BLON BL-07 奥行きのあるベース盛りイヤホン

 

今回ご紹介するのはこちら。
BLONというメーカーのBL-07。10mmのDD一発のイヤホンです。
振動板は繊維(ファイバー)を使用した素材で、金属筐体の男気イヤホン。
デザインもゴツゴツとしてなんだか男らしい。
このメーカーは結構見た目の個性強めなイヤホンが多く、音作りは見た目に反して
実直な印象。お値段も手頃なのが多いので前から興味はあったんですが
実は2pin仕様が地味に曲者。コネクタがqdcのように出っ張っており
純正のケーブル以外は使えることは使えるがコネクタに干渉して出っ張ったりしてしまいます。
見た目も良くないし出っ張る分ケーブルが変に引っ張られるので
このメーカーのイヤホンはずっとスルーしてました。

フラットか凹の方が好き...
しかしアマゾンであまりに安くなっていたので思わず購入。
シルバーとパープルとガンメタルの3色があり、ガンメタルを選択しました。
薄暗く光る重厚さと、実際にしっかりと重めのボディ。
BLONのイヤホンとしては割りとシンプルな形状ですがフェイスプレートの
宝石の原石のようなゴツゴツとした感じは他にない味がありますね。

装着感は良好。多少重さを感じますが気持ち小さめのイヤーピースで奥に押し込むとどっしり安定します。
内側にベントが2箇所あり、後述しますがここが音質に大きな影響を与えます。
ノズル自体は短めですが本体からノズル根本にかけて山のように大きく盛り上がっているので
結構奥深くまで入れないと本体の重さもあってポロリといきそうな感覚。


音質は低音よりのズンとくるドンシャリ。
非常に奥行きのある音で、低音域が広めの空間にズンズンと響きます。
浅めに装着しても結構低音強めですが奥までしっかりと差し込むことでベントが
塞がりかけ、かなりズンズンと出てくるようになります。
ウォームで量感があるので低音好きにはかなりたまらないサウンド。DDらしい弾力感も強めです。

ここまで低音押しだとさぞ中高音は曇って抜けも悪いんだろうなと思うかもしれません。
このイヤホンの一番の強みは「奥行きの深さからくる絶妙なバランス」だと思います。
低音が全体に広がっていながらも、中高音も手前で結構響く。
DD+BAのハイブリッドイヤホンでBAユニットがイヤーノズル側に設置されている構成がありますが
それに近い鳴り方をします。低音の量感が凄いのに中高音が手前の方でしっかりと主張していて飲み込まれない。
TRN TA1を少し暖色に寄せたような絶妙なバランス。
1DDなのにハイブリッドな響き方をするイヤホンは初めてかも。

全体をバランスよく鳴らし切る1DDイヤホンなら結構あると思いますが、ここまで低音を盛りながらも
他の音域を潰しすぎずバランスを整えているイヤホンは珍しいと思います。
心鏡というイヤホンが好きな人で、アレに低音盛った1DDないかなーと思ってた人がいたら是非試してほしい。


総評
オススメな人:1DDらしい弾力のある濃い目の低音域+潰れず、かといって尖らず主張する気持ちいい中高域が好きな人。
個人的好み度:10点満点中/9点
完成度:10点満点中/9.5点(ハイコスパな良いメーカーと思うと同時に、やはり独自コネクタが惜しいなぁと思ってしまいました。)




NICEHCK Traceless コスパ重視の安価なイントラコンカ型イヤホン

 

今回ご紹介するのはこちら。
NICEHCKが今年新たに新色を追加して販売しているイントラコンカ型のイヤホン Traceless。
昔ながらの、ウォークマン等に付属されてたイヤホンとそっくりなヤツ。
スケルトンカラーで、私は緑を購入しました。他には紫等、個性的な感じの色もあります。
リケーブルは不可。
15.4mmのPET振動板で、価格はこの記事執筆時点で1550円。mic付きなら100円プラス。
価格からもわかるようにこれは聴けりゃいいんだよ!という最安価に近いモデル。
パッケージもご覧の通り。超シンプル。

イヤーパッドが潰れとる


本体はABS筐体で非常に軽量。つけ心地も重さを全く感じません。
それでいて指先に触れる胴体あたりはしっかりとした太さとカドがあるので取り回し良好。
少し写真だとわかりにくいですがベントが数か所設けてあり、イントラということもあり音漏れはそこそこ。
遮音性は全然ありませんが、同じ理由で蒸れもほぼありませんので蒸し暑くなってくるこれからのシーズンにぴったり。
オーバーイヤーヘッドホンでベタベタしてたまらん、汗で痒くなる!という人は
是非イントラホンを試して欲しい。カナルも結局は耳穴が蒸れた感じで長時間使うと気持ち悪くなりますが
イントラならそういった感覚も大分解消されます。まさに夏向け。

細かい点ですが、コストカットの為かイヤホン側のケーブルの根っこには通常あるようなシリコンのパーツがありません。
これじゃ樹脂パーツに直接当たるので断線しやすいのでは?と思ったんですがケーブルを通す穴自体が大分遊びがあるので
少しひねる程度ではケーブルに負担がかかりにくい仕様になっていました。安物とはいえ工夫されてると思いました。

音の第一印象としては至ってノーマル。
大型の1DDらしい、パンチを伴ったハキハキしたサウンド。スポンジ無しでも低音には量感があり、
中高音のストレートの伸びを活かすならパッド無しで十分だと思いました。
解像度も意外と悪くない。Voもしっかり伸びてくるのでラジオ用にも良い感じ。
高音域に関しては流石に少し存在感が少なめ。
ですが大型ドライバをベントを多く設けてしっかりと鳴らしているせいか
変なモコモコ感や、音の尖りがありません。

ベントの場所をうまく写そうとしたけど無理
同メーカーのEB2Sと比べサブベースが若干劣るものの、ミドルベースに関しては同じくらい。
中音域に関しては解像度こそ若干劣りますがその分太さ、濃さがあります。
価格が倍以上違いますが音質だけで見ればTracelessは相当頑張ってる気が。

後は形状的に耳からほとんど飛び出さず、外からグイグイ押し込んでも痛みが少ないので寝ホンとしても良い感じ。
ケーブルが細く本体も軽いのでどうしても漂う安っぽさはあるものの見た目の可愛さと使い勝手、音質も揃えた
我儘なイヤホンだと思います。


総評
オススメな人:とりあえずイントラがどんなものか試したい方。寝ながら使うイヤホンを探していた方。
個人的好み度:10点満点中/8点
完成度:10点満点中/9点





ThruNite TS2 コンパクトなスティック型ランタン

 

今回ご紹介するのはこちら。ThruNiteというメーカーのTS2。
なんたらNiteってメーカー多すぎて何もわからない。

以前からオススメに出てきて「良さげだけど高いな」とスルーしてたらこの間のセールで千円ほど値引きされてたので
購入してみました。

スペック的には5000mAhの21700バッテリーを搭載。ロー、ミディアム、ハイとSOS点滅モード。
バッテリー容量は他のレビューを見てると実際の数値は余り信用できなさそうですが
ローモードなら5ルーメンで180時間。ミディアムでも40ルーメンで30時間。最大高度のハイでも118ルーメンで11時間。
まーこういうのは半分持てば良いかなくらいに感じています。

この製品で面白いと思った点はまずバッテリーに直で充電端子が付いている点。
実際にこういう商品を手にしたのは初めてです。専用の充電器等がいらないのはいいですが安全品質に問題ないのか疑問。
これに先端のLED部分がL字型に刺さる形でハマります。
そして樹脂製のケースにスポッと収納。
超シンプルな構造故、防水性はまったくありません。キャンプに良いってレビューがあるけど
場合によっちゃ結露とかで速攻壊れるんじゃないかな。。。

簡単に抜けちゃうんじゃないの?という点に関しては問題なし。
底面には結構強力なマグネットが内蔵されているのでそいつが電池を固定&ライト本体も壁に固定できます。
その次に良いと思ったのがこれ。付属品のカラビナフック。

こいつも底面に磁石が仕込まれており、ライト底面の磁石にくっつくので
しっかりと吊るしてランタンとして使いやすいようになっています。
以前紹介したWAQのLEDランタンのハンドルでもあった、マグネットで着脱可能なギミックはすごく便利だと思います。
付属充電ケーブルが3又になっているのもちょっと嬉しい。

肝心なライトとしては悪くない。
ローモード5ルーメンというけど思ったより明るく感じます。
キャンプやアウトドアで使うなら拠点の常夜灯やちょっと手元だけ照らしたいって時に良さげな明かり。
ミドルモードもテント内を照らす目的なら十分。
ハイモードはしっかりと明るいですが本体が小さく、熱を逃がす構造が特にないせいか
2,3分で熱暴走回路が働き、一瞬暗くなりまた点灯します。
大抵のハンディライトの一番明るいモードはこうなりがちですね。
しっかりしたメーカーだと「ブーストモード」と明記されあくまで非常用ですよーとアピールしたりしますが
こちらはそういうった表記なさそう。
あくまで手元や身の回りを照らす使い方がメインですね。

セールで購入したとはいえ3000円程度だったので、作りを考えるとちょっとコスパはイマイチ。
防水性がしっかりしてたらキャンプでがっつり使えますよ!とアピールポイントにもなるし良いんですけどね。
後、レビューで一番上になっている「照明部分をタッチするだけで勝手に点灯する」不良は私の製品では確認できませんでした。
電池との接触による点灯ではないのであれはまた別の箇所の不良?だと思います。
基盤固定が甘くて内部スイッチに干渉しちゃってるとか。
どちらにせよGENTOS等に比べるとちょっと怪しいし格安というわけでもないので
ガッツリ外で使う人にはお勧めできませんがインドアで使う分には
磁石とフックで固定可能で優しく周囲を照らしてくれるので可愛くて優秀なライトだと思います。


総評
オススメな人:この形に惚れた人。枕元に常夜灯みたいな明るさのライトが欲しい人。
個人的好み度:10点満点中/9点
完成度:10点満点中/6.5点 明るさよし、付属品よし、作りはイマイチ。コスパ悪し。セールならアリ。





BOSE SoundLink Flex 特盛ベースのコンパクトスピーカー

 

今回ご紹介するのはこちら。
BOSEが昨年末リリースした新たなコンパクトスピーカー。SoundLink Flex(以下Flex)。

個人的に未だにベストなコンパクトスピーカーとして君臨しているSoundLink Micro(以下Micro)の
ドデカイ版というイメージのFlex。大きさ比較を交えながらレビューしていきたいと思います。Microの記事はコチラ

カラーは購入したストーンブルーの他にホワイトスモークとブラック。
実は黒以外の2色がMicroにも新たに追加されたんですが、色のみで仕様変更は無しだったのでスルー。

見た目としてはパウダーコーティング仕上げのスチールグリルに、ハードめなシリコンで包まれたボディ。
衝撃に強いのは勿論、IP67と防水性・防塵性にも優れた仕様。
このパウダーコーティングは腐食や紫外線に強く、かなり丈夫さに自信を持っているようです。

PositionIQテクノロジーという機能により縦置き、平置き(仰向け)など設置方法によって音を
最適化する機能が搭載されていますが、コレに関しては余り実感できず。そもそも置き方で響き方は変わるので。

バッテリーは大きくなっただけあり最大12時間。充電端子がTypeCになったので急速充電も可能です。
勿論今作も専用アプリによって遠隔による電源オンは勿論パーティモードも対応。
でも今作は1個で十分すぎるほどパワフル。

Bluetoothのverは4.2と、最新作の割にはという感じ。
外部端子は無し。

Microと大きさを比較するとこんな感じ。
幅は2倍ちょっとあり、高さは若干低め。厚さは1センチほどFlexの方が厚め。
重さはMicroが290gでFlexは580g。ちょうど2倍。
旅行用の持ち歩きにもMicroはとても優れてますがFlexもギリ許容出来る大きさ。


音質としては超パワフルな低音爆盛スピーカー。
Microも片手に簡単に収まる大きさながら信じられない重さのある低音を出すスピーカーでしたが
Flexはそのへんのブックシェルフスピーカーより、密度の高いゴリッゴリの低音を出します。
ロックは勿論ですがダンスミュージックでは背面を壁の近くに置かなくとも低音の波が襲ってきます。
2.1chスピーカーのサブウーファーでも積んでるのかいってくらいに響きます。
このサイズでサブベースまでかなり深いところまで鳴らしている上にミドルベースは本当に凄い量。
ベース好きな自分でも時折過剰だと感じるくらいに鳴ります。
室内よりは外で鳴らすとちょうどいいバランスに仕上げてるんだろうか。
でもただの箱鳴りモリモリもっこりベースではなく凄く太さがありつつも締まるところはしまった
だらしないベースでないのが流石BOSE。


中高音もハキハキとしっかり鳴らしてくれるので低音一辺倒ではありません。
というより、一発フルレンジの割に相当綺麗に鳴らします。
低音に比べれば流石にパンチの弱さは感じますが細くて弱すぎるとかモコモコに包まれて聞こえないということがない。
実はBOSEのコンパクトスピーカーシリーズはMiniからRevolveまで結構購入しては手放してを繰り返していたんですが
その原因はバランスの悪さでした。

Miniは未だに根強く売られているシリーズですが低音強めで中高音はハッキリ言って凹んでるんですよね。
初めて手にしたときの興奮と音を出し始めて数分で「思ったのと違うな」とがっかりしたのを覚えています。
Revolveはノーマルと+を両方試しましたがあちらは逆にバランス型に振りすぎてBOSE特有のベースの濃さが
全く無くて、これなら中華スピーカーの方が楽しく聴けるまであるな。とこれも期待外れ。

そんな中で手にしたMicroは未だにトップレベルのコンパクトさを誇りながら間違いなく音質も
低音から中高音にBOSEらしさを残しつつバランス良く鳴らしてくれる最高峰のスピーカー。
「そのうちこれの端子をTypeCにしてBluetoothも5.0以上とかにしたスピーカーを マイナーチェンジ版でも良いから出してくれないかな」
と期待して数年。
残念ながらMicroは新色の追加のみでマイナーチェンジは特にありませんでしたが登場してくれたのがFlex。
Microもシリコンバンドを搭載し細い筒状のものにくっつけたりする嬉しい工夫がありましたが
Flexはしっかりとした布製のストラップバンドが付いています。


個人的に嬉しかったのはこの画像を見ていただくとわかるんですが、横置きをすると少しだけ上向きになるように
角度がついているので目の前の机などに置いても音が反射しにくく、綺麗に響くようになっています。
おまけに4箇所の隆起があるので自前の重さもあってバランス感も抜群。こんな板状の形ですが風でパタリなんてことは無さそう。

TribitのスピーカーやDenon Envayaシリーズもそうですが、コンパクトスピーカーは基本的に少し上向きになるようにしないと
机の手前端とかに置かない限り前面から出る音がもろに反射して音が何とも変になりがち。
どのコンパクトスピーカーも何故まっすぐ前を向く仕様にしてるのか理解できません。
コンパクトスピーカーに何を求めてるんだという話ですが個人的にこのあたりは凄く嬉しいポイントでした。



総評
オススメな人:BOSEらしい低音爆盛のスピーカーが欲しい、屋外でもしっかり低音を楽しみたい人。丈夫で大音量でもしっかり鳴らしきれるコンパクトスピーカーを求める人。
個人的好み度:10点満点中/10点
完成度:10点満点中/10点 最初から遊びのあるカラーリングもあり大満足。強いて言うならBluetootuのバージョンくらい。