See Audio Bravery BA4基搭載の寒色美音系

 

今回ご紹介するのはこちら。
See AudioというメーカーのBravery。
knowlesとSonionのBAを組み合わせのBAオンリーのイヤホンです。
BAのみのイヤホンはこれで2つ目。1つ目はbgvp Q2というワイヤレスかつ有線でも使える面白いイヤホンでした。

ブログ一周年迎えるし、ちょっとチャレンジしてみようと背伸び気味に購入しました。
背伸びというのは価格が少しお高めというだけでなく、自分の好みからはズレてそうだなという意味合いです。
結論だけ先に書くとこのイヤホンでVX PROに続き自分の好みが捻じ曲げられました。優勝。

まずはパッケージ。デッカイ。そして美少女キャラ。
中にはポストカードやらステッカーやら、この子のグッズ買ったのか?と勘違いする程度に色々入ってます。
交換用のメッシュカバーが入ってるのは高級機らしい気遣いですね。

付属品はこんな感じ。
ケースにまでパッケージキャラの女の子のイメージが印刷されています。
このケースは最近たまにみる金属製の密封度がしっかりしたケース。
ジップ式の布ケースも好きですがこちらも程よく高級感があって良い感じ。
イヤーピースとケーブルも付属品は一味違い、AZLA Xelastecという肌の温度で柔らかく密着する特殊な
イヤーピースが付属していたり、HAKUGEIという日本ではまだ取り扱いのない高級メーカーのケーブルが付属。付属品だけでも1万円近い品々。

いつもの見た目写真をいくつか。
0.78 2pin端子で凹みなし。
端子横にベントがありますが音漏れも並。余程の大音量でなければ平気。
黒地にマーブル調の柄が入っており、柄は個体差があるようです。
私のは黒い部分が多く、少しダークな雰囲気。艶のあるボディで埃や指紋がかなり目立つので
神経質な人には気になりそうな質感。写真を撮って確認する度に「また埃がみえる」と何度も撮り直しました。

見た目は少し大きめですが金属部分はノズルのみで内部にレジンを充填してるタイプでもないので重さは並。
全体的に丸っこいデザインなので装着感は正直微妙。引っかかりがないので比較的ガバガバな私の耳には収まりが悪い。
その為、イヤーピースを吟味する必要があります。
付属のXelastecは質感こそ良いもののサイズが合わなかったのでMLサイズを取寄中。
個人的にいつも使っているAZLA SednaEarfit Shortやlight、ドットスパイラルを試してますが
どれも使用中にどんどんずれてしまう。おそらくはXelastecのMLで私は解決します。

音質について。
BAユニットのみということで一番不安だったのは低音の量。
「BAにしては低音出てる」というのは低音好きな自分としては物足りないのですが
結果としてはほんとにBA?というくらいしっかりとした低音がそこにありました。
EDM系のダンスミュージックを聴いても重低音からしっかりと響きます。
ミドルベースもソリッドながら量感はしっかり目。VX PROはグイっと持ち上げるような密度のあるベースでしたがこちらは自然な量感。
古めのロックを聴いても物足りないことはなく、きっちりと低音を鳴らしてくれます。

中音域~高音域には最も驚かされました。
元々、中高音は刺さらずこもらずならばそこまで解像度を求めていなかったのですが
TRI I3を聴き始めた頃から質感を求めるようになりました。
それでも、自分が求めるのは寒色傾向よりもウォーム傾向。
そんな好みを捻じ曲げてくれたのがTRN VX PRO。非常に見通しの良いスッキリとしながらも
力強く、刺さること無く響く中高音。
Braveryはその中高音をとてもキメ細やかに柔らかさをもたせたようなサウンドを鳴らします。
普通のドンシャリの中高音が市販のかき氷くらいの粗さだとするとVX PROはアイスの爽、Braveryはふわっふわな台湾かき氷。
男性Voから女性Vo、太めな声から爽やかな声まで華麗に響きます。
寒色傾向なので艶が物足りない!という方はいるかも。
個人的には全体として低音域がしっかりとしている為、冷たくて艶が物足りないと感じる事はありませんでした。

このイヤホンは装着感を除けば間違いなく今まででNo.1のイヤホンです。
ボゥンボゥンと鳴り響くベースと刺さるくらいの中高音が良いんだ!という人もまずはVX PROから試して欲しい。
引き締まりながらもしっかりと量感のあるベースと、スッキリとした見通しの良さを持ちながらも
薄っぺらくない明瞭感のある中高音の2つを揃えたイヤホンは貴方を優勝に導く。はず。
Braveryに関しては都内だと試聴機もあるようですので是非。
2万円以上は勇気のいる価格帯であり、結局の所音は個人の好みとはいえ、Braveryは価格以上の価値がある音と思います。


総評
オススメな人:寒色系の一段上の音を欲している方。低域もしっかりありつつ、中高音の解像度がしっかり欲しい方。VX PROが刺さった方。
個人的好み度:10点満点中/10点(装着感だけは少し残念)
完成度:10点満点中/10点

現状amazonでは取り扱いがないようなので、コチラにアリエクのリンクを貼っておきます。

TRN CS2 ほぼMT1と同等な格安1DD

 

今回ご紹介するのはこちら。
TRNのMT1とおそらく同じ1DDを使用したイヤホン。CS2。
qdc 2pin仕様で樹脂ボディ。ST2とほぼ同じ形です。カラバリが豊富でグレーやブラックの他
ブルーとレッドもあります。今回はレッドを選択しました。
ST2もこれくらいカラバリがあれば良かったですね。
背面ロゴはメーカーロゴではなく製品名のタイプ。崩して描いてあるのがちょっとオシャレ。
ゴシック体で小さく描いてあるタイプは個人的にどんなカッコイイ製品名でもダサいと感じます。

右はST2



音質は同じドライバーであるMT1と大差ないと思いきや、筐体でここまで差が出るのかと思うほど性格が違いました。
あるいは装着感からくる差なのかもしれませんが、バランス良くドンシャリだったMT1に比べるとCS2は全体的に
締りと硬さがあります。
低音は量感がありながらもでしゃばりすぎず、高音域は1歩引きながらもキチンとこもらず鳴らしている。
MT1と最も異なるのは中音域。MT1では1歩下がったイメージでしたがCS2では高音域と同じか僅かに上回ったバランス。
ギターサウンドが文字通りしゃしゃり出る印象です。
粒が荒いので気持ちいいとまではいきませんがMT1でちょっとバランス違うなぁ~と思った方はCS2がオススメ。
個人的にはギターが目立つサウンドが好きなのでCS2の方が僅差で軍配上がりました。

優秀な低価格1DD帯でCS2の強みは1DDドンシャリとしては比較的締まりのある低音とあまり凹まない中音域でしょうか。
ここまでドンシャリと言っておいて何ですがシャリというよりチャリ。 ドンチャリですこれは。
しかしもう数百円で1DD+1BAのST2が存在することを考えるとあえてこれを選ぶメリットは少なめ。
見た目で選ぶなら間違いなくCS2が可愛さ+カッコよさで優秀なのですが。



総評
オススメな人:千円台のイヤホンで見た目の良さも欲しかった方。
個人的好み度:10点満点中/8.5点
完成度:10点満点中/10点(千円台の中で豊富なカラバリは大きな強み)

この記事でちょうど当ブログ開設一周年! 

だからなんだということもありませんがまずは一年。

次回は普段買わない価格帯のイヤホンもレビューする予定です。
拙い文章ですがこれからも宜しくおねがいします。




KZ ZEX EST(静電)ドライバー搭載のスマートな低音イヤホン

今回ご紹介するのはこちら。 KZのESTドライバーという特殊な構造の6.8mmドライバと10mmデュアルマグネティックDDを搭載したハイブリッドイヤホン。ZEXです。

似た構造でCCAからはNRAという機種が出てますが個人的に最近はKZの方が期待値高めなのでこちらを選択しました。 qdc 2pin仕様で樹脂ボディに背面が金属プレートという定番の構造。ノズルが若干角度をつけて長めに伸びている為、個人的には少し浮き気味な装着感でした。比較的小さめサイズで角が無いのでグイグイ押し込んでも快適。

DQ6のような低音とパンチのある中高音を期待していましたが第一印象としては低音がグイグイと前に出てくる低音メインのイヤホン。

サブベースがよく出ており、ミドルベースも中々の盛り。他の音よりもボリューム感はありますがエージングを経ていい感じに引き締まり、かなりいい質感のベースになりました。

中高音は1歩後ろに下がり、丸みのあるサウンド。音量を上げても聴き疲れのしにくい優しめの音ですが、1DDではなくESTとのハイブリッドのおかげか、ベースとは良い意味で分離されておりベースに飲まれた結果地味になった。という感じはありません。

全体的に音場は並なのですが音に奥行きがあり、ベースがこれだけ主張しているのにこもりをあまり感じません。CCZのCoffee Bean等はムッキムキな圧のある低音でしたがZEXは少し上品さを感じます。音はまとまりがあり突出した尖った音がないので低音好きで中高音は大人しめが良いという方には結構オススメです。ZSN pro xを一回り大人しくさせたようなサウンドを求めてた方に丁度いいかもしれません。

先日購入したTRN BT30に装着して見た所、全体的に音が地味になってしまったので同じ用途を考えている方はKZが出しているAZ09等のモジュールの方が良いかもしれません。DQ6やZASでも相性はイマイチで、同じTRNのST2やVX PROは性能を引き出すかの如く、有線とほぼ差を感じさせない素晴らしいサウンドだったので同じメーカー同士の方が相性は良さそうです。

 

総評
オススメな人:スマートに盛ってる低音と丸みのある中高音好きな方。
個人的好み度:10点満点中/7点
完成度:10点満点中/9点


 

KZ ZAS BA7基と1DD構成のハイクラスなドンシャリ

 

今回ご紹介するのはこちら。
KZからリリースされた7BA+1DD構成のハイブリッドイヤホン。ZAS。
去年リリースされたZAXと同じような構成ですが、使用されているBAユニットやDDは異なっています。
特にDDはDQ6にも使われている、背面部にドームのような形状を有したXUNドライバーを採用。
低音が力強く特盛になることが期待されるDDです。

qdc 2pin構成。最近は特に多いですね。おかげでqdcのケーブルもどんどん増えてきました。
ボディはDQ6に近いような形ですがドライバー数の違いもあってZASの方が少し大きい印象。
はじめは尖っている部分が耳に突き刺さって痛くなってましたが全体を手前に回転させるように
ねじ込むと痛みもなく安定しました。ボディが大きめなので多少ひねっても安定します。
今回はブラックを選択しましたが、真っ黒なプレートを金で縁取られておりリッチな雰囲気。
表面が透明樹脂でコーティングされたようになっているのですが、あまり耐性が高くなくはじめから結構擦り傷が付いてました。

音の第一印象としてはムッキムキな低音域と中高音のハキハキしたサウンド。
ZAXと違って背面に音の逃げ道がないおかげか、低音がモリモリとしています。
重低音~ミドルベースとしっかりした量感があり、低音イコライザなんてまず必要ないであろう音。
多少ボワつきがありますが全体を支配してしまうようなだらつきはありません。ある程度締まりもあります。

中音域は特盛のベースがありながらしっかりと前に出てきます。Vo、ギターのサウンドには粒感がしっかりとあり
刺さらず、解像度もそこそこ。個人的にZAXで最も物足りなかったのは中音域のか細さだったので
ZAS力強さのある中音域はとても気に入りました。ドラムのスネアサウンド等もしっかりとハリがあります。

高音域は他2つに比べると少し遠くにありますが曇りは少なめ。全体の中では地味ながらも
これだけ強い低音域のある密閉型の中では健闘している方かと。

KZらしいギラギラとした感じは弱めですが今回はそれが結果としてとてもバランスの良い仕上がりになっていると感じました。
特盛の低音域とそれに負けず抜けてくる中音域、一歩下がるが曇らず鳴らす高音域。
ほぼ音の逃げ場がない密閉タイプですが音場自体は並か少し広め。低音域がこれだけ強いのに圧迫感が少ないんですね。
数あるドンシャリの中で とてもムキムキなのにバランスの優れた、まとまりの良いハイクラスなドンシャリです。


総評
オススメな人:低価格帯のハイブリッドドンシャリからクラスアップしたい方。
個人的好み度:10点満点中/9点(VX PROのソリッドな低音もいいですが、これだけブンブン低音を出してくれるとやはり気持ち良い)
完成度:10点満点中/10点(ボディのゴツさを除けば万人にオススメ出来るドンシャリです)


TRN VX PRO 無印版から進化した8BA+1DD

今回ご紹介するのはこちら
VXからBAを2基追加して帰ってきたVX PROです。
見た目に大きな変化はありませんが中身はだいぶグレードアップした様子。
特に1DDはカーボンナノチューブが使用されたものになっており、どういった変化を遂げたのか楽しみなイヤホンでした。
pinは変わらずqdc。ボディは軽量の金属筐体。シンプルながらも独自の形状。ノズルはボディから若干長めに伸びており
耳の穴にガッチリとハマる感覚があります。

音の第一印象はVXの面影を良い意味で感じさせない進化したサウンド。
低音には底力があり、中高音は見通しがよく解像度が高め。それでいて刺さらない。
正直言って無印は低音がちょっと力弱く、細めの中高音がそれを殊更強調してしまうのでイマイチに感じていたのですが
PROは別物と感じるくらい出来が良い。

低音はカーボンナノチューブ振動板のおかげか、締りがありますが重低音の存在感が全体の低音不足を感じさせません。
ミドルベースは全体でかなり後ろになり存在感は薄めですが量感は最低限アリ。
中音域はクッキリと音粒を感じ、主張感があるがまったく刺さりのない音。女性Voは勿論、ピアノやストリングス系の音も
華麗に響きます。金属筐体ということもあり軽やかさが強調されている印象。
徹底的に無駄を削ぎ落とした音というんでしょうか。普段愛用しているTRI I3 PROがこんもりした音に感じてしまう程に
見通しの良い、透き通った音です。
高音も中音と同じようなイメージですが主張感は並。鋭さがないのでこちらも不快感無し。

中高音の見通しの良さ、解像度の高さ、でもまったく不快な刺さりのないこのバランスは未体験でした。
低音好きな自分でもこのスッキリとした音はクセになる。
一応、イコライザで低音域を盛ってみるとしっかりとミドルベースも持ち上がります。
ライブ音源を聴く時はI3 PROに軍配が上がりますが、スタジオ音源は正直VX PROの方が音を聴き取りやすく楽しいかもしれない。
唯一弱点を上げるとすれば、クッキリしすぎて苦手な人もいそうな点。
1DD構成等の全体的な太さのあるサウンドに比べると聴き疲れしやすいイヤホンかも。

イヤホンのメイン機は1本に絞りたいタイプなのですが、I3 PROとVX PROは同じくらい気に入ってしまったので困りました。
耳は2個しかないのに。


総評
オススメな人:スッキリと見通しの良い中高音が好きな方、低音はソリッドに、でも重低音にある程度量感が欲しい方。
個人的好み度:10点満点中/10点(ウォーム系最高!音には太さがなきゃダメ!という好みを捻じ曲げられた 今までで一番強烈な印象を受けたイヤホンになりました)
完成度:10点満点中/10点(1万以下でこの出来は破格だと思います)