JOYODIO SHINE 4つのスイッチ搭載1DD+2BAハイブリッドイヤホン

今回ご紹介するのはコチラ。JOYODIOというブランドからリリースされた
SHINEというハイブリッドイヤホン。Linsoulの販売ページはコチラ
フェイスプレートは亜鉛合金製で、通常のプレートと違い全体の3分の1を覆うような厚めのデザイン。
残りは樹脂ボディで、音導管が導入されています。
SHINEはamazonで約1万、Linsoulで79.99$ですが、HM20と同じく上位の価格帯で
採用されるような仕組みを導入したものとなります。

qdc端子採用で、ボディ自体は少し厚みがあり、ノズルは気持ち短め~標準的な長さ。
凹凸が少なく、装着しやすいデザインと言えます。
フェイスプレートのデザインと形状がどことなくFiioのFH3やFH5に似通っていますね。

1DDは7mmサイズの二重磁気ドライバとなっており、KZのイヤホンでよく採用されているゴリゴリに低音を
出せるタイプ。BAに関してはこの価格帯ということもありメーカー品ではないですが2基搭載された
DDで低音、BA1基で中音域、残り1基で高音域を担当するというハイブリッドのド定番な構造。

しかしこのSHINEで一番の特徴は何と言ってもこのスイッチ。
Yanyin Canonなんかが昨年話題になっていましたがアレは3つのスイッチを搭載していました。
SHINEは4つ。
1.低音域
2.高音域
3.超高音域
4.全周波数オーバー(直訳)

4に関してはオンで全域が一気に強調というか、音が上がります。

付属のペーパーだと紹介されているのは以下の通り。(0がオフ 1がオン)
・1111 POP
・0011 Classical
・1001 R&B/ROCK
・0001 HIFI
・0000 Standard

まずはスタンダードで聴いてみたのですが、インピーダンスがかなり高くなってしまうようで
音量が全然取れませんでした。
サブベースはそれなりですが全体的に薄味でスッキリとした味付け。
ベントが内側に小さく1箇所しかないにも関わらず、中高音が広く鳴るので
結構独特の鳴り方に感じます。音導管の効果なのか、分離感も良いかも。
但し全てスイッチがオフということもあり少々薄味な感じは否めず。
今まで想像していたハイブリッドとは一線を画す、綺麗だけど地味な大人しさがあります。

HIFIモードだと一気にインピーダンスが下がり、主に中高音の圧が一気に上がります。
個人的にはこの時点である程度ハイブリッドらしい尖りのある鳴り方になったので
ClassicalやPOPのチューニングはハッキリ言って耳がちょっと痛くなるような刺さりに感じてしまった。
元気が良いというよりもピークを振り切り気味な暴れ方。
スタンダードでも薄味ながら、中高音に重心をおいたスッキリな音なので
4のスイッチをオンにしただけでもう十分。
好みもあると思いますが硬質なチキっとした音をしっかりと感じたい人ならPOP Classicalの組み合わせもイケると思います。

最終的に私が気に入ったのはR&B/ROCKの組み合わせ。
低音スイッチのみONにした1000でも悪くはなかったんですが
流石に地味さに拍車がかかる音だったので1001にしたところ全体的にギラっとした
HIFIに低音が加わることで程よく旨味のあるバランスになったと思います。
低音自体は7mmの二重磁気DDを活かしたゴリッとくる低音とおもいきや
サブベースのかなり低めなところをひっそり盛ってる程度でミドルベースは薄め。
どの楽曲にハマるというより、オールラウンドに聴くため最低限の低域を出してる感じ。
ちなみに低音スイッチオフだとこのサブベースすら控えめになってしまうのでかなーり地味。

中音域は非常に広く、伸びも良いのでVoやピアノ、アコギサウンドが映えます。
艶やかさは無く寒色寄り。SHINEという名を冠するだけあり綺羅びやかな雰囲気。
高音域も同じく広く伸びも良いんですがちょこちょこ伸びすぎて刺さります。
中音域も暴れたギターソロやサ行がちょっとだけ刺さる。
ベリリウムコーティング系の痛いような刺さりではないんですがちょっと耳にムズムズ来るような
メーター振り切る一歩手前みたいな刺激があります。
でも1110みたいなHIFIスイッチオフだと地味さから抜け出せないジレンマ。

1DDでバランスよくチューニングされたイヤホンも、ハイブリッドでそれぞれの旨味を最大限引き出したような
楽しいチューニングのイヤホンもありますがSHINEはその名の通り、まばゆい光をイメージさせるような
明るく、綺羅びやかなサウンド。ともすると私のような人間には刺激的すぎる音のイヤホン。
解像度高めで明るい、低音域もかなり下の方で全体を支えるような鳴らし方が出来るイヤホンなので
強めの中高音が好きで、低音は地味で良いけどバランスを損ねない程度になってて欲しい。
そんな要求に応えれるイヤホンです。
何にせよレートによっては日本円で1万を切るこの価格帯において
4つもスイッチを搭載したハイブリッドイヤホンは非常に面白い存在。

ちなみにスイッチが左右で上下逆じゃない?と思う人がいるかもしれませんがこれは仕様です。



総評
オススメな人:中高音が明るく、広く響くイヤホンが好みな方。
個人的好み度:10点満点中/5点
完成度:10点満点中/10点




SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS 無印から進化を遂げたスティック型TWS

 

今回ご紹介するのはコチラ。
以前紹介したCapsule3 Proと同じくサウンドピーツからAir Deluxe HS ホワイトカラー版です。
Capsule3 Proはカナル型だったけど、こちらはインイヤータイプ。
世界初Hi-Res Audio認証を受けたインナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホンという点は同じです。
構造上、ノイキャンやヒアスルーはありませんのがLDACに対応している点等も同じく。
今回の記事でもクーポンコードを頂いてますので記事の最後に掲載しておきます。是非。



見た目は以前レビューした無印のAir3とあまり変わっていません。
インイヤーだということもありますが、すでに完成されたデザインと言える形状。
充電ケースもかなりコンパクトなままです。
再生時間は単体で最大5時間。ケースの容量含め最大20時間。
LDACや低遅延モードをONにした際はこちらも半分程度にはなると考えたほうが良いでしょう。

音質としてはインイヤー独特の抜けの良さとインイヤーとは思えないドッシリ目の低音。
バスドラの響きは流石にカナルに叶いませんがミドルベースのあたりはちょっとしたカナルイヤホンに引けを取りません。
LDACでも再生しましたが低音に更に迫力が出て、中高音も抜けが良いだけでなく力強さと伸びが増しています。
14.2mmの超大型DDだからこそ出せるパワーがありますね。
周りの音をある程度取り入れつつもしっかりした低音で聴きたいという贅沢な欲求は
昨今だと骨伝導式のイヤホンもあるので選択肢は増えましたが
1万円以下の手頃な価格で高音質なことも考慮するとまだこちらに分があると思います。

タッチセンサーはロゴ部分ですが、Capsule3 Proと比べるとスリムで無駄がないデザインなので
ちょっと触っただけでセンサーにも指が触れて反応していまうことがしばしば。
ゲーミングモードの切り替えはL側を素早く3回タッチなんですが、装着感確認のため触るだけでも
オンオフアナウンスが出てしまって焦る。極力スティック部分を触って調整しましょう。
カナルのクセでついドライバ部分をギュッギュと触りがち。
Capsule3 Proは少ししっかりとしたデザインなのでそこまで誤作動起きなかったんですけどね。
Air3 Deluxe HSはめちゃくちゃ薄いので。
装着感が軽すぎて無に等しいのも無印から変わりありません。

・ノイキャンを求めない
・環境音がある程度耳に入ったほうが良い
・完全ワイヤレスイヤホン欲しいけどカナルが合わない

この条件に当てはまる人ならかなりおススメ。
カラーリングに白が無いのはAirPodsと被るからだろうなぁと思ったら、今どきは白も出ます。
黒が無難ではありますが、黒はモデルによって指紋がゴミが目立ちますからね。
まっさらなホワイトカラーが欲しかった人に嬉しい選択肢だと思います。


クーポンコード:A3DHSWHBLG1
終了日 2023/1/31 23:59 JST
割引:5%off

商品リンク先掲載の1000円OFFクーポンも併用可能なので、5821円となります。(記事投稿時点)




SOUNDPEATS Capsule3 Pro 1万円以下でハイレゾ対応の完全ワイヤレスイヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。SOUNDPEATSよりリリースされた新作TWS
Capsule3 Pro。 アマゾンで使えるクーポンコードも用意いただきました。(最後に記載)

日本オーディオ協会の認証を受けたハイレゾ音源再生をサポートするTWSです。
SOUNDPEATSは以前のAir 3のレビュー以来、久々。
TWS自体TRN BT20S PROを使い始めたあたりから全然使わなくなっていたのですが
先日のFree2Sから「めっちゃ進化しとるやん」と思ったので色々物色中。
Capsule3は12mmのバイオセルロース振動板を採用したDD1発仕様で再生時間は本体のみで最大8時間(ケース併用で52時間)。
地味にIPX4の防水防塵性能なのでちょっとしたスポーツのお供にも安心仕様。

ここ1年半ちょっとで大きく進化したなと感じる点がいくつか。
・LDACというハイレゾ音源をワイヤレスでも楽しめる高音質なコーデックに対応
・最大43dbノイズ低減効果のあるANC機能
・ヒアスルー機能搭載
・上記の機能が付いてるのに1万円以下



bluetoothのコーデックはSBCやらアップル専用のAACやら様々なものがあります。ほんとに様々でちょっと辟易するくらい。
LDACはその中でもハイレゾ音源に対応した転送量を誇る規格。
Qualcommでいうapt-XのHDなどと競合するもので、アンドロイド端末だと対応機種も結構増えているらしいです。
私の場合iPhoneなのでAACですがデスクトップ環境にFiio BTA30PROを導入したのでそちらで聴いてみました。
残念ながら機器相性の問題か環境の問題か、音量をMAXにしても普段リスニング中の6割くらいの音量でしか聴けてないんですが
SBCとは流石に質が違います。
正直、完全ワイヤレスイヤホンは「こんだけ出れば十分だよ」程度に感じることが多いんですが
LDACは上下共に音域が大きく広がります。「こんな出るようになってるんだ...」となりました。
その代わりバッテリー消費も大きくなりますがその辺りはトレードオフ。

ANCも一昔前までは「通話中のノイズを減らします!」だけで「それANCちゃうやん!」とツッコミを入れられるようなものが
多かったと思うんですが、人の会話等の一定以上の高さの音がか細くなる。
何より低音域の減衰がかなりのもの。季節柄除雪の音や除雪車のエンジン音が日中響くんですが
MOLDEXのようなフォームタイプの耳栓をしてる時と大差ないくらい聴こえなくなりました。
ヒアスルーというANCの逆に周りの音を取り込む機能も上々。
ちょっとレジで会話する時や、アナウンスを聞き取りたい時にイヤホンを外す手間が省けます。
どちらもホワイトノイズのようなノイズが乗るし音質も微妙に変化しますが
個人的にはまぁ許容範囲かなと。


装着感としては少々コツがあり、スティックをやや前方斜めを向くようにひねりながら
イヤーピース部分がうまく収まる位置を探しましょう。
真下を向くような角度だとノズルが短めでボディが少々大きいので痛くなりやすいです。
ノズルが楕円形なのでうまく収まる角度見つけないとスカスカになってしまいます。
イヤーピースに関してはドットスパイラル(M)でもいけました。充電も問題なし。
うまくハマるとANCなしでも遮音性は結構高め。

音質としては低音が主役のウォームバランスなドンシャリ。
1DD1発仕様ということもありますがバイオセルロース振動板はAir 3でも使われていたタイプ。
ドライバサイズは異なりますがインイヤー型のAir 3もかなりの低音量を誇っていたのが
カナル型に搭載されたのだからそれはもうボリューミな低音イヤホンになりました。
サブベース自体はそうでもないのですがミドルベースから中音域はかなり濃い目。
Capsule3 Proには上部に大きめのベントメッシュがあるのですがそれがあっても濃ゆい。
古めのロックのベースやバスドラがドンドコ響くタイプの低音機。
しかし中高音も音自体はややシャッキリとしたパンチがあります。流石に低音に押され気味ですが
閉塞感が少ないのでモコモコしたバランスにならない。
ヴォーカルも特に埋もれないので低音強めと聴いて敬遠してしまう人でもそんな気になるような
アンバランスさはないと思いました。
高音域のキラキラ感は流石に1DDということもあり主張は控えめ。

機能面での進化に興奮してつい長いレビューになってしまいましたが、
1万円以下でここまで多機能+音質面も強化されたのは改めて衝撃でした。
大手のANC付き完全ワイヤレスイヤホンもありますが、将来的にバッテリー劣化で使えなくなるものに
1万円以上出すのは正直勇気がいるので。
「多くを求めなければコレで良いよ」ではなく
基本的にこのくらいで十分なんじゃないでしょうか。

コレを気に最近のTWSをもうちょっと聴きたくなったので、今後もう少しレビューを投稿し
その都度比較ポイントがあればまとめたいと思います。

※追記

下記クーポン利用+商品ページの1500円OFFクーポン併用可能です。

最終価格:6556円(本記事掲載時)となります。
クーポンコード:CPS3PBLG32
期限:
開始日 2023/1/15 00:01 JST
終了日 2023/1/31 23:59 JST
割引:5%off


QKZ×HBB Khan 異なるサイズのDDを2つ組み合わせた新たなパワー系

 

今回ご紹介するのはコチラ。

QKZという基本的には格安でカラフルなイヤホンを数多く排出しているブランドから
HBB氏によるチューイングコラボモデル、Khan。(Linsoulリンクはこちら
10mmDD+7.8mmDD2発を搭載。最近はBAとのハイブリッドから1DDで質の高いイヤホンが続々と出てますが
ここにきてDQ6のようなDDを複数搭載するモデルが出ました。
qdc pin仕様でフェイスプレートは合金でボディは樹脂製ですが、その表面は磨りガラスのような加工が。
全然滑らないし指紋がベトベト目立たないので結構良いですね。ツルツルスケルトンで中身が丸見えも良いですが
これくらいうっすら透けてるくらいのも良い。

フェイスプレート側は、エポキシ樹脂のようなもので覆われた部分にロゴデザインがデカデカと入ってます。
QKZらしい、主張の強さですね。個人的にメーカー名がそのまま印字されてるより好感があります。
ちなみにベントはフェイスプレートの大きな2つのみで内側には無し。
最近ベントが内側に無しで別の場所に大きく設けたり、内側にもあるけどその他にも沢山ある。みたいの多い気がする。
デザイン的にもちょっと他とは違うぞという個性になるし、音響的な意味も色々研究されているんでしょうか。
ただこの大きさなので勿論音漏れはそれなりに。
音の開放感と音漏れはどうしたってトレードオフですね。

2つ搭載されたサイズ違いのDDはリキッドクリスタルポリマー液晶複合板を採用しており、
10mmが低音、7.8mmが中高音を担っています。
最近のDDはリキッドクリスタルポリマーやらリキッドシリコンやら、一時期は
カーボンナノチューブ(CNT)が席巻していましたが新たな勢力という感じですね。
KZのxunドライバもありますが、振動板に言及されたイヤホンが特に増えたような。

音質としては従来のDDよりも中高音にパンチだけでなく繊細さも兼ねたタイプのウォームドンシャリ。
最近の1DD系統のモデルは1発とは思えないほど上下に広く、器用に尖り無く鳴らす印象ですが
Khanは高性能なDDを2発積んだ余裕が出ているのか、10mmというサイズを遺憾なく発揮した
広がりのある濃いめのベースが特徴的。沈み込みはそこまでじゃないけど
サブベースよりちょっと上のあたりからミドルベースまでの濃さが全体的にかなり濃い。
ベースギターが元々前に出てくる曲だと、それはもうゴリゴリに出てきます。
その為全体的にはウォームな響きなんですが、適度に締まりがあるので支配的にはならない。
TRN VX PROなんかにあるような、ソリッドだけど弾みもそれなりにある音をもう少し柔らかくしたイメージ。

中高音は7.8mmというサイズのおかげなのか、太さのあるしっかりとした線を保った音。
10mmの低音パワーに負けずしっかりと主張があるが尖りはほとんど無し。
DDらしい高音域の刺さりが気になる人でもギリ平気そうなライン。
普通これだけボリューミーな低音に負けじとかなりのパンチを出してきそうなものですが
HBB氏によるチューニングのおかげか、主張がありつつも太さのある嫌味のない中高音に仕上がっています。
女性Voあたりは流石に全体の中ではちょっと丸く、控えめな響きですが
金管楽器やドラムの金属類が埋もれずに聴けるのが気持ちよく聴けるラインを保ってますね。

個人的にはKZ DQ6が好きだった人にこそ試して欲しい、新たなDD複合イヤホンとしての進化を感じるイヤホンでした。
ベントのおかげでウォームめなバランスでも開放感と抜け感が結構強いので楽しく聴けます。
気になった点として、磨りガラスのような滑り止め加工がノズルにまで及んでおり、
ノズル先端の経が気持ち太めな事と相まってイヤピの着脱がしにくく、
柔らかめのイヤピだと慎重に着脱しないとちょっと怖いかなと思いました。


総評
オススメな人:ウォームなバランスのドンシャリが好きな方。繊細でシャキシャキとした中高音は刺さって苦手だという方。
個人的好み度:10点満点中/9点
完成度:10点満点中/9点




KiiBOOM Evoke 1DD+2BA 高品質なハイブリッドドンシャリ

 

今回ご紹介するのはこちら。
前回に引き続きKiiBOOMから、こちらは1DD+2BAのハイブリッドイヤホン。Evokeです。
Allureが金属筐体だったのに対しこちらは医療用クラス?の樹脂ボディ。
カラバリが3つあり、私のは金箔が散りばめられた少し派手めなEmerald。
その他ターコイズとジャシンス(ヒヤシンス?)。
どれも宝石の名前を冠するだけあり安っぽいラメではなく鉱石の表面のような
大きめな結晶にも見える模様。
エメラルドだけ金箔分のお値段上乗せなのか他2色に比べ2割近く高めになっています。

0.78 2pin仕様で少し大きめで凹凸のあるボディ。ノズルは金属製で標準的な長さですが
根本の盛り上がりが結構太めなこともあり装着感はかなりガッチリ食い込むタイプ。
ベントが上部に大きく1箇所空いています。
ベントが内側にないせいなのか、装着感故なのか遮音性がかなり高め。
レビューを書くときは当然音楽を聴きながら書いているわけですが、キーボードの打音が全く聴こえないレベル。
音楽無しの状態でも他のイヤホンに比べて人の声が聞こえにくくなるので
外使いには注意が必要です。 室内で使う分にはありがたいですね。

ノズル根本がちょい太め


1DDは10mmのリキッドクリスタルポリマー 以下LCP振動板仕様。
TINHiFi C3でも使われていたタイプですね。
BAはKnowles製のものが積まれています。お高めな価格設定ということもあり流石に有名メーカーものです。

音質としては価格帯に相応しく高品質なドンシャリ。
低音はサブベースからミドルベースまでドッシリとした響きと量感があり
柔らかめですがボワつかず。DDらしい弾みのある低音域。
装着の密着感もあってEDMやR&Bのベースはサブウーファーを積んでるかのような太く重い音を出してくれます。
こういった低音域だと古めのロックのバスドラやベースが本当に気持ちよく聴ける。
ポップス等でもしっかりとした低音を鳴らしますがベースが前に出すぎる程ではありません。
重いところはしっかり重く、ポップスのような元が少し軽めのベースは気持ち太くなる程度に落ち着くくらい。

中高音域は解像度が高めでパンチも結構あるタイプ。でも刺さり等の刺激的な音は感じない。
うまくまとまったドンシャリイヤホンは沢山あります。
しかし中高音が刺激的でない分大人しめに、
繊細さを保った音なので「もうちょっとパンチ欲しいな」という贅沢な悩みが生まれたり。。。
Evokeの中音域はKnowlesBAを2基積んでいるおかげか繊細さとパンチがうまく両立しています。
太さのある低音に飲み込まれずきれいに分離しており
男性Voから女性Voまで埋もれずにハッキリと聴こえるし、伸びも中々。
ドラムのスネアや金管楽器、ギターのカッティングもキッチリとパンチがあります。
時折硬さも感じますが、これは刺さりとは別。BAドライバ故の金属的な響きかなと。
樹脂ボディだから全体的に丸い響きになりやすいと思ったのですが、大きなベントの効果かもしれません。

前述のベントのおかげか全体的に空間的な余裕もあり、
ライブ音源等を聴くと低音の重さと中高音の程よい刺激と広がりが大きめなコンサートホールにいるような気分にさせてくれます。
装着感に関しては耳が小さめの方だと痛くなりやすいかも。私の場合3,4時間つけっぱなしだと流石に痛みましたが
2時間程度つける分には平気でした。
赤Braveryもそうでしたが、思っていたよりこういう凹凸のあるデザインのほうが相性は良いようです。
Allureのような、無難な形で後はイヤピを押し込めばOK!みたいなのも良いんですけどね。
内耳だけではなく、耳の入口から全体でイヤホンを咥えこむような形状が好みの方は良いと思います。

ケースに関してはAllureと同じくかなり大きめ。固定無しなので小キズが不安なところですが
Evokeはそれぞれ小さめのジップロックで保護されてました。
せっかくのキレイなフェイスプレートなのでここは袋だけでなく何か固定等が欲しい所。

Evokeは価格帯にふさわしい、一つの理想的なドンシャリの到達点だと思います。
現状Allureと同じくamazonでの取り扱いがないのでKiiBOOM公式リンクのみ
キーボード類はあるので、そのうちイヤホンも来てくれると思いたい。

他にはない宝石のような見た目で選ぶも良し、ドンシャリ好きなら間違いなく楽しく聴けるイヤホンでした。
個人的には赤Braveryにしっかりと重いDDの低音を載せたverに感じるくらいの出来。



総評
オススメな人:ドンシャリ好きで2万くらいのクラスに手を出そうと考えている方。
個人的好み度:10点満点中/10点
完成度:10点満点中/9.5点(amazonで早く取り扱って欲しいと思える良いイヤホンその2)