TRN Rosefinch -朱雀- 12mm平面駆動搭載イヤホン


 今回ご紹介するのはコチラ。

TRNよりリリースされた平面駆動ドライバ1発のイヤホン、Rosefinch-朱雀- 以下朱雀。
qdc端子で非常に小型のボディ。金属プレートと樹脂の最近定番となった構造。
背面部はアルミニウム合金で大きな穴の空いたデザイン。
そこから金属メッシュが覗いています。kirinのような半開放なのかと思いきや構造画像を見る限り
内部は1箇所の穴があるだけでデザイン的な要素っぽい。
実際、音漏れテストしてみたところ結構音量上げてもあまり背面からは漏れてませんでした。




kirinが14.5mmの平面駆動ドライバを搭載し、それなりに大型な筐体だったのとは対象的に
かなり小型。ノズルの角度は気持ち深めで、小型で収まりが良いのは勿論ホールド感も悪くありません。
驚くべきは価格もサイズ以上に小さく、もとい抑えられていて現時点で6千円少々。
ノズル交換システムやプラグ交換ケーブルを付属していたとは言えkirinの3分の1近い金額に抑えてきたのは凄い。

音質としては深めの低音と刺激のある中高音が主張強めな音。
箱出しの時点でかなり耳に障る中高音が気になったので少し長めにエージングしてみたんですが
ある程度は効果あり。そういえばkirinも箱出しはちょっと耳がくすぐったくなるような音してた。
低音域は重低音が多めで、震えるような低音域が気持ち良い。ミドルベースあたりも濃い目ではあるけど
相対的に若干控えめ。全体的に柔らかく、包み込むような広がりがある。

中高音域はエージング後もシャリつくような細かな刺激が強めのクセ強サウンド。
シンセの音は太く、強く、伸びてくるので気持ち良く、女性Voから男性Voも低音域に負けずしっかりとパンチが出る。
でもサ行や、ドラムの金物類がちょっとずつ耳に障る、耳奥が痒くなるようなシャリつきがあります。
メタルやEDMより、落ち着いたJAZZの方が相性良く感じました。

はじめに書いたように朱雀のフェイスプレートのメッシュの内部はまたプレートがあり
そのままドライバに直結してるわけではないので音漏れこそ少なめですが開放感は強め。
低音域が多少柔らかくても中高音がそれに飲まれず非常に伸びてくるのはこの構造が活きてる気がする。
平面駆動搭載のイヤホンの中ではかなり安価なクラスですが、見た目で買うのは勿論
上位クラス持ってるから今更この価格帯は必要ないかな。とは思わせないパンチのあるイヤホンです。


総評
オススメな人:低音は柔らかく、中高音は伸びれば伸びる程良いぞ!という趣向な方。
個人的好み度:10点満点中/6点
完成度:10点満点中/10点 個人的に合わないけど完成度は高いかなと。

SOUNDPEATS RunFree 骨伝導ではなく、オープンイヤー型イヤホン。

 

今回ご紹介するのはコチラ。
SOUNDPEATSより先月リリースされたばかりのRunFree。
骨伝導で有名なアレに近いフォルム。しかしその構造は16.2mmの大型DDを搭載した
オープンイヤー型のネックバンドタイプの形状をしたイヤホン。

サウンドピーツ公式よりクーポンコードを発行してもらったので、少しお買い得に購入可能。詳しくは最後にて。

主な売りとしては
・独自の『ラムダ型音響空間』の設計により強化された低音
・サウンドディレクション技術採用で音漏れを抑えている

この他、構造上耳を全く塞がないので装着感が非常に良い。
総重量が28gしかないので文字通りランニングに使っても何も問題ない軽さ。
そもそも装着感が無いに等しいくらい。
もっと存在感あると思ってたんだけど、首をそこそこ激しく振っても全然ずれない軽さとフィット感。
髪の毛が長い人、毛量やヘアスタイルによってはちょっと引っかかるかも。





R側の穴はマイク

音質としては構造からは想像出来なかった量の低音が響くしっかり派手目なサウンド。
骨伝導タイプは所持していないので基本的にカナル型あるいはイントラコンカ型との比較になってしまいますが
まず私が所持してるイントラコンカよりは間違いなく低音圧がある。
16.2mmというかなり大型のDDを活かした、かつスピーカーやサブウーファー等でよくみる
内部の空間構造から低音を増強するラムダ型音響空間が非常に効いています。
一番この手の製品でしょんぼりしそうなベースラインですが「この形状ならこれで十分!」というレベルでなく
しっかりオーディオ機器として「こんだけ低音出れば十二分」というレベル。

中高音に関しては非常にクリアで聴き取りやすい。
女性のハイトーンやギターを掻き鳴らすような音は流石にシャリつくというか、刺激強めになるときがある。
その割にはちょっと天井の低さを感じるが
基本的には抜けよくハッキリクッキリと鳴らしてくれる。
EDMだとかシンセがキラキラしているトランス系の楽曲でなければそこまで気にならない。
どこかでこういう音聴いたことあるなぁと思ったらスーパー銭湯の休憩スペースにある椅子ですね。
耳元にスピーカーが付いてて、テレビの音はそこから流れてるタイプの。
あれの低音がどっしりしてるバージョンという印象。
それがこんな装着感を殆ど感じないような軽さで実現出来てるあたり、技術が詰まってる感じします。

ライトがさり気ない明るさ

RunFreeはAAC,SBCで高音質コーデックに対応してるわけじゃないけども、
ちゃっかりゲーミングモードを搭載。FPSで試したところあまり違和感無く使えるレベルでした。
スピーカー的な聴こえ方なので足音がよく聴き取れるとまではいきませんが
銃撃音をあまり漏らさず、でも周りの音はある程度聞こえる状態でいたいならオススメのイヤホン。
最大再生時間は14時間なので、多少の音量でも8時間程度は余裕で賄ってくれそう。
防水性能はIPX4なので多少濡れたりする分には大丈夫。

運動中でもゲームでも、散歩中にラジオ配信などを聴きながら歩くという人でも。
様々な用途に応えられるネックバンドタイプのオープンイヤー型イヤホンです。
そして最後にクーポンコードを。

クーポンコード:RUNFREEH531

今月末まで利用可能。リンク先にあるクーポンも併用すれば30%OFFで4676円程度になるはず。
骨伝導みたいなタイプ興味あるけどお高いしもっと手頃なの無いかなぁと思っていた人にもオススメです。

SeeAudio YumeⅡ パワーと分離感を備えた金属イヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。SeeAudioのyumeシリーズから出たイヤホン。
YumeⅡ。オリジナルのYume、Yume Midnightに続き3つ目の顔。
重たそうに見えるボディは全金属ですがアルミ合金で実は非常に軽量。
S12程ではないにしろ小型で収まりも良い。
若干凹みのある0.78 2pin仕様で、ベントはpin側にある1箇所のみ。
ツヤッツヤのボディは見た目通り指紋等汚れや傷は目立ちやすく、人によっては
滑りやすく取り扱いが怖いかもしれません。
購入前は「重たくて装着感きつそうだなぁ」というイメージだったんですが
癖なく疲れにくい、良好な装着感でした。


1DD+2BAのハイブリッド構成で、DDはmidnightでも使われていた

リキッドシリコン振動板仕様。しかしより小出力でも音量が取れるように調整が入った
最新使用版ということになっています。
駆動しやすいというのはそれだけでノイズ対策にもつながるので良いですね。
BAはsonion製1基とknowles製1基。価格帯なりにメーカーオリジナルではなく
有名メーカーのパーツを使っているあたり期待が高まる。

音質としてはmidnightにあった低音のパワーとBraveryの高解像度が同居したパワードンシャリ。
同価格帯でいくつかのイヤホンを経験したからこそ言えることでもありますが、
Braveryは理想的な解像度を備えた寒色系ドンシャリ。しかし重低音のパワーは
DDのそれに比べるとやはり気持ち深さは控えめ。
midnightは低音の深さと柔らかさのパワーが魅力的でしたが解像度でいうとBraveryに劣る。
2つのイヤホンのいいとこ取りをしたのがyumeⅡな印象。

低音はリキッドシリコン振動板のおかげで深く柔らかく、より低出力で駆動しやすくなったことが
功を奏してるのかわかりませんが、音質というよりBAとの音量差がうまくチューニングされており
低音量が暴走せずに程よいバランス。
サブベースからミドルベースまでしっかり鳴らしつつ、ステージの土台として出しゃばらない。
最近のイヤホンはどれも低音にパワーがあり全体を支配しないまでもゴリゴリとした
存在感強めのものが多いですがyumeⅡはそんな中では気持ち後ろに下げてる印象。
決して他より低音が弱いというわけではなく、しっかり中高音から分離してる。
金属筐体ということもあって過剰なな残響感がないのもこの印象を強めてると思います。

中高音は硬質で高解像度。ステージ感はベントが1個だけのせいか気持ち狭め~並。
突き抜けるようなパンチがあるにも関わらず刺さるような不快な甲高さは無し。
でもBraveryと比べると結構聴き疲れのしやすい硬さがあります。
ギターのカッティングやホーン楽器がS12とはまた違った意味でパンチがあり気持ちいい。
特にギターの音がザクザク、ジャキジャキに響いて色んな曲を聴き直したくなります。
S12だと平面駆動の特質なのか全体に広がるような強烈な抜け感があるんですが
yumeⅡは広がりこそ弱めでもパンチ力と解像度でぶん殴ってくるような衝撃があります。
女性Vo力強く抜けてくるのでたまらない。

深さと柔らかさのある太い低音域、高解像度でパンチ力のある中高音。
この2つが両立してるイヤホンは昨今困ったことに割りと出てきていると思います。
その中でもyumeⅡを際立たせるのは分離感の良さ。
低音と中高音がどれも被らない。オープンイヤータイプのイヤホンを聴いているような気持ちよさ。
ドラムの金属類やギターの中高音域の粒立ちがクッキリと感じ取れます。
赤Braveryの解像度にもっと低音の厚みと金属的なパワーが欲しいぞ!と思ってた人にはこれしか無いんじゃないでしょうか。
以前レビューしたKiiBOOM Evokeも良いドンシャリでしたがアレよりさらにメリハリがありパワフル。
そのハッキリとした解像度とパンチ故、聴き疲れしやすいのが唯一デメリット。

個人的にBravery万能だけどもうちょっと。後ちょっとだけ抜けが欲しいなぁとか贅沢なことを思い始めてたので
直近のS12/Z12を始めyumeⅡのようなパワーと解像度を持ち合わせた金属イヤホンは非常にツボにきています。

yumeⅡは音の硬質さが売りでもありデメリットでもあるのでウォームな傾向を好む人には
少々不向きかもしれませんが、「コイツは凄いぞ」と騒がれるだけある完成度を誇った
パワードンシャリイヤホンだと思います。Hi-Fiってこういうのを言うのかもしれない。
Braveryのようにカラバリ版が出ればそいつも手に入れたくなる。。。
と思っていたらYume Ultraなんてバリエーションが今月発売予告されてますね。
金属筐体ではありませんが良い感じのキラキラした見た目でこちらも非常に楽しみ。



総評
オススメな人:高解像度でパワーのあるイヤホンを求めてる方。ドンシャリ好きな方。
個人的好み度:10点満点中/10点
完成度:10点満点中/9.5点(塗装が日常的に使ってくとボロボロに見えやすくなるようなのは頂けない)

amazonにはまともな価格のリンクがなかったので、Linsoulのリンクを貼っておきます。

JSHiFi-LM3 お手軽価格の1DDイヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。
JSHiFiよりリリースされたLafitearとのコラボイヤホン、LM3。
Lafitearといえば昨年頃アリエクで低価格ではありえないハイブリッドイヤホン等を
いくつかリリースし、中華イヤホン界隈では注目を集めていたブランド。
とはいえあまりにも構成の割に安すぎたり、qdc端子が通常の端子と逆になっており
市販品のケーブルを使うと音が駄目になってしまうというあまりにもマニア向けなブランドだった為
あまり流行ってはいない印象でした。

それが今回、JFHiFiの方からコラボリリースという形で問題を解決したモデル第一弾がこのLM3。とうとうamazonでも購入可能に。
qdc pin端子はそのまま、オール樹脂の軽量な筐体。
ノズルは標準~気持ち長め。ノズルは段差がないので柔らかめのイヤピだと少し抜けやすいかも。
装着感はごく標準的。ベントが内側に2箇所あります。
フェイスプレートは紫・彩・青と3つの選択肢がありますが今回は紫を選択。
安価な中華イヤホンではド定番とも言えるラメ入りの派手な色。
プレートの上に透明な樹脂が被っているので少し奥行きがあります。


ノズルのバリがくっきり。

恐らく10mmサイズの1DDだと思いますが、素性は明らかではない。

音質としては意外とシンプルに良い。
正直、箱出しの時点ではいかにも安いモデルのモヤっとした音かなと思いました。
2,3時間程度鳴らすとかなりすっきりとしてきます。

重低音~低音域は圧こそ並ですが結構しっかり目にボリュームがあり、ゲームも快適に楽しめる。
音楽だとジャンルによってもう少し深いところ欲しいなと感じますが、後述する中音域が非常にスッキリとして
見通しの良いカラっとした音なので総合的にはこれでバランス良いと思います。

中音域は少々薄めですが非常に奥行きがあり、聞き取りやすく尖りのない音。
通話、配信系と相性が非常に良いです。
高音域に関しては少々潰れた感じは拭えず、1DDでも上の価格モデルならばもっとクッキリとした音を聞かせてくれますが
ここに関しては価格を考えると仕方ないかなと思います。
ドラムの金物が大分シャワシャワとした音になってしまう。

この中音域のスッキリさは最近聴いた中だとTANGZU Wan’er S.Gが近いです。
ゲームに関しては音の位置も感じやすいので音楽鑑賞というよりゲーム、配信系メインの人なら
見た目のゲーミングっぽさもありますし、amazonで二千円を切るどころか現在クーポン込みで1500円程度なので良い選択肢。


オススメな人:音楽よりも通話、配信視聴、あるいはゲームがメインな方で少し派手なプレートが好みな方。
個人的好み度:10点満点中/7点
完成度:10点満点中/6点 音質ではコスパ抜群と思いましたが、ノズルのバリが半端じゃなく残ってる点が気になった。