ZiiGaat LUSH ブランド内の中間価格となるハイブリッドイヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Linsoul公式リンク)(Amazon公式リンク))
ZiiGaatのDoscincoを始め定番の筐体をモデルにしたハイブリッドイヤホンの新作。LUSH【PR】
同時に発売されたArcanisとあわせてもうシリーズ8代目?くらいでしょうか。
ZiiGaatは元々、低価格帯のnuoからはじまり1万円台のCinno。そこから3万~4万円代のイヤホンを
継続的にリリースしており、nuoは良かったけどそこから上位機種まで価格差がある状態でした。

このタイミングでリリースされたLUSHは1DD+4BAと比較的スタンダードな構成ですが、主にBAを独自のものに
することで費用を抑え、2万円台になりました。


落ち着きのシルバーと淡いブルー

筐体はほぼ同形状。0.78 2pin端子。真っ黒な樹脂筐体で、FPはシルバー調オンリーのものと、今回のブルーが混ざったもの二種類。
シルバーの落ち着きも良いですがやはり2色混ざっている方が綺麗ですね。
ベントがArcadiaの頃から黒いメッシュではなく、シルバーのメッシュに変更されたようです。小綺麗になりました。
相変わらずの程よく深い装着感で、イヤーピースは普段よりワンサイズ小さめを推奨。

音質としては【ZiiGaatとしては】落ち着きのあるドンシャリ。
1DDは10mmのPET振動板。ESTRELLAに搭載されていた2DDのうち1つを流用したのでしょうか。
サブベースは量感こそ控えめだが確かに地の底から深く響いている。曲によっては殆ど目立ちませんが
ダンスミュージック等を聴けば「いる・・・!」となります。キックの辺りは結構目立ってくる。
ミドルベースもそこまで強い量感ではありませんが、LUSHの中では一番目立つ音域。
ボワつきは少なく、どっしりと全体を支えてくれるような存在感。解像度は並。

中高音は上位機種に比べると全体的に落ち着いた印象が強く、一聴すると物足りなさを覚えたが
解像度は結構高め。ベントのメッシュが変わった影響もあるのか程よく音抜けがあり、空間に余裕がある響き。
刺さるような刺激は一切ないが、金属系の音は分離感良くしっかり聴き取れる。
ギターに関しては低音の影響を受け骨太な鳴り。キレの良さは然程でもないが分離感が良いのでそこそこに気持ちいい。
突出してると感じたのはヴォーカル。伸びは並だが艶が強く、男性Voや低めの女性Voとの相性が良い。

全体として落ち着きがありながら確かにZiiGaatらしい強さも残したバランス。
評判良いけどどれを試せば良いかわからない、中間地点で試させてほしいという人には確かにオススメ出来ます。
勿論一気に上位機種に行くのもよし。レビュー自体は相当数出てると思うので、とにかくハッキリした強さがほしいとか、
バランスを重視したいとか、目的に応じて選べるバリエーションと、どれでも満足しやすい高評価を得てるブランドなので。

個人的にLUSHは外使いやワイヤレスモジュールで遊びたいけど上位機種の値段は持ち出すのちょっとなぁという人にも良いなと思いました。
SR5に比べると低音が控えめで装着感も万人向け。金属系の音が前に出てきます。


総評
個人的好み度:10点満点中/8点
完成度:10点満点中/10点

CVJ ARIA ノズル交換機構搭載 1DD金属筐体イヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク
CVJより昨年から発売されている金属筐体のイヤホン。ARIA。
去年良くも悪くも一番話題になった(?)イヤホンかもしれません。
night elfをはじめ「痛イヤホン」をいくつかリリースしているCVJですが、このARIAはデザインの問題を経た後
一旦はこの植物をモチーフにしたシンプルなデザインに。
今年になってから改めて痛デザイン版もリリースされています。
先日のアリエクセールで相当安くなっていたことと、音質はイベントで試聴機を試した方々から根強い好評があったので買ってみました。



僅かに凹のある0.78 2pin端子。
航空機グレードのアルミ合金のみで作られており非常に軽量。表面もマットな質感で指紋等は全く気になりません。
1DDらしく、比較的薄めの筐体で凹凸もしっかりあるタイプ。装着感は非常に良いですがノズルが結構斜めに伸びているので
少し耳に食い込むような感覚はある。
ベントが珍しいタイプで、DDの真上に3つ並んだ大きめのベントに加えてイヤホンの天頂部にも同じような3つ並んだベントが。
音漏れに関しては少しあります。が真上のベントからなのでバカでかい音量にしない限りは問題ない範囲。

ARIAにはなんとノズル交換機構付き。
色で分けられていますが本体と同色のものが標準。他金色と銀色があります。
標準ノズルには内部に筒状のスポンジが入っています。フィルターとかじゃなくてもう筒。
金色はスポンジがないけどうっすいフィルターが付いたタイプ(標準にも付いてる)。銀色は何もなし。
結論からいうと標準ノズルからスポンジを抜いたものか(=金)、最初から何も入っていない銀色ノズルがオススメ。



標準ノズルで聴いた印象は「ちょっとモサっとした感じあるけどなかなかの完成度」という状態でした。
少し籠もった低音域が印象的で、中高音はその低音域の影響か伸びが悪く、それでも金属筐体と多くのベントによる
独特の空間の広さが多少ある音。


こんなのが入ってます
銀色ノズルも良いけど色味的に標準でそのまま使いたいと思ったのでこのスポンジを抜いて聴いてみると。。。
クッキリとした寒色系のドンシャリサウンドが。
サブベースは並ですが存在感はしっかり感じる。ミドルベースはそこそこの量感。
スポンジが消えたことで量感こそ気持ち落ちますが抜けよく、一気にクリアな存在感になる。
最近低音が強いイヤホンばかり聴いていたのですがこれくらいの量感でも全然足りますね。

中高音は金属筐体らしい煌めきと、奥行きの強い分離感。合計6箇所のベントのおかげか
大きなホールで聴いてるような空間を感じます。
パンチがあるのに刺激的な部分は全く無いのが気持ちいい。
男性Voは気持ち凹む時があるけど女性Voは結構伸びてくれる。
電子音やギター、シンセ、金管楽器がどれも繊細なのに勢いがあって楽しく聴けるイヤホン。特に電子音の粒立ちは強い。
1DDでも詰めればここまでシンプルかつ華やかにチューニング出来るんだなと関心しました。
1万前後の金属筐体としてはVX Proに勝るとも劣らない完成度だと思います。
痛デザインが気になった人は勿論、金属筐体のイヤホンで五千円前後から上のクラス聴いてみたいという人には間違いないと思います。

ここまで完成度が高いだけに、最初のデザインとその後の対応で味噌がついたのが本当に勿体ない。



総評
個人的好み度:10点満点中/9点
完成度:10点満点中/10点


TANGZU Wan'er S.G II 更にアップグレードされた1DDイヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Linsoul公式)(Amazonリンク
昨年レビューしたStudio Editionが更に進化して帰ってきました。今度は純粋に数字が増えてⅡ。
Wan'er S.G IIです【PR】




相変わらず1DDを貫いてるあたり、潔さを感じるシリーズになってきました。
デザインは相変わらず中華モチーフなものですが、ブラックではフェイスプレートに龍。
黒地に金と白のデザインはかなりシック。地味にLR表記も入っています。
今回からはqdcから0.78 2pin端子になりました。
比較的安価なモデルに多いqdc。個人的にきらいじゃないけどフラットな0.78が1番間違いない感はある。

ノズルの部分は目立った変化なし。真ん中寄りに返しのある短めの金色ノズル。
ベントも内側にDD真上とその他に1箇所ずつ。
ただ、少しだけ筐体が全体的に丸く、厚くなりましたね。とても軽量な部類のままではありますが。

音質としては今までのシリーズで1番低音寄り。
元々ニュートラルで多少軽く感じるがとてもクリアな見通しの良さがゲーミング用途にもオススメな音でしたが
こちらはクリアさはそのままに低音の迫力が増した。
強いて言えば初代に1番雰囲気が近い気がします。
サブベースは並か少し弱めだがミドルベースにしっかりトルク感があって良い。
中高音のクリアさを全く阻害しない程度に力強くなりました。

1DDはPET振動板。振動板のアップグレードと再設計されたチャンバーの形状で音抜け向上という売り文句ですが
実際、低音の迫力が増しているのに中高音のクリアさは減っていないどころか空間的な余裕が出来ています。
筐体が少し厚くなったことも影響してそう。
SGシリーズはどこかを極端に盛らず、比較的フラットながら楽しく聞けるパンチは程よく残っているので
派手さはいらないという人には本当にオススメしやすい音。
解像度がめっちゃ高いとかではないが、分離感が程々に高く、1DDらしい自然な低中高のつながり。
装着感を含めて非常にストレスが少ないという感じ。
もし今までのシリーズで「これで2pinだったらなぁ!」と思っていた人にはお待ちかねの品ですね。
現在のamazonでは約五千円。
Studio Editionをレビューした際には他にも選択肢があるなぁという書き方をしましたが
これならフラット系が好みな方や、中華モチーフ好きに普通にオススメ出来ます。
後は付属品にアリエクでもそこそこのお値段、amazonだと二千円超えのイヤーピースであるTANGZU Sancaiが付いてるのも強いです。

総評
個人的好み度:10点満点中/8点
完成度:10点満点中/10点

MYER-AUDIO SLIIVO SLA3 1DD+3BAハイブリッドイヤホン

今回ご紹介するのはコチラ。(アリエクMYER-AUDIOリンク
MYER-AUDIOレビュー第二弾。前回紹介したSLT6は少し上の価格帯でしたがSLA3は
10mmバイオダイアフラムDDと2基のKnowlesBA+カスタムBA1基搭載で1万円半ばのイヤホン。



0.78 2pin端子で、そこそこ深めの凹があるタイプ。
厚みこそちょっとあるけど結構コンパクトな筐体。
水面のようなゆらめきのある模様に宝石のような色合いがとても映。
表面は厚めの樹脂でコーティングされています。
ベントはブランド特有の大きめなタイプがpin側に1個のみ。
ノズルは標準的な長さか若干短め? 根本の盛り上がりが僅かにクネっており、ほとんど凹凸の無い滑らかな
構造でも装着感は安定します。




音質としては濃厚で柔らかめの低音と分離感の高いドンシャリ。そう。Sound Rhyme SR5に近い印象です。

サブベースよりはキックの辺りが結構盛られていて、ミドルベース自体はそこそこ。
低音は全体的に柔らかく、全体を包み込むボリューム感。
中高音は強めの低音域に負けずVoもあまり凹まずしっかり聴こえ、電子音楽のキラキラ感やドラムの金属系もしっかり煌めきがある。
ギターが結構太めになる傾向があるけど、分離感が優れているので気持ち良い。
男性Voや低めの女性Voとは相性が良く、熱量高め。
高めのVoも美味しく伸ばしてくれます。
ドラムのスネアがちょっと太く丸く聴こえる傾向はあるが、そこまでウォームなバランスではない。

SR5に近いと思ったのは全体的に元気なドンシャリサウンドなのに刺さりがまったくなく、
それでいて分離感に優れたバランスの良さ。
KZ系のギラギラとしたやりたい放題のドンシャリとは違う、スマートなドンシャリ。
装着感がかなりガッチリとしたSR5に比べてSLA3はコンパクトで人を選ばないし、ステージも奥行きが広く感じた。
SR5の方がBAが多い分中高音の広がりや余裕はある。
凹深めではなくフラットな端子だったらBTモジュールにも使いやすくて良かったとは思う。
後はSR5がかなり音量の取れやすいイヤホンなのに対してSLA3は逆に取りにくい。

最も推せるのはアリエクセールで11kくらいで手に入る割と手頃な価格。
1万前後でオススメの寒色系は長い事TRN VX Proが君臨してるんですが低音強めのバランスが好きなら
今はこのSLA3がオススメです。
装着感が多少クセあっても音量取りやすくてフラット端子の方が良いぜ!というならSR5。
こちらもうまくセールを使えば1万半ばで手に入る今かなりオススメのヤツ。

MYER-AUDIO第三弾はCKLVX D41を予定していますが、少し間に別イヤホンを挟むと思います。
無事沼。


総評
個人的好み度:10点満点中/9点(凹)
完成度:10点満点中/10