

 

今回ご紹介するのはこちら。
Senferというメーカーのイントラコンカ型イヤホン。PT2021。
15mmタングステンメッキダイヤフラムの1DD。
amazonに現状取り扱いがないようですが、アリエクではPT15という割と手頃なイントラコンカもあります。
ただこのメーカーは色々と個性的というか、良くも悪くも中華らしいメーカーのようですね。
どこかで聴いた名前だと思って調べたらDT9のあの 美少女パッケージをパクったアレでしたね。はい。

MMCXリケーブル可能。
話をPT2021に戻します。
最近のイントラ熱の中で少しお高めなものにもチャレンジをしたいという欲が出たので
アリエクで物色してたところ出会ったのがこのイヤホン。
イヤホンの背面部にエアーダクトのような3本のパイプデザイン。そして大きなメッシュ付きのベント。
ベント自体はなんら珍しくありませんがこれは面白そうだぞ!と思って購入しました。

すごく個性的なデザインだな!凄いメーカー!と思ったのも束の間。
どんな評判かと調べていた所「Fiio EM5のパクリ」という文章を見かけてしまいました。
またパクったんか!と思ってFiio EM5のページを見に行った所見事にパクってました。
まんまコピーというわけではないけど明らかに真似してるやつ。
Fiio EM5のリンクを比較用に貼っておきますね。
とはいえ、そこそこ評価もされてる感じだったので期待は大きめ。

筐体はプラスチック丸出しで高級感は無し。ただしこの個性的なデザインのおかげで
只者ではない感じはします。
装着感は非常に良好。EB2Sも軽量で良いタイプでしたが更に軽い。ケーブルを細めのものにすれば
装着感を忘れるような軽さになると思います。

L,R表記は無し。R側に赤ポチのみ。
音の第一印象としては非常に見通しの良い中高音と奥行きのある音場。
期待と異なり低音は控えめ。

サブベースはあまり聞こえず、ミドルベースはある程度聴こえる量感。
イントラコンカ型というのを考慮しても気持ち少なめな量感かと。
この背面の構造は低音を活かすための構造ではなかった...?
あるいはただ真似して見ただけで、実質的な効果はない飾りなんでしょうか。
確かに本家と比べるとこのメッシュダクトはオリジナルなんですよね。
本来低音増強に使う構造に大きめのダクトを付けることで低音がスカスカになってしまったのか...?

中高音はとてもスッキリとした音色で、軽めではありますがギターのカッティングからホーン楽器、Voまで
鋭く刺さる直前までッカーンと鳴らしてくれます。
始めは「あー期待と違う また耳に刺さるタイプだ」と思ったのですがよくよく聴いてると
この中高音域がすごく気持ちいい。
低音イヤホンかなと思って購入したのでハードルの高低差という問題ではなかったんですが
山下達郎さんの楽曲等は元の音が良いこともあって高めのVo、ギターのカッティングをはじめ
全体の音がとても広いスケール感で鳴らしてくれます。
この音の奥行き感がメッシュダクトの効果?

自分の好みとは違いますが、中高音の綺麗なイントラコンカはこういう鳴らし方をするのか。と思うと
候補から早く外していたNICEHCKのEBX21も案外良いのか?と思ったり。
ちなみに試しにイコライザで低音域をモリモリにしてみたんですがモコっとしたベースが邪魔で
せっかくの中高音が阻害されるのでおすすめできない運用でした。

MMCXリケーブル対応なので太めの純銅ケーブルを繋げたりしたら気持ち低音が増えたりするのか
遊んでみたく鳴るイヤホンでした。
期待してた方向とは真逆だしデザインは他社流用だけど予想外に音はとても気持ち良かったです。



総評
オススメな人:中高音のスッキリと硬質に鳴る音が好みの方。イントラに装着感の良さ、見た目の個性を求める方。
個人的好み度:10点満点中/7.5点
完成度:10点満点中/8点(パイプの部分がもっと透明なら見栄えよかった)

アリエクリンクはコチラ(LuckLZ AudioStore)



Jcally EP 09 リケーブル可能なイントラコンカ型

 

今回ご紹介するのはこちら。
JCALLY EP09 amazonでもいくつか取り扱いのあるメーカーですが今回のEP09は現状無し。
EB2Sからすっかりイントラコンカの魅力に取り憑かれてしまい、リケーブル可能なモデルを手に入れました。

チタン合金のボディでずっしりと重め。装着時も多少その存在を感じるので部屋で落ち着いて聴くほうが良いかも。
ベリリウムコートナノダイアフラムの1DD。15.4mmと大型のドライバーです。
ベリリウムコートといえばエージングに時間がかかることで有名ですね。
箱出しで聴いた感じ、かなりベントの多かったEB2Sと比べると比較的密閉感のある筐体が影響してか
低音にどっしりと迫力があり、少し全体的な音は硬質なモノでした。

これはエージングに時間かけるやつだな!ということで100時間以上は鳴らしてからじっくりと聴き込んだんですが
中高音がまぁ出る出る。
ちょっと高めの男性Voや女性Vo、クラップ音やホーン楽器、ドラムの金属系
楽曲にもよりますがこのどれかが大体刺さります。
大きめなドライバーからの迫力ある刺さりは体がイッとなるくらい刺さります。
200時間以上エージングすれば変わるとは思えない刺さり方になってたので少しガッカリ。
控えめな音量で聴いてもかなりグッと前に来るので音楽鑑賞には使えないかなーという状態でした。
スポンジカバーを付けても根本的な改善には至らないレベルの刺さり。

箱出しの一聴では迫力があってこれも良いな!と思ったんですがここまで刺さるようになってしまうとは。
普段大きいなーと思う音量の倍くらいのピンクノイズで追加エージングしたらどうなるか実験してみましたが
特に変わらず。。。

ただし、ゲームや動画視聴ではそこまで問題ない範囲に楽しめています。
EB2Sに比べ低音にボリュームと深さがあるのでゲームは特に相性◎。
イントラコンカ型イヤホンで低音を求める方にはまぁまぁオススメできる機種だと思いますが
環境によって大体の音楽は中音域がギンギンに響いて普段の6割程度のボリュームでしか楽しめない状態となるでしょう。

TRN BT30ならどうかと思ったんですがまったく同じ感じ。ギンギンすぎて聴いてられないです。
というかそもそも、最初から誰かが無理やりこじ開けたような傷が付いてたので何かこのイヤホンに対する不信感が凄い。
L側の傷でもウーンと思ったのにR側の傷はこれですよ。

R側。ドライバを交換するためにこじ開けたような溝の傷。

こちらはL側 黒い縁の一部が小さく欠けている



評判を探ってると中高音が強いからエージング推奨という人もいれば、中音域は控えめとかいう人もいるんですよね。
これは是非同じ機種をもう1個買って...。という検証をいつか出来ればと思います。



総評
オススメな人:イントラコンカ型で低音を重視する人。音楽鑑賞ではなくゲーム、動画視聴がメインの人にならまぁまぁオススメ。
個人的好み度:10点満点中/6点
完成度:10点満点中/6点

amazonのリンクがないので購入先のアリエクリンクを貼っておきます。Jcally EP 09



See Audio X Crinacle Yume Midnight braveryとは方向性の異なる完成度の高さ!

 

今回ご紹介するのはこちら。
メガネのあの人がコラボしたSeeAudio yumeのバージョン違い。
1DD+2BAのハイブリッド構成。
0.78 2pin仕様。
僕の中では通称yumemiとなっています。

実はyume自体は結構前からその評価の高さに目をつけていたのですが低音好きな自分にとっては
少し方向性が異なると思い購入にはいたっていませんでした。
しかし今作はドライバーの配置から様々なチューニングが行われ低音もパワーアップしているという記事を見て
思わず予約。。。
フェイスプレートはカーボンファイバー製となっておりいかにもカーボン然としたかっこいい見た目。
付属品も従来yumeに付いていたものよりケーブルのグレードはもちろん、イヤピも5種類サイズ別に付属。

braveryよりも小ぶりで装着感も良さそうと思いきや、実物を比べると意外にサイズ感はさほど変わらず。
それでもこちらのほうが耳への収まりは良好で、個人的にはbraveryに比べズレにくかったです。
ノズルの角度が比較的本体からストレートに伸びるbraveryに対し、yumemiは斜めに伸びているので
奥に押し込んだ際の食い込み具合が良いのかも。

音の第一印象としては深みのある弾力性のある低音と、刺さらずも力強く響く中高音。
かなり質の高い、若干ウォームなドンシャリ。

低音域が一番このイヤホンで印象的に鳴ります。
braveryもBAオンリーとは思えないほどしっかりとした太さのある低音を出しますが
やはりDDの低音はボリューム感が一味違いますね。
9.2mmリキッドシリコンダイヤフラムという最新式の素材を使用したDDらしいです。
ウッドベースやバスドラムが気持ちよく響き渡りますが、決してボワついてだらしないという印象はありません。
サブウーファー付きのスピーカーを聴いてるかのような、ボリューム感があるのに中高音とはしっかり分離しているので
こもったような印象も無し。
ライブ音源を聴くとその場にいるかのような迫力ある重厚な低音を楽しめるでしょう。

深く、沈むような弾力性のある低音だとLZ A2 PROがこれに近いものでしたが
LZ A2 PROはミドルベースも主張が激しく、少々クセのあるものでした。
yumemiはミドルベースもしっかりと鳴っていますが中音域に被るような膨らみまではありません。
余程のベースフリークでもない限りこの低音域はほぼ全てのユーザーを満足させると思います。
特にメタル、ダンスミュージックには相性最高。

中音域、高音域は解像度こそ比較的高めでスッキリとしていますがbraveryのような
カッチリとした寒色系と比べると若干ウォームで、人によっては曇り気味と感じるかも。
それでも一般的なハイブリッドイヤホンの中では低音に飲まれず、かといって決して刺さらず
ちょうどいい塩梅に収まっています。
今回のチューニングは俗に言うハーマンターゲットカーブと呼ばれる「一つの理想的なフラット」に
基づき調整されているようなんですが、個人的な解釈としてはベースや中音域をそれなりに盛った上で不快に感じやすい高音域は
ばっさりと切るようなイメージ。
聴いていてガツンと突き抜けるような中高音では無いものの、音量を上げても不快なピークを感じ取りにくい音に仕上がる印象です。

今回のyumemiは価格こそ2万を超える少しお高めなイヤホンですが理想的なドンシャリの一つだと思います。
楽しく聴ける、かつ不快な音域がない。思わず大音量で音楽を聴いてしまう人にはピッタリ(適宜調整はしましょう)

実はyumemiの情報を見て注文を考えた際、braveryで優勝した自分にとっては必要ないのでは?という思いがよぎったのですが
結果として寒色系の引き締まりつつもゴリっと迫力のあるbraveryと今回のyumemiは方向性が全く異なるので
手にしてみて良かったと思います。

もしbraveryを試した上でこのyumemiを迷ってる方がいればこの記事を参照にしていただけると幸いです。


総評
オススメな人:ドンシャリ好きな人。柔らかく沈み込むような重低音、それらと分離してしっかりと聴かせるが不快な音のない中高音。
個人的好み度:10点満点中/10点
完成度:10点満点中/10点 braveryに比べ装着感も人を選びにくくなったと思います。