NICEHCK EB2S イントラコンカ型イヤホン

 


今回ご紹介するのはこちら。
NICEHCKより発売されたイントラコンカ型イヤホン EB2S。
イントラコンカという名称は最近になって知りましたが、つまり昔からあるインナーイヤホンです。
私もカナルに出会うまでは耳掛けやらこのタイプやら色々使ってました。

このモデルにはEB2という先代が存在します。こちらも存じてませんでしたが。。。
金属製のハウジングで、15.4mmという大口径の1DD。振動板にはLCP(液晶ポリマー)を使用。3600円ほどの価格ながらデザイン含め安っぽさは全くありません。
カラーはブラックとグリーン。パッケージには今流行(?)の美少女が。

リケーブルは不可。構造としては背面部に3箇所程大きなダクトが。
構造上音漏れは勿論ですが周りの音も結構聞こえます。
装着感は無難な感じ。カナルのような圧迫感はありませんが大きな先端を耳穴に引っ掛けるような
形になるので合わない人は痛くて駄目かも。
また、ホールド感も当然カナルに比べ弱いですがこの辺りは付属品のスポンジカバーで大分向上します。



音の第一印象としてはスッキリと開放的かつダイナミックに幅広くしっかりと鳴らしてくる印象。
NICEHCKの方でエージングを推奨されているのでたっぷり鳴らし込んだ後の印象になります。

曇った音はなく、それでも大口径を活かしたサブベースからしっかりとした低音をはじき出します。

ピーナッツくんによるライブが先日あった際もこのイヤホンで視聴したのですが
カナル型に比べても遜色なく重低音を楽しめました。
ミドルベースや中音域の辺りは流石に少し軽めに感じますがあくまでカナルに比べての話。

耳にスピーカーを近づけて鳴らしたらこういう音するよなぁというダイレクト感。
中高音域はかなり明瞭感がありハッキリと鳴るんですが刺さりという程は気になりません。
ちょっとマスクしたい、あるいは低音をちょっと増したい場合はスポンジカバー推奨。
装着感も向上します。

カナルイヤホンは構造上、装着感やらイヤーピースの関係で音の印象に個人差が出やすいイメージですが
こちらはシンプル故に差が出にくいかと。どなたでもオススメできるハッキリシャキっとした中高音、イントラコンカとは思えないどっしりとした低音。
何が一番良いかというと装着感のストレスの無さ。
10年以上ずっとカナルを使っていて忘れてましたがイントラコンカ型の装着感は本当に付けていることを忘れるような軽さ。

周りの音が入りやすく、音漏れも激しいので外での使用は場所を選ぶかもしれませんが
iPhone付属のイヤホンみたいなタイプが好きで、カナルはちょっと苦手という方には是非オススメしたい。
この音の開放感はイントラコンカならでは。
特にイヤホンをしながら人と通話することが多い人にもオススメ出来ます。
カナルと違って自分の声が響きませんし、口を動かすことによって耳道が動いても
耳道に差し込んでないイントラコンカなら音も変わりません。

知人と通話しながらゲームをする際、カナルだと笑った拍子に外れかけて音がスカスカになったりして
逐一それを治すのが地味にストレスだった自分にとってはこの心地よさは凄い。
装着感のストレスの無さと音の抜け感というイントラコンカ型ならではの良さ、低音もしっかりと出る迫力の両立は素晴らしい。
イヤホン沼の新たな扉を開いてしまった気がします。
既にリケーブル可能なモデルが着弾済み...。そちらも来月あたりレビューを上げたいと思います。


総評
オススメな人:イントラコンカ型を試したいけど、低音不足は嫌だと思ってる人。音的には誰にでもオススメできる万能な音。カナルは耳が痒くなるなんて人にも良いと思います。
個人的好み度:10点満点中/12点 
完成度:10点満点中/12点




ヤマハ コンパクトサウンドバー SR-C20A

 

自分の環境写真はダサすぎたのでamazon商品ページより引用
今回ご紹介するのはこちら。
ヤマハのサウンドバー SR-C20Aです。久々のスピーカーレビューになりました。
私がPCで使っているスピーカーはsoundsticksという2.1chスピーカーなんですが、
ふとサウンドバーって今どきどんなのがあるんだろうと物色中にうっかり買ってしまいました。
最終的にはfire TV stickとiPhone用となりましたが、思った以上に優秀だったのでご紹介します。

サウンドバーといえば大きめのテレビの下に設置する、かなり横に長いイメージが強いとおもいますが
SR-C20Aは幅60cm。奥行き9.4cm。高さ6.4cm。と結構コンパクト。
幅が60cmということは、大抵のデスクに設置出来る。つまりPCにも向いてるのでは?と思ったのが購入の決め手でした。

タッチパネルなので基本操作はリモコンかアプリの方がオススメ


重さは約1.8kg。大きさの割には軽め。壁掛けパーツも付いてますがこの重さなら設置場所は結構自由が利きそうです。
光デジタル入力、3.5mmアナログ、ARC対応のHDMI、bluetoothと様々な接続方法。
余談ですが購入後に他のサウンドバーを色々眺めていたらアナログ入力は基本無いみたいですね。
TVはHDMI、他の機器で光デジタル、これで十分だろ!って前提。
PCにはUSBDACを使っているのでそこからのアナログ出力を繋げてみました。

アプデ用・AUX・光*2・HDMI
ユニット構成としては正面左右に4.6cmフルレンジスピーカー1発ずつ。左側天面に7.5cmサブウーファー。
右側の上下にパッシブラジエーターという感じ。

音の第一印象としてはクリアなバランスの良い音。
正直、サウンドバーという細長い筐体だと薄っぺらくて大した音は出ないんだろうと思い込んでいたんですが
素直に良い音です。人の声も聞き取りやすく、かといって薄っぺらくてやかましい音ではない。
低音も重低音とまではいかないものの、ゲームや映画のアクションシーンではどっしりとした迫力のある低音を出します。
箱鳴り感も意外としませんでした。小型のbluetoothスピーカーだとどうしても小さい筐体から頑張って出してます感が拭いきれないので。

音楽鑑賞という意味ではsoundsticksの方が2.1chだけあって低音の深さと量はしっかりとしていて
サテライトも左右4発ずつなのでデスクトップで聴く分にはこちらに軍配が上がりますが、
youtubeを見ていると人の笑い声等がちょっと五月蝿く感じることがあり、
その点SR-C20Aは人の声の強調具合が丁度いいです。

携帯アプリを導入することで電源オンから入力選択まで、ほぼリモコンいらずに操作出来るのも便利。
音声モードは2chの他スタンダード、映画、ゲームモードがありますが基本的にはスタンダード安定。
サラウンドになっているので手元で鳴らしても違和感なく音を楽しめます。

遠隔電源ONや、入力・音量・効果すべて選択可能なので便利


結局はsoundsticksが今壊れたというわけではないのfire TV stickを付けたyoutube用テレビと
スマフォでゲームや音楽を聴くようにベッド近くに設置となりました。
でも仮にsoundsticksが壊れたら、しばらくはSR-C20Aで十分だな。と感じるくらいには使いやすくてコンパクトで音も良い。


ランプでモード確認可能ですが小さいのでやはりアプリ必須...


PCやTV用にスピーカーが欲しいけど設置スペースが限られてる!という方にはとてもオススメ。
映画、ゲーム、音楽鑑賞それぞれ無難にレベルアップします。
光入力は2つあるのでテレビとPC等それぞれで接続もOK。
個人的にはbluetoothに対応しているのも嬉しい。
有名メーカーのサウンドバーは幅が80cm以上あったり、お値段も2万は超えてくるものが殆どのようですが
SR-C20Aは1万6千円程。 ちょっとしたBTスピーカーと同じくらいですね。
お手軽に堅実な作り。豊富な入力。便利なアプリ。おまけにカラバリで白や赤もあり可愛い。
衝動買いでしたが、とても良い買い物でした。



総評
オススメな人:PCモニタやTVのスピーカーに不満があるが、左右にスピーカーを置くスペースの確保が厳しい方。
個人的好み度:10点満点中/10点 
完成度:10点満点中/12点




KZ AS06 某有名アーティストがPVで使用し話題となった3BAイヤホン

 

今回ご紹介するのはこちら。

KZ AS06 4年ほど前に発売されたイヤホンですがとても安くなっていたので思わず購入。
白日のPVで使用され一時期かなり話題となっていたようです。
その頃中華イヤホンの沼に足を踏み入れていなかった自分は認知していませんでした。

0.75 2pin端子でKZ独自の窪みがついたものですが通常の2pinケーブルでも問題なく使えます。
背面に金属製のプレートが見えますが樹脂ボディの内部に付けられたものです。
6というロゴが地味にカッコいい。
PVで使われるだけあって他のイヤホンには無い独自の無骨なようでシャープな印象を受けます。
ステムはボディと一体化した樹脂製。少々安っぽさはありますが装着感は割と良好でした。
ボディが大きくノズルも少し長めなので普段よりも気持ち浅めに、大きめのイヤーピースで装着すると
安定しやすい形状だと思います。

メッシュやノズルの辺りはちょっと雑な仕上がり


BAオンリーのイヤホンは今まで経験が殆どなかったのがbraveryから先日上げたBA15とどんどん増えてきましたが
5000円を下回る価格帯のものは初めてかもしれません。
BAイヤホンはDDに比べるとコストが高いのかどうしても1BAでも少々値が張るイメージ。
でもDD等と組み合わせたハイブリッドイヤホンは簡単に2千、3千円台から買えてしまうんですよね。
数年で進化の目覚ましいイヤホン業界ではどこでコストカットしてるかわかりません。

音の第一印象としては楽しく聴ける解像度高めのドンシャリ。
実はこのイヤホン、発売から少々時間が経っていることもあり所謂「ロット差」があると言われてるので
このレビューと発売当初のレビューでかなり食い違う点があるかもしれません。あしからず。

低音はサブベースからしっかりとボリュームがあり少し暗めな響き。
BA基とは思えない濃厚さがあり、ミドルベースはかなり強く出てくるのでこの辺り喧しく感じる人が多いかも。
サブベースあたりはBAらしくソリッドで引き締まっているので個人的には非常に好み。
ライブ音源等かなり大迫力です。

中音域もBAらしく解像度高めでハッキリとした音。Voもしっかりと出てきますがここで先程の濃厚な
ミドルベースが覆いかぶさってくるシーンが多々あるので少し遠く感じる時も。
全体的に音が少し暗く感じるのはこのミドルベースの濃厚さが要因に感じます。

高音はややドライで時折ザラつく印象。
全体の中では少し遠くにきこえます。解像度は高めなのでドラムの金属系等気持ち良い。
本来なら少し耳に刺さるくらいの強さだと思うんですがここは先のミドルベースがいい意味でマスクしてる気がします。

フルBAイヤホンながらとても気持ちの良いベースをグイグイと出してくれるので
うっかり音量を上げてしまうんですが、あまり大音量だと高音域のザラつきが結構耳に触るので気をつけましょう。
この辺り、価格差はデカイですがBraveryは本当によく纏まったイヤホンだと改めて感じさせられました。




総評
オススメな人:低音好き。ミドルベースメインに、全体の解像度も欲しい方。TRN V90のような空気感が好きな人良いかも。
個人的好み度:10点満点中/7.5点
完成度:10点満点中/8点 装着感が大きく好みを分けそうな形ではある。


TRN BA15 総数30ドライバーのモンスターイヤホン

今回ご紹介するのはこちら。
TRNより発売されたBAユニットを15基、合わせて30基搭載したイヤホン。BA15。
私のブログでは過去KZのASTがこれに近い他ドライバーBAイヤホンでした。
あちらは12基ずつでしたがBA15はその名の通り3基プラスの15基。
ASTが個人的にかなりイメージとズレがあったのですが(今思えば位相が狂っていたのかも)
こちらはかなり評判が良いので購入してみました。

端子はqdc 2pin。1万を超える価格帯でもqdcが増えてきている印象がありますね。
軽量な筐体はマグネシウム合金による金属ボディ。ノズル部分は別素材の金属でしょうか。
ほんとに15基もBAを搭載しているのかと疑うくらい軽いです。
下手な樹脂製1DDイヤホンよりも軽い気がします。
デザインはシンプル。背面にロゴがプリントされており、価格の割には少し安っぽく見えます。
薄く丸いデザインのボディで装着感は非常に優しく良好。
ただし重さが無いのでイヤーピースでがっちりと固定しないと少しハマリが緩い印象を受けました。

軽さとは裏腹に重厚感のある光沢が好印象

音の印象としては多ドライバーとは思えないスムースな音のつながり。
15基も積んでいればさぞ濃い目の荒々しい音が出るんだろうと想像したのですが
1DD一発のイヤホンに近い音の整理された雰囲気でした。

サブベースや低音は少なめ~並くらいですが音全体の見通しが良いせいか不足を感じません。
引き締まりながらも量感のしっかりとした重低音を鳴らしてくれます。
古めのロックやジャズ等ではミドルベースの線の細さが気になるかも。
中音域は稀にギターの音が少し暴れ気味に響きますが基本的には解像度高めで不快な刺さりもありません。

高音域に関してはかなり印象的でした。
解像度が高いのはもちろんですが全体的な音場は並であるにも関わらず高音域だけはかなり広く響きます。
BA15基の力なのか、1DDのイヤホンでは感じられないような包まれ方。
低音、中音域は目の前のスピーカーで、高音域だけは5.1chサラウンドで鳴ってるかのような印象。
ピアノメインの楽曲での響き方がかなり良かったです。

1DDのイヤホンだとこの辺りは強く響きすぎるか、あるいは気持ち不足する印象がありますが
BA15は15基というドライバー数を音のまとまりに特化したようなバランスの良さ。
出すところは出す、不快感を感じるピークは切る。この辺り徹底したような音に感じました。



総評
オススメな人:1DDのまとまりのある音が好きだけど、解像度を求める方や中高音のピークが強い音は苦手という方。
個人的好み度:10点満点中/8点 
完成度:10点満点中/9点