KBEAR AURORA チタンの男気感じる1DDイヤホン

 

今回ご紹介するのはこちら。
KBEARからリリースされた強磁力ナノチタンコート振動板を採用した10mmの1DD一発構成のAURORA。

0.78 2pin端子で凹みはほぼ無し。
ROBINに近い形のボディですが滑らかな曲線とクロームメッキのような鏡面加工で非常に華麗なデザイン。
アルミ合金筐体なので見た目によらずそこまで重くないが、重心の関係で装着時は思ったより重さを感じます。
TRI I3のような下部に膨らみがあるデザインだと安定して収まるのですがAURORAは比較的平面的なデザインなので
僅かにぶら下がったような感覚があり、ここは相性の差が大きそう。

音質としては1DD一発の潔さを感じる心地よさ。
1万越えてるのに1DDで潔いってことはスッキリして物足りない? そんなことはありません。
密閉に関わらず広めの音場に目一杯芯の通った、イヤホンらしからぬステージ感を味あわせてくれます。

低音はサブベースからしっかりと出ますが締まりもある。量感が濃い目なので楽曲によってはかなり前に出てきますが
音場の広さから窮屈さはあまり感じさせません。
中音域は聴き取りやすく、良い意味で枠に収まってます。刺さりなどは全くなし。Voあたりは時折地味に感じるかも。
低音と違って音の広がりは並~ちょい広ですが
こちらは奥行き、左右への広がりが強いです。音の分離感や定位が良いとでもいうのでしょうか。
音数の多い楽曲だとグシャっとなりやすいギターのかきむしるような音が聴き取りやすい。
ギターがメインのごりごりとしたロックを聴く方には是非試してほしい。
古めのロック等もスピーカーで聴いているようなスケール感が出て最高に染みます。これがナノチタンコートの力。。。
高音はアルミ合金筐体の恩恵か、DDとして並な量感だが適度にカチっとした響きがあるので存在感は決して他に飲まれない。

1DDでも高音が凄い!Voが飛び抜けて綺麗!極上なフラットサウンド!と
最近の1DDは器用なんだなぁという印象が強かったのがAURORAは現代的な質の高さと共に
1DD構成の力強さ両方をちょうどいい塩梅に持ってきたイヤホンだと感じました。

総評
オススメな人:器用さよりも力強さだ!な方。ギターロック好きな方。ハイブリッド系の刺激的な音でマンネリしてきた方。
個人的好み度:10点満点中/9点
完成度:10点満点中/10点


LZ A2 PRO Knowles BAユニット搭載のハイブリッドイヤホン

今回ご紹介するのはこちら。LZ HIFI AUDIOのKnowles BAを2基、SAE(炭素鋼振動板)ダイアフラムDDを
搭載したハイブリッドイヤホン A2です。
昔にも同名のモデルを出していたようですが、見た目は似ても似つかない新型です。

0.78 2pin端子で樹脂ボディですが背面のプリントがとても綺羅びやか。オレンジがかった黄色で非常に好み。
青,赤,紫など派手なカラーリングのイヤホンが多い中華イヤホンですが、明るい黄色~オレンジ系ってあまりないんですよね。

3Dプリント技術で作られたボディの装着感は非常に良好。
幅は小さめですが厚みと小さな凹凸のあるデザインで、耳にしっかりと押し込んでも妙な圧迫感や痛みはなし。
無理なく隙間なくフィットするので個人的にはベストなフォルム。

音質としてはドンシャリ傾向ですがなかなか面白い音です。
低音は深さと柔らかさがありながら、過度にボワつかず響きます。
量感はしっかり目で、全体にしっかりと広がる。サブベースには締りを感じますが
中域よりの低域には柔らかさと広がりが強く、少しクセのある低音。
楽曲によっては低音に酔うような感覚に襲われます。

中音域はKnowlesユニットの力か、低域を晴らすように力強くVoやスネアのサウンドが主張します。
女性Voの「ツ」という発声やキーボードやローズ・ピアノなどの元々明るいサウンドの楽器は少し刺さることがありました。
全体の中では出すぎず、低音にも飲まれずバランス良く鳴っています。

高音域に関してはしっかりとした明るさがあり、ドラムの金物やちょっとした電子サウンドが
とても華麗に響きます。サカナクションの楽曲「モス」で使われている太鼓(コンゴか何か?)が
今まで聴いたことのないくらいッポォン!としっかりと響いてました。
刺さるようなシャープさの明るさとは違い、これぞドンシャリの「シャリ」だと感じさせる明るさ。

締まりのある重低音、弾むベース、しっかりと明るい高音、その中で負けじと響く中音域。
一言でいえばドンシャリですが、ちょっと他のイヤホンとは異なるクセのあるドンシャリです。
金属筐体好きの自分としては樹脂ボディでなければ低音の響きがもう少し落ち着くのにと思いましたが
そうすると中高音が響きすぎて、結果バランスを崩し普通のドンシャリになってしまうのでしょう。このあたりはリケーブルでも調整可能だと思います。私は正直見た目で買った口ですが濃いめのベースが苦手な人でなければとりあえず手にとってほしいサウンドでした。

総評
オススメな人:ひと味違ったドンシャリが聴いてみたい方。
個人的好み度:10点満点中/8点
完成度:10点満点中/7点(ボディ自体は良いが、ノズル内にメッシュをくっつけている糊がはみ出てこべり付いていた。)


TRN BT30 待望のBT20S PROのリニューアル版

今回ご紹介するのはこちら。
TRN BT20S PROに続くモデル、BT30です。
見た目は全く変わらず。ありがたいことにコネクタも同じなのでBT20S PROでコネクタを一通り揃えた方はそのまま流用可能です。

左手前がBT20S PRO ケース含め見た目は変わりません
ざっと変わった点としては
・Bluetoothのバージョンが5.2になった
・再生時間は6.5時間で前作から2.5時間減少
・QCC3040採用

再生時間が減少してしまったのはBT30にはアンプを搭載しているから。
コーデックはそのままで、見た目の変わらなさからして音質、通信品質を向上させた中身のみのマイナーチェンジといえるモデル。

操作が物理ボタンという点も同じで、キャリーケースも全く同じ。
使用して気づいたのはBT20S PRO(以下BT20S)ではボタンを押す度に「ピーン」という音がなってましたがBT30ではそれが無くなったようです。

再生時間を犠牲にした音質は果たしてどの程度進化したのか。今回は今までBT20Sに付けて愛用していたTRN ST2でレビューしました。
第一印象としては「洗練された音」
BT20Sの音質は低音がかなり前に出てきて、中高音はそれに負けずしっかりと主張したドンシャリでした。
BT30もドンシャリの部類かとは思いますが、低音はかなり控えめになりました。
サブウーファーは付いているがかなりレベルを控えめにしたような、あくまで後方で全体の土台に収まっている量感。
ボゥンボゥンと弾むような低域のBT20Sから比較的ソリッドなベースになったと思います。

中音域は今までかなり前に出てくる近さがありましたが、適度に広がりをみせ窮屈感がなくなりました。
迫力が失せたわけではなく、むしろより鮮明に粒が整った音。アンプの効果を一番感じたのは中音域でした。
BT20Sではよくいえばまとまった音だったのがBT30では分離感があり、それぞれの音がクッキリと聴き取れます。
自宅でアンプを付けて聴く環境に完全TWSながら大きく1歩近づいた音だと思います。
高音域に関してもおおよそ同じ印象でした。時折刺さる直前まで尖っていた音が落ち着き、且つ力強さを持ちました。

確かに低音、特に中音域寄りの辺りはBT20Sに比べ一気にボリュームが下がったのでそこでイマイチに感じる人もいるかもしれません。
ですがサブベースはしっかりと存在感があり、EDM等のキラキラしたダンスミュージックやメタル系のサウンドでも問題ありません。
むしろそういったサウンドの中高音の鮮やかさが際立つ分、全体としての派手さは決して劣らない。

最終的には好みですが、低音好きの自分でもこの進化は「アリ」だと思います。
ただ、再生時間が2割以上減少したのは痛手。BT20SではiPhoneのVolは半分程度でしたがBT30では6割~7割に上げないと同じ音量が出ませんでした。
アンプを搭載したからといって音量レベルが上がるわけではないんですね。
でも以前より音量をあげないといけないということは、よりバッテリー消費が早くなるということ。
3時間程度の使用でバッテリーが5割ほど減ってしまったので、私の場合だと6時間。
基本的に5,6時間あれば十分ですが旅行や買い物でずっと付けっぱなしの時には少し心もとないですね。

再生時間の減少が特に気にならない方で、低音フリークでないならBT30はオススメです。


総評
オススメな人:BT20Sにもっと美音を求めてた方。 中華イヤホンを持っている人全て。 ほぼ無限にTWS化して遊べる。
個人的好み度:10点満点中/9点
完成度:10点満点中/9点


TRN MT1 1DDのオールラウンダー

 

今回ご紹介するのはこちら。
TRNの1DD機の中では割と有名株?な印象のあるMT1です。

qdc 2pin仕様で10mmのDD一発仕様。 今までレビューした中で似てるのはCS1ですね。価格帯も同クラス。
プラのボディで背面は三角形の模様がついており、少し凝ってます。中身が丸見えのスケスケ仕様でDDの様子がくっきり見えるのは良いのですが
接着剤らしきものの白いモヤもはっきり見えてしまうのがこの価格帯の泣き所。

音の第一印象は「1DDでこれだけ鳴らしてくれたら十分」という力強さ。
低音はサブベース等はカバーしてませんが広がりがあり、量感も十分。
中音域は若干凹んでる部分もありますが比較的それ以外が派手になってるので凹んだ印象がより強まっている。
女性Vo.は高めの人であればしっかりと前に出ますが基本的には全体の1歩後ろです。
高音域については少し刺激のあるトゲトゲした音ですがドンシャリ好きには丁度いいくらいの刺激。

音場は若干広め。流石に解像度を語るクラスではありませんが、高音以外は結構粒のいい音だと感じます。
CS1は背面のベントのおかげで抜け感があり、その分迫力が少し欠けていましたが
MT1はその迫力を埋めたような音で、抜け感こそありませんが音場の広さがこもりを感じさせません。
見た目も後続の1DDシリーズに比べるといい意味で普通にまとまってるので、狙うなら今がチャンスかもしれません。
後続がどんどん出るといずれamazon等入手がしやすいルートでは取り扱いが消えてしまいがちなので。



総評
オススメな人:千円台のイヤホンの中でもバランス良く迫力を求める方。
個人的好み度:10点満点中/8点
完成度:10点満点中/10点(CS1と同じく、コスパで考えればこれ以上は求めれません)