Kbear KS10 1DD+4BAのハイブリッドイヤホン

 

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Kbearより発売されたばかりの1DD+4BAというハイブリッド構成の定番の一つ。
そこに金属製フェイスプレートで彩ったイヤホン。KS10。【PR】



TFZ 2pin端子で、本体は樹脂製+少し厚めのアルミニウム合金FP。
先日依頼を受けたCCZ BC04と構成的にも見た目的にも近い共通点のあるイヤホンですね。
FPは見た目の割に軽量で、イヤホン自体に厚みがないので装着時に重心が外に向くこともありません。
ノズルの長さは標準的で、角度は少し深めだがクセ無し。BC04に比べフィンが無いけどズレや違和感も無し。
レビュー時点のAmazonでは掲載されていないようですが、FPがシルバーの他ブラック版もあるようです。
FPに左右の識別マークがあるのは案外新しいというか、レトロ感あって良いですね。
ベントはDDの真上と、少し横に1箇所あります。

音質としてはクセ無く完成度高めのドンシャリ。
10mmのDDは複合カーボンナノチューブ振動板。BC04でもCNTでした。最近の低価格帯の定番になってますね。
サブベースは控えめですが全体の土台となる程度に鳴っています。
ミドルベース付近は重みも出しつつ、CNTらしい締まりが良好。キック等の重みはしっかりあるし、ベースラインも
そこそこに聴き取れるボリューム感はある。
CNT+金属製FPの影響で多少ソリッドな印象ですが不足感は余り感じませんでした。

中高音域はノズルに配置された超高音域用の1BAと、高音域用3BAで担当してるだけあり
ボリューム感強め。
金管楽器やVo、ドラムの金属類全体的にクッキリハッキリと出てくるタイプ。
解像度もそこそこ高いが、分離感は並。
刺さりはしないけど敏感な人だと全体的にシャリシャリ感を強く感じるかも。
一昔前のハイブリッド感が強いです。
ドラムの金属類が激しくなってる曲だと顕著。
最近のうまくまとめられたチューニング傾向が多い中で、少しだけ刺激感を重視した音作りだと思いました。


光や角度で印象が結構違う

ロックやポップス等全般的に使いやすいイヤホンだと思いましたが若干サブベースに底の高さを感じるので
EDM等ダンスミュージック系は重さ重視の人だと物足りなく感じるかも。
最近は低音爆盛のイヤホンレビューが多かったので私の基準がズレてることも否定できない。
KZ ZS10PRO Xのような、そこそこ盛られているけどバランスも考えて整えられてるような量感だと思います。
CCZ BC04がCNTとは思えない重みのある低音域だったのに対しこちらはCNTらしい音。
BAが多い分Voをはじめ中音域の量感もしっかりと盛られているのでシンプルに楽しいハイブリッドサウンドという感じ。
ここだ!という特化した強みはないけど気持ち中高音寄りの元気なハイブリッドサウンドを求める方にオススメ。


総評
オススメな人:明るめなハイブリッドサウンドが好みの方。CNTらしい低音域が好みの方。
個人的好み度:10点満点中/7点
完成度:10点満点中/9点(ご時世的にコスパ弱め) 

ZiiGaat Doscinco ソリッドかつマッチョなベースを味わえるPOWERハイブリッドイヤホン

 

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ZiiGaatより発売されている10mmサイズのDD2発とSonion、KnowlesのBAを計3基搭載したハイブリッドイヤホン。
Doscinco。

0.78 2pin端子で、本体は樹脂製。レジン充填ではないので軽め、根本からぐにょりとした角度で伸びるノズルは
根本含め少し奥まで入る深めの装着感。イヤピは普段より小さめが良い感じです。
フェイスプレートにはロゴと、大きめのラメ?のようなキラキラがまばらに配置。大抵この手のデザインは
ド派手になりがちですが、地味すぎず派手すぎず良い塩梅に収まっています。




ベントは本体のトップ側に大きなものが一箇所のみ。Canonでも同じようなのがありました。
ノズルの形状、金属部分のパーツといい、全体的に微妙にCanonっぽい空気感が。


2つのDDはどちらも10mmサイズで、ポリマーダイアフラム。複合振動板的なもの。
こちらがZiiGaat独自の音響エンクロージャーに収められ、パワーをよりパワーに。
ZiiGaatは当初比較的安価なモデルが売りだと思っていたので急に強気でパワフルな構成のイヤホンが出たなと
思っていたんですが、価格に恥じないパワーのある一聴の価値アリな奴でした。

音質としては圧倒的な厚みと量感、それでいてだらしなくないサブベースからミドルベースの存在感+3基BAにより分離感の優れた中高音。
最近はどうしても「低音も強いし中高音も程よく強いぞ」という感想になりがち!
Doscincoはその中でも密閉型としての低音域を最大限に引き出したような良さがあります。
サブベースの深みは勿論、ミドルベースから中音域までの分厚さが半端ではない。
ベントが一箇所しかないのにそこまで窮屈な感じはせず、ライブハウスというよりきっちりモニタリングされたPA直で聴いてるような
整理された低音域。樹脂筐体のせいか残響感は少し強めにあるけどそれが却って良い。
ベースは勿論、ギターにも重みが乗ってくる。更に空間が上方向に広くてこの辺りがライブ感あって気持ち良い。

中高音域はじゃあ地味なのかというとSonion2基、Knowles1基とブランド物のBAを積んでるだけありパンチの強さは
低音域に一歩譲るものの、分離感が高く金属的な質感もハッキリだしてくる。
Voも特に凹むわけではなく、何ならコーラスが重なる部分やドラムの金属系も聞き取りやすいくらいには主張している。
ギターでいうとカッティングのキレは十分感じるが、最近だとTRNのAzure Dragonのようにカチっとした押し出しは少なめ。
ここの辺りは好みの差の範囲。
AFULのPerformer8みたいなキレ重視のイヤホンと比べると流石に弱いなぁと思う程度。
公式ページにあるように「ディテールの再現と鮮明な明瞭さ」という言葉に嘘はない。
低音が強くて褒められるってことは中高音地味か、パンチ強すぎて五月蝿いかどっちかが心配という人も安心して良い。と思う。

半透明でわかりにくいけど、照らすとこう

恐らく1箇所のベントで強すぎる低音のパワーを調整しつつ、中高音の存在感を耳に痛くない程度に明瞭にした
かなり美味しいバランスのイヤホン。
開放型で最近ツボったTRN Azure Dragonも良いけど密閉型ならDoscincoが最近のツボ。
こんなパワフルで一聴すると喧しいくらいなのに音がうまく整理されているので「こんな音鳴ってたんだ」という発見もさせてくれる。

多機能なイヤホンも一台で色々味わえて楽しいけど、これだ!っていう一発のチューニングもハマるとそれに劣らず楽しい。
クラシック、ジャズ、ロックポップス、EDM系、何でもPOWER大盛りで楽しめるイヤホンでした。良いぞ。




総評
オススメな人:とにかくベース重視の方。それでいて全体をしっかりと楽しみたい方。派手な音作りな好きな方。
個人的好み度:10点満点中/12点(あくびをしてもずれない装着感、それでいて痛みなし 相性バッチリでした)
完成度:10点満点中/10点

KZ ZS10 PRO 2 最新世代のDDを搭載したハイブリッドイヤホン

 

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先日紹介していたKZの最新世代DDを搭載したイヤホンシリーズから+4BAを搭載したモデルが登場。
その名もKZ ZS10 PRO 2。 何故かZS10シリーズの続編として出てきました。
今回は単色モデルで、ツヤのあるブラックなフェイスプレートにZAXばりのベントが開いています。




qdc端子で、本体側はスモークグレーの樹脂。相変わらず最近の透明度は高めで接着剤が目立つような様子もなし。
4つのスイッチを搭載したモデルで、ノズルの長さや角度はZSN PRO2とほぼ同様。
FPも同様に軽量な合金系素材で全体的に軽いです。装着感もクセなく良好。
ガッツリとFPにベントがあるのでそれ以外のベントはDDユニットの真上だけ。
FPのベント下には金属メッシュ。見た目の割に漏れないモデルもありますがこちらはしっかり目に漏れます。
遮音性は音漏れの割には標準的なレベル。



音質としては最新世代DDの力強さが少し抜け、BA4基の出力で中高域よりなバランスになったドンシャリ。
個人的にはZSN PRO2が曲によって低音域の迫力に差があったのでそこもっとゴリゴリにしたバランスを期待してました。
実際にはベントが大量にあることで全体的な音抜けが良くなり音が明るくなった+低音域は響きが弱まりました。
意外だったのはサブベースの辺りは独特の重さが弱くなってしまった代わりに、ミドルベースはむしろわかりやすくなりました。
量感としてはKZとしては少し弱い印象に変わりないんだけどZSN PRO2よりフラットなバランスで聴き取りやすい。
もっとスカスカになって小うるさいバランスになってしまうのではと危惧してたのは杞憂でした。

中高音域はZS 10PRO Xのように4BAだけあって広がりが強く、KZらしいギラついた感じも僅かにありつつ
ベントの影響でドライ+少々薄っぺらい。
スイッチがONのままだと元気すぎると感じる人はそこで調整するのもアリ。
高音域の金属的な質感やVoが前に出てくるのでパっと聴いた印象は記憶の中のZAXに近い。
ドラムのスネアが妙に軽いあたりが特に。

総合的に楽しく聴けるという意味ではZS 10PRO Xよりも低音域に重さが感じられて良い。
でもベントからの漏れが想定以上だったので外では音量を普段より下げざるを得ない辺りちょっと使いにくい。
ZSN PRO2からのグレードアップを期待してると多少スカされてしまうが、ZS 10PRO Xで低音域にもう少しだけ濃さが欲しいと思うなら
試してみても良いかも。
個人的にはベントは最低限くらいでこの最新世代DDの力強さ全開にしたようなイヤホンが欲しいところでした。


総評
オススメな人:ベント多めで抜けの良い中高音寄りなKZを求めてる人。ZAXが好きだった人。
個人的好み度:10点満点中/6点 
完成度:10点満点中/9点