SIMGOT EA2000 12mmDD+6mmパッシブラジエーターを搭載したハイパワーイヤホン

今回ご紹介するのはコチラ。

SIMGOTのEA500をレビューした際にちらっと触れていたモデル。EA2000。
EA500に流用されていた技術の大本というだけあり価格的にも上位ですが、それに見合うパワーのあるイヤホンです。


ケーブルはMMCX端子で、フェイスプレートのクリスタルガラスを除いてアルミ合金の金属ボディ。
EA500の元だけあり形状は非常に近く、独特な段差のあるタイプ。
クセがあるようで、装着感は非常に良い。ノズルにかなり角度が付いているせいか
耳道にしっかりとはまりこみ、少々重めの筐体にも関わらず長時間付けていても疲れを感じにくい。


端子横やノズルの根本にある段差にベントが配置されてますが、見て分かる通り非常に大きな穴があります。
こちらは6mmPR(パッシブラジエーター)の眼の前に配置されたものです。
付属ケーブルは上位モデルらしくプラグ側が交換できる機構付き。
12mmのDDはデュアル磁気回路・デュアルチャンバードライバーユニットを搭載。
EA500ではここが10mmでした。
私の場合順序がリリースと逆になってしまいましたが、EA500の時点で非常に完成度の高かった音が上位モデルではどうなってしまうのか。


音の第一印象としては非常に反応の良い,DDらしいスピード感のある音。
サブべースから低音域はPRの効果もあり全体的にしっかりと重みのある音。
大きなベントの効果も絶大で、重さがあるにも関わらず非常に抜けが良い。
金属筐体等の効果もあってか余計な余韻もない。
パッシブラジエーターのおかげでどれだけ濃ゆい感じになっているのかと思いきや、
一瞬でズドっと貫くような重さを出しつつ、すぐに引いていく速さも相まって
重く濃い低音なのにスッキリと聴けてしまう。

中高音含めて全体に共通してるんですがとにかく反応が良い。
広く濃い低音域だと他の音を食ってしまうとか、全体がモコっとした印象に近づく等のデメリットが発生しやすいですが
中高音のパンチもしっかりとあります。
男性Vo付近は比較的フラットですが相対的に気持ち凹んでるという程度で、曇りは感じない。
アコースティックギターやギターのカッティング、金管楽器の音はどれも硬質で煌めきがある。
分離感も高く見通しが良い。
強いて言えばしっかりと硬めな音なので刺さるまではいかないが刺激的な音を苦手とする人には微妙かも。

DD1発やDDがメインのイヤホンだと「スピーカーの目の前で聴いてるみたい」と思うような
音の迫力を感じるんですがEA2000はそれの極地的な音。
小さめのライブハウスで聞く音楽のような迫力と、空間を同時に感じることが出来る。
低音域はゴリゴリに重いし中高音のパンチ力は音量を上げすぎると耳にチクっとした刺激が出るくらいの硬さ。
初めて行ったライブハウスで感じたような「耳がびっくりしてる」感覚を味わえる。

何度も言うけど低音は濃い。でも総合的にはクール寄りの音でVo域に艶を求める人にはちょっと趣向がずれるかも。
個人的にはBAオンリーあるいはBA+DD等ハイブリッドの整ったパワーのあるイヤホンも良いが
EA2000は大口径のDDにしか出せない魅力の詰まった、価格に見合う完成度の高いイヤホンでした。
金管楽器やクラップ系の音が刺さるのは苦手だけどEA2000のは何故か許せる。。。
大きなベントから盛大に音漏れしてる分、刺激感が僅かに削れてるのかもしれない。

全体的にとにかくパワーのあるイヤホンが欲しい!と思ったらEA2000は有力候補。
個人的にMMCXというのだけ残念ですがTRI I3みたいに後から2pin版とかが出るのはレアケースだと思うので
そこは諦めました。
重めといってもMMCX端子を起点にクルクルするほどではないのでそこは安心です。

ちなみに、新しいモデルのEA1000がつい先日ツイッター(X)に流れてましたね。
EA2000の気持ち廉価版という感じに見えますが、フィルターギミックもあって面白そうな予感。
見た目が殆ど変わらないのもありますし、興味のある方は気になるレビューが出揃ってから選択で良いかもしれません。




オススメな人:巨大なスピーカーでぶん殴ってくるようなパワーのあるイヤホンが欲しい方
個人的好み度:10点満点中/10点(2pin端子だったら12点)
完成度:10点満点中/10点(付属品を簡略化して価格が落ちれば、もっと手にされやすいと感じる)

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