MYER-AUDIO SLIIVO SLA3 1DD+3BAハイブリッドイヤホン

今回ご紹介するのはコチラ。(アリエクMYER-AUDIOリンク
MYER-AUDIOレビュー第二弾。前回紹介したSLT6は少し上の価格帯でしたがSLA3は
10mmバイオダイアフラムDDと2基のKnowlesBA+カスタムBA1基搭載で1万円半ばのイヤホン。



0.78 2pin端子で、そこそこ深めの凹があるタイプ。
厚みこそちょっとあるけど結構コンパクトな筐体。
水面のようなゆらめきのある模様に宝石のような色合いがとても映。
表面は厚めの樹脂でコーティングされています。
ベントはブランド特有の大きめなタイプがpin側に1個のみ。
ノズルは標準的な長さか若干短め? 根本の盛り上がりが僅かにクネっており、ほとんど凹凸の無い滑らかな
構造でも装着感は安定します。




音質としては濃厚で柔らかめの低音と分離感の高いドンシャリ。そう。Sound Rhyme SR5に近い印象です。

サブベースよりはキックの辺りが結構盛られていて、ミドルベース自体はそこそこ。
低音は全体的に柔らかく、全体を包み込むボリューム感。
中高音は強めの低音域に負けずVoもあまり凹まずしっかり聴こえ、電子音楽のキラキラ感やドラムの金属系もしっかり煌めきがある。
ギターが結構太めになる傾向があるけど、分離感が優れているので気持ち良い。
男性Voや低めの女性Voとは相性が良く、熱量高め。
高めのVoも美味しく伸ばしてくれます。
ドラムのスネアがちょっと太く丸く聴こえる傾向はあるが、そこまでウォームなバランスではない。

SR5に近いと思ったのは全体的に元気なドンシャリサウンドなのに刺さりがまったくなく、
それでいて分離感に優れたバランスの良さ。
KZ系のギラギラとしたやりたい放題のドンシャリとは違う、スマートなドンシャリ。
装着感がかなりガッチリとしたSR5に比べてSLA3はコンパクトで人を選ばないし、ステージも奥行きが広く感じた。
SR5の方がBAが多い分中高音の広がりや余裕はある。
凹深めではなくフラットな端子だったらBTモジュールにも使いやすくて良かったとは思う。
後はSR5がかなり音量の取れやすいイヤホンなのに対してSLA3は逆に取りにくい。

最も推せるのはアリエクセールで11kくらいで手に入る割と手頃な価格。
1万前後でオススメの寒色系は長い事TRN VX Proが君臨してるんですが低音強めのバランスが好きなら
今はこのSLA3がオススメです。
装着感が多少クセあっても音量取りやすくてフラット端子の方が良いぜ!というならSR5。
こちらもうまくセールを使えば1万半ばで手に入る今かなりオススメのヤツ。

MYER-AUDIO第三弾はCKLVX D41を予定していますが、少し間に別イヤホンを挟むと思います。
無事沼。


総評
個人的好み度:10点満点中/9点(凹)
完成度:10点満点中/10 

MYER-AUDIO SLIIVO SLT6 6BA搭載のフルBAイヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。(アリエクMYER-AUDIOリンク
MYER-AUDIOというHiFiGoでも取り扱いのあるブランドからリリースされているKnowlesとSonionのBAを累計6基搭載した
フルBAイヤホン。SLT6。
Dunu sa6 mk2という定価9万円ほどのイヤホンがあるのですが、それに近い音質を持ちながら価格は抑えられてるという噂。
個人的にフルBAイヤホンはBraveryをはじめ圧倒的な解像度を感じる一方、どうしても低音の迫力がDD搭載機に比べてイマイチとなっていたんですが
SLT6はスイッチで低音・高音を調整できる。かつそもそもの低音量が結構多めというグラフと評価を見て手を出しました。
先に結論だけ書いておくとBraveryで物足りなかった点が満たされた上で、全体的に今までのフルBA機で1番好み。



しっかりと凹のある0.78 2pin端子。
透明感の高いスモークグレーの樹脂筐体に、木製の分厚いフェイスプレート。木目の個体差アリ。
私のは節目か何かが入り込んでていかにも「木」という感じが強調されててラッキー。
アリエクだと、購入前にショップに直接交渉することでFPカスタマイズもしてくれるそうです。その場合は保証が無いようですが。。。
何かあったら困るし木目自体は好きだからとカスタム無しにしましたが既に大満足。


筐体自体は若干大きめ。凹凸の激しい構造で薄い部分と厚い部分の差がすごい。
ノズルは少し短く、根本が太い。私の耳には遮音性が非常に強く感じるくらいジャストフィット。
フェイスプレートが厚めなのとガッチリと耳を塞ぐ装着感で耳栓のよう。
レジン充填ではないので本体は軽く、2,3時間でも疲れはなく快適に使える。
もう少しノズルが長かったら装着のたびにギュッポギュッポと加圧を感じていたかもしれない。

ベントはpin側にブランド独自のX型の蓋がついたものが1個のみ。
音量を相当上げたらここから少し漏れる程度。常識的な範囲であればほぼ漏れません。
かつ漏れる方向が方向なので静かな空間で大音量で聴いてたら真横にいる人にちょっと聴こえるくらいのレベルかと。
低音用と高音用のスイッチがあり、1が低音モリ、2が高音モリ。
今回のレビューはどちらもオフのスタンダードがメインです。スイッチをいじらずともこれでいいかなという音質だったので。

音質としては非常に解像度の高い、超分析的な側面を持ったドンシャリ。
サブベースからその辺のDDに全く劣らない重さがあり、ミドルベースもキックもどっしりとしたボリューム感。
それでいてフルBAということもあり余韻というか熱量は少ない。非常にソリッド寄り。
バスドラム等はしっかりDDに負けない力強さがあるけど、タム系だとDDが「ドゥンッ」と柔らかく響くのに対し
「ドンッ」といささか硬さは感じる。
この豊かな低音域は男性Voや低めの女性Voも艶を感じる程度に熱量があり、かつ息遣いまでしっかり聴き取れるくらい鮮明。
今までのBA機ではどうしても装着感の深さやリケーブルを試しても満足できなかった部分が、スイッチオフの状態で満たされてしまった。

中高音域はギター、コーラス、ドラムの金属系、全てが細かく鮮明に聴こえる。
よくある「今まで聴こえない音が聴こえる」というのは大抵「鳴ってたけど目立たなくて意識向いてないだけ」だと思うんですが
SLT6はどんな細かい音も拾わせる感じ。
ギターのカッティングの音や弦と指が擦れる音、観客の声、電子音楽の様々な効果音。全てが前に出てくるような圧力すらある。
それでいてスイッチオフの状態では刺さるような刺激もない。
音数の多い電子楽曲だとヴォーカルが他に飲まれてちょっと凹む傾向はある。
ただヴォーカルが他に負けないよう強調されるとサ行の不快な刺さりにつながりやすいのでこのあたりはしょうがないかも。
分離感は全体的に非常に優れている。
特にコーラスが気持ち悪いくらいパート別に聴き取りやすい。

低音スイッチをいれるとミドルベースはそこまでだけど、サブベースやキックに余韻が出てくる。でも少しわざとらしいというか
誇張しすぎな勢いはある。ヴォーカルがより飲まれてしまうと思うのでシンプルな楽曲ならまだアリ。

両方オンだと何故か全体的にDDっぽいダイナミック感。さっきまでの明瞭感が少し丸くなります。強調されてるはずなのに。
どちらも強くなることで何かが相殺されている・・・。

高音スイッチオンは両方オフのスタンダードのバランスを1番崩さず、ナチュラルに高音域を少し前に出してくる。
ヴォーカルも女性Voが少し前に出てくれます。
ただしクラップ音等の元からカリッとした響きのある音はやはりちょっと小煩くなってしまう部分も。

最終的には両方オフが1番。

アリエクのレビューの中で仕上がりに難点がある(接着剤がはみ出てた)みたいなのもあったけど、
私の場合はスイッチが一部やたらと固い点と、スイッチの溝に接着剤らしきゴミが付着してました。
中華イヤホンに慣れてればよくあることとスルーできますが数万するイヤホンでもなってると少し残念な気持ち。
万が一不良があってもMYER-AUDIOはそのあたりも信頼はありそうですし、SLT6以外にも比較的安価で好評を得ている
イヤホンがあるので、またレビューしたいと思います。
というより既にSLA3というハイブリッドを購入しています。D41も配送待ちです。

ZiiGaatの次はこのブランドにしばらくハマってしまいそう。


総評
個人的好み度:10点満点中/11点(ドンシャリに明瞭感を求めるならこれ)
完成度:10点満点中/9点(構成の割に安価で見た目もよいが、上記の通りスイッチ周りの仕上がりがちょっと) 

SOUNDPEATS Air5 Pro 原点回帰なモリモリサウンド

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク
SOUNDPEATSより本日21日にリリースされた最新スティック型TWS。Air5 Pro。【PR】
ナンバリングでいえばAir4 Proから約1年半振りのリリース。

いつもの公式アプリ

主なスペックとしては
・Qualcomm QCC3091チップを搭載
・aptX Lossless、LDAC LC3対応
・Snapdragon Sound対応
・LE Audio対応
・-55dB AI適応型ノイズキャンセリング
・マルチポイント接続対応、ゲームモード搭載

もはやLDACかaptX LLは両対応が割と当たり前になってきましたね。
ブランドとしては最上位クラスでも通常価格が4桁で収まっていて、初回セール&クーポンを活用で更にお得。今回も公式よりいただいてますのでぜひご利用ください。
【10%OFFクーポンコード:SPA5PN3PR29】

再生時間はAAC接続の通常モードで公称7.5時間。
LDACの最高音質モードでおおよそ半分程度の再生時間と考えると標準的でしょうか。


本体はツヤツヤで指紋が目立ちやすい

ケースはマットなつや消し仕様。サラサラすべすべで指紋が目立たない。
上3分の1あたりから開く機構から最近はこの深い角度で斜めにガバッと開くタイプになりましたね。
こちらのほうが安定感があって良い感じ。スティック型でも取り出しやすい。

本体の形状としてはノズルが楕円形。Air4 ProやCapsule3 pro+に比べると
ベントが少ないです。内側に大きめのものがありますが耳穴でほぼ塞がる。
おかげで音漏れはほとんどなく、かつ密着性が高い。
天頂部に大きめのベントがあった過去シリーズに比べてこのあたりは大きな違い。



今回は主にiPhoneとJM21でのレビューになります。

音質としては密閉感高めの低音モリウォームサウンド。
搭載されているのは10mmのPU+PEEK振動版採用のDD。
前述したベントの少なさの影響か、ノイキャンオフでも結構しっかりと遮音性があり、それに応じて低音も
狭めの空間に充満した雰囲気。上下には狭いが奥行きはある。
サブベースは地響きのようにヴンヴン響くし、ミドルベースもグイグイと前に出てくる。
全体を包み込むような強い低音は昔のシリーズを思い出します。
ウォームな雰囲気だけども分離感は高く、解像度も悪くはない。
音数の多い楽曲が団子になるような雑さはないです。
中高音はたまに音が薄っぺらく感じる傾向アリ。
丸くこもるわけではないので聴き取りにくいことはないが、iPhoneのAAC接続だとちょっと粗い。

一方LDAC接続だと本領を発揮する。
上下に音の余裕が出来、低音の広さに解像度が加わって気持ちいいサウンド。
中高音も大分分離感が上がり、強い低音に負けていない主張。
ただLDACでも金管楽器等は粗さ気になった。低音の強さに負けないようなチューニングの結果
少し粗さが残ってしまった印象。
直近のシリーズが比較的バランスを取ったチューニングだったので忘れてしまいますが
SOUNDPEATSは本来こういう低音重視な音作りだった。

個人的にはオープンイヤーTWSに搭載されていたダイナミックEQのような、低音も強いけど中高音も
太く、強く主張するようなバランスがカナルタイプでも実現したら最強だと思います。

Air5 ProはANCが強化されている分、単純なリスニング以外でも作業用として優秀。
コーデックも幅広く対応し、現状の欲張り性能を詰め込んだ仕様で1万以下なら性能的にはコスパは良い。
ただし音全体のバランスが取れたチューニングを求めてる人なら音質を取るか、性能を取るかで選択肢はまた別にある。

最近のチューニングより一世代前の、ゴリゴリ低音サウンドが愛おしかった人にはオススメ。

Yanyin Canon Pro 1DD+6BA搭載のグレードアップ版

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク)(Linsoulリンク
2年程前にレビューしたCanonというイヤホンがCanonⅡをいう次期種を経て更にグレードアップしたバージョン、Canon Pro【PR】
1DD+4BAだったCanonからとりあえずBAは2つ増えましたが、どれ程の進化を遂げたのか。
ちなみにⅡは未所持なのであくまで初代Canonとの比較となります。



本体は樹脂製で、シンプルながら耳に収まりの良いタイプ。初代はかなり食い込むような形状で、ノズルも長いので
ガッチリとした装着感でしたがProは最近のZiiGaat系列に非常に近い、程よくガッチリ系になりました。
試しに比べてみると本当に似てる。 ノズルと根本が少し太めですがそれ以外は樹脂の強い光を当てると若干透ける雰囲気までそっくり。
初代はいつもよりワンサイズ下のイヤピを使っていましたがProはいつもどおりで丁度よい。
ノズルは真ん中に返しのあるタイプ。角笛のような少し緩めのイヤピだとすぐズレてしまうんですが基本問題なし。
ベントは天頂部に大きめのものが一箇所。 金属メッシュになっているので初代より丈夫そう。
初代のはパット見で左右の区別がつくデザインになっていたけどProでは銀色のシンプルな色味。音漏れは大きめの音量でもほとんど気にならないレベル。



FPは初代のように個体差のあるようなデザインではなさそう。
ネットの製品画像だと地味な色味に見えるかもしれませんが3色に散りばめられた細かいラメと、粗めの銀色のラメが3つのコーナーにアクセント。
群青、橙色、ピンクがかった赤がとても良いグラデーション。
ブランドロゴとCanonという刻印はシリーズ統一みたいですね。


搭載ドライバについては1DDがバイオロジカル系の振動板から液体シリコンエッジ&LCPドームという2つの素材を合わせたものに。
BAはブランド物なのか詳細不明ですが2基増えています。
スイッチが3つあった初代に対しProは2つ。
どちらも低音調整用とのことですが結局トータルバランスは変わるのでそのあたりお楽しみ。
ちなみに箱開け時点では1番スイッチがオンの「イコライザーモード」と称されるものでした。

スイッチ0-0での印象は「あくまでCanonのバランスを崩さずに解像度、分離感を上げたキレイめなグレードアップドンシャリ」
グイグイとミドルベースが迫ってくるわけではないがサブベースを含めて濃さ、重さがある。サブベースに関しては随分下から地響き的な重さが。
バスドラもベースラインもゴリゴリときた初代と同じような気持ちいい低音。そこから解像度がかなり高くなった。
引き締まっているのでだらしのない余韻がなく、かといってソリッドで物足りないということは無い重み。そこに解像度が加わっているので
0-0の時点で相当気持ちいい。
中高音域はBAが2基追加されたことで多少は余裕出るのかな?と思ってましたが相当質感が上がりました。
初代では空間的な狭さや、男性Voの凹みが気になっていたけど全く凹まずきれいに前に出てくる。空間も上下と奥行きにだいぶ余裕が出たように感じる。
女性Voは刺さる直前くらいまでグンと伸びてくれるし、寒色にも暖色にも寄らず程よく艶がある。
唯一初代で平凡な印象だった解像度も結構高めな印象。
金管楽器もパンチがありながら刺さらず気持ちの良い刺激感。
ギターのカッティングやシンセサイザーの音も分離感が良く力強い。
ピアノだけはたまに少し大げさな響きを感じた。
ドラムの金属系はそこまで前に出てこないが細やかさは十分。
主張の強い中音域に飲まれずこちらもしっかりと分離されています。

1-0だと低音域全体がめっちゃ盛られます。かなり変わる。
ダンスミュージックだと常に唸ってうねっている。中音域も負けじと力強さこそありますが
流石に全体的には箱鳴り感というか、低音に包みこまれるような感覚。
それでも分離感が失われていないのは流石のチューニング。
EQとは異なり電子クロスオーバーでの調整は音の歪を生じさせない。 らしい。
低音好きなら間違いなく1-0。Mega5+bassのような酔ってしまいそうな低音まではいかず、低音好きのための限界を責めた量感。

1-1はポップモード、低音強調と紹介はされてますが1-0よりも中高音域を若干下げた感じに聴こえる。
凹ませたというより丸みを持たせたような。
低音の量感も増してはいるけど1-0に比べるとちょっと盛りすぎ感。
1-0では保っていた中音域の力強さが弱く感じる。

0-1はなぜか製品ページだと紹介されていないけど、ミドルベース周辺を盛った印象。
紹介されてないだけあるというか、ちょっと単純にバランスが悪い。
Proで1番良くなったと感じた中音域をマスクして、1-1のような低音モリモリモリバランスでもなくベースの真ん中だけやたらと膨らんだ感じ。

個人的には0-0でCanonらしく使うか、1-0でパワーCanonとして使うかの二択。
初代は高音域スイッチだけ上げて使うの一択でしたがProは低音を盛ってもなお中音域の力強さが素晴らしい。
お値段こそお高めですが初代が気に入った人ならまず間違いなくハマれる。
手持ちで比べるとCanon Proよりド派手なヤツも解像度が高いヤツもいるけど見た目含めてCanon ProはCanonでしか得られない謎の栄養を高めたグレードアップ版。
Canonを知らないけど興味があるという人には試聴の機会が無いと難しい価格帯ですが、低音、ドンシャリ好きなら一度は経験してほしいイヤホンでした。


個人的好み度:10点満点中/10点
完成度:10点満点中/10点

SOUNDPEATS UU イヤーカフの姉妹型

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク)
昨年末頃にレビューしたSOUNDPEATS初のイヤーカフ型ワイヤレスイヤホン、CCの姉妹型。UU【PR】
いくらなんでもリリース早すぎない?と思った方。 今作は進化版とかではなく細かな仕様が異なる姉妹型です。
公式よりクーポンを発行していただきましたので、ぜひご利用ください。クーポンコード【SPUUZW63

見た目の時点でも案外違いは多いですが、まずはスペックをおおまかに比較して異なる点を。

・タッチセンサーではなく物理ボタン
・DD口径は12mmから10.8mm
・バッテリー駆動時間が8時間に増加
・本体重量が0.3g軽量化



個人的にも目玉だと思ったのは物理ボタンになったこと。
イヤーカフ型はどうしてもサイズが小さく、装着時に本体をベタベタ触ることになります。
タッチセンサーだと誤作動が多くなりがちだったのが物理ボタンで一気に解消。
スイッチもカチカチと押しやすく、強く押さないと反応しないというタイプではない。
ドライバサイズの変更もあって僅かですが軽量化したこと、ほぼ対称的な造形をしていたCCに比べると
UUはリモコン部とスピーカー部が非対称で重量バランスが変わったことで装着感も上昇した気がする。
リモコン部が耳裏での収まりが良いです。

デザイン的には好みの範疇ですが個人的にはCCの方がスマートではあったものの、
UUの方が快適性は上に感じました。
最も推せるポイントは「スピーカー開口部が少し広い」点。
半円を描くような配置だったCCに比べUUは耳穴に向かって花のような模様でまっすぐ配置されていることで
装着感が多少ずれても音の迫力が失われにくい。

例によって装着感としてモデルのようにリング部分が地面と水平になるような装着だとスピーカー部が大分耳穴からズレてしまうのですが、
低音の圧が程々に抜けるので使い方や状況によってはコチラのほうが周りの音が聴き取りやすく便利。
ピアスのように大分下向きの位置に付けたときの低音量はイントラコンカ型に近いほどでした。

まず、専用アプリでダイナミックEQをオンにすることをオススメします。
Breezyの頃から出会ったこのイコライザですが非常に迫力が増すので「やっぱオープンタイプは音が軽い」と思う人は絶対導入したほうが良い。
ラジオ等音声を聴き流したいだけならまだしも、映像や音楽に使用するなら迫力を出すに越したことはない。

下手なイントラコンカ型よりも低音はしっかりと聴こえるくらいに盛られます。
中音域はEQの有無にかかわらず非常に聴き取りやすい。 CCに比べドライバサイズが小さくなった影響か少しコンパクトな鳴り。
主張の強さが若干軽減したように感じられました。金管楽器等は相変わらず強く響くこともありますが。
高音域に関してはスピーカーの開口部が広くなった影響だと思うのですが、イヤーカフ型だという特性を抜いても
広く響くようになりました。
個人的にはモデルのように地面と水平になるような位置に拘るのであればUUの方が音は好み。
ピアスのように耳穴までスピーカー部を持っていくならCCの方が若干低音寄りなバランスで使いやすい。

ただ物理スイッチや装着感を考えると日常使いしやすいのはUU。
イヤーカフ型なので多かれ少なかれ多少音は漏れるんですが、音漏れが多いのもUU。開口部が大きく広いので当然といえば当然。
姉妹機でお値段はほぼ変わりませんし、使い方で選んで良いと思います。
音漏れは少ないほうが良いならCC。
多少音漏れ多くても物理スイッチで動作する、再生時間も多めが良いならUU。
どちらも構造上周囲の音を聞き取りやすく、それでいて音楽もそれなりに楽しめる代物。

メガネやマスクがひっかかるので耳掛け式等は使いにくい!という人には是非イヤーカフ型を試してほしいです。
激しい運動じゃなければポロリとかもしないので、そのあたりが心配な方も安心できる程度にはしっかりした装着感。
ただレビュー中、PC周辺で使ってたんですが時折ブツっと接続が不安定なのが一点気になった。
CC含め最近のbluetoothオーディオでこういうことはなかったので個体差?だと良いんですが。
現在amazon公式セールもあるのでこの機会に是非。


TANGZU Wan'er S.G Studio Edition ナチュラル系1DDのアップデート版

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク
私のブログでは2年ほど前に紹介したWan'er S.Gのアップデート版。Studio Edition(以下SE)
1DDという構成は変わらず、カラーリングデザインをはじめ細かく更新された感じ。



qdc端子は変わらず、軽量な全樹脂筐体。
ブラックとホワイトカラーがあり、私のは福袋で購入したらRがブラック、Lがホワイトのタイプでした。
通常はどちらか一色です。
どちらも大理石のようなキラキラした模様のあるデザインが基本になっており、高級感がある。
無印と同じくベントはDD上とその横に並んで1箇所の合計2箇所。
ノズルも角度や根本は同じような加工ですが金属ノズル部分が変更されています。
短く、返しが上位モデルでたまに見かける斜めに伸びたタイプ。
個人的には元のノズルのほうがしっかりめの装着感でした。特別悪いことはないけどイヤピによっては抜けやすい。

音質としてはニュートラルでクリア。解像度がより無印より上がった印象。
同じ10mmサイズのDDですが振動板がより軽く高剛性にアップデートされているらしいです。
ノズルが少し短くなったことも影響してる気はしますが、サブベースや低音は無印に比べ少し軽くなった。
ミドルベースから中音域にかけての妙にしっかりとしたトルク感が良い意味でフラット気味に。

中高音域はSEで更に解像度が上がり、音が少し華やいだ。
1DDなのでハイブリッド系のような強い感じではなく、透明感の高い優しい感じ。
金管楽器やドラムの金属は一定以上の音域がカットされたような天井の低さこそ感じるが軽やかで
分離感が高く聴き取りやすい。

ご時世的に無印がamazonで3000くらいだったのが今では4000近くなり、SEは4500程度。
セールでそこそこ落ちますがここ2年で低価格帯はより激戦区というか、選択肢が増え続けているので
デザインが秀逸で推せるものの音質的にはマイナーアップデートのような仕上がりのSEは若干厳しい印象。
ナチュラルな傾向で、中高音は少し明るめに聴こえるほうが良いという人にはそれなりにオススメ。


個人的好み度:10点満点中/7点
完成度:10点満点中/9点

KZ PRX 平面駆動搭載のPRシリーズ最新作

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク
KZのPRシリーズ最新モデル、PRX。
1年近く前にPR3を低価格平面駆動イヤホンとしてレビューしていました。
KZにしては合間をあけてリリースされましたね。



qdc端子で、基本的な構成は変わらず。
透明な樹脂筐体に、亜鉛合金の開放的なフェイスプレート。
PRXは真ん中に青いラインでY字があり、3方向に縦長のメッシュがデザインされています。
PRシリーズの特徴である大型の平面駆動ドライバは今作も同じ。
細かくブラッシュアップされているようですが、サイズ感は13.2mmから変わってなさそう?
商品ページや箱に記載はなさそうでした。凄く緑色。
頭頂部もかなり開放的なメッシュデザインになっているので音漏れが心配されますが、見た目ほどではありません。
程々の音量であればレジン充填無しの樹脂筐体イヤホンと同様くらいの漏れレベルです。

角度によっては渋さのある色味

装着感は変わらず良好。
なだらかで凹凸のない軽量ボディ。
ノズルは標準的な長さと角度。気持ち厚みのあるボディですがそこまではみ出ません。

先に書いておきますがこのシリーズに関しては未だに日amazonとアリエク等のサイトではかなりの価格差があります。
音質的には相当おすすめできるイヤホンですが、抵抗がなければ半分かそれ以下の金額で買えるのでアリエクをおすすめします。

音質としてはPR3よりも更に低音域の質が向上したドンシャリ。
サブベースからミドルベースまでどっしりとしたKZらしいエグい深さのある音。
開放的な機構のおかげで濃さと柔らかさが強いのに他を阻害するような圧迫感は少ない。
大型DDを搭載しているイヤホンと比べても全く遜色のない重み。
ダンス系の音楽は勿論、ロックポップス、メタルでも楽曲の重みをしっかり感じさせてくれます。
サブウーファー付きのスピーカーじゃないと低音物足りない!なんて人でも満足出来るんじゃないでしょうか。

中高音域はPR3から大きく変化し、刺激感のあるカリカリさは感じない。
解像度の高さを維持したままもう少しウォームな雰囲気に寄りました。
低音に飲まれていると言うよりドライバの特性として全体的な雰囲気が柔らかく、カリカリ感を除去した感じ。
とはいえ音がぼやけたという印象はなく、アコギやピアノの煌めきもかなり気持ちよく聴ける。
女性Voも男性Voも低めのほうが艶があって気持ちいいが高めのVoもそこそこ伸びる。
ドライだったPR3に比べると本当に艶が増えました。全く聴き疲れしない。
ドラムの金属類やホーン楽器は少し大人しくなりました。
KZらしいギラっとしたパンチを求めている人だと少し物足りないかもしれないが、個人的にはアリ。
ちょっと距離感を感じるときもあるが解像度の高さがそれをカバー出来てると思います。

いけないと思いつつも音量を上げて聴くと気持ちいい開放型系の音質。
ヘッドホンの開放型だと慣れるまで「なんか音軽くない?」となるんですが
PRXは開放感と音の密度を絶妙に仕上げた印象。
ジャズクラやピアノソロを聴くには多少低音域が暴れん坊ですがそれ以外なら全部良い。
ゲーム・動画視聴にも低音の重さと中音域の聞き取りやすさが活きます。
PRシリーズに触れたことがある人は勿論、KZらしい低音の重さと平面駆動らしい中音域の解像度の高さは
開放的なデザインさえ問題なければ誰にでもオススメできる。
日本amazonでもアリエクレベルとはいかないまでも5000円程度になってくれればもっとオススメしやすいのですが。



個人的好み度:10点満点中/9.5点
完成度:10点満点中/11点