Kiwi ears Cadenza ベリリウム採用の1DDイヤホン

 

今回ご紹介するのはこちら。Kiwi Ears Cadenza。
Linsoulより販売された新ブランドの第一弾にあたるイヤホン。
0.78 2pin仕様。ツヤのある樹脂ボディは若干厚みこそありますが
全体的な大きさとしては気持ち小ぶり。ノズルは標準~若干短め。気持ち太め。
軽量なので耳への収まりの良さもあり装着感は良好。
ベントがpin側と内側に2箇所。遮音性は標準的。

背面のフェイスプレートはmeleで見たようなマーブル系の模様。
商品画像と私のを比べる限り柄が異なるので、ガチャ要素の一つっぽいです。
よくある黒地に柄が付いてるタイプだろうなーと思いきや、実はスケルトン地なんですよね。
全体は黒地の指紋が目立ちやすいツヤツヤボディなのに。
マーブル柄フェイスプレートで色がない場所は透けて見えるってバランスが面白くて良い。
光の加減でかなりモロに内部の10mmDDが見えます。

わかりやすく照らした様子

音質としては深く重いサブベースと
中高音の旨味を出しつつ不快感の出やすい音域はバッサリカットしたドンシャリ。

サブベースは相当深くまで出ますがボワつかず2.1chスピーカーのサブウーファーのような余裕のある鳴り方。
音場に結構奥行きがあり、遠くでしっかり全体を包み込むような広がりがあります。
サブベースが盛られていると圧が上がる分狭く感じやすいけど
1DDというシンプルな構成のおかげなのか、ベリリウムの効果か。
余裕のある広がりを感じる気持ちいい低音。
ミドルベースはサブベースに比べると控えめですが並以上に量感があります。

中高域は一聴すると1DDのドンシャリ構成に出がちな不快感を伴うピーク、刺さりがバッサリカットされていて
「なにか足りないぞ?」と混乱しかけました。その前にS12proを聴き込んでいたというギャップもあるんですが。
女性Voからホーン楽器まで、ギラギラした刺さりは一切ないのに
カリカリっとしたベリリウムらしい硬質さはしっかりと残しつつ伸びてきます。
ドラムの金物等は気持ち後方に位置しており控えめですが細やかさを感じます。
ギターのカッティング等はCadenzaと一番相性が良く聴こえました。
シャキっとした硬さと適度なパンチを保ちつつ、シャープな刺激音はスマートに抑え込んである。

この中高音を表現するのに「まろやか」とか「まったり」という言葉はイマイチ当てはまらない。
はじめに書いたように旨味を最大限引き出しつつピークは抑えるというより抜き取ってしまったような割り切ったチューニングだと思いました。
でも結果として尖ってないまとまりのあるバランスが成立している。。。 JcallyのEP-09もベリリウム仕様のDDを積んでいましたが硬質さは確かに共通のもの。
でもアレだけ苦しめられた体がビクッとなるような刺さりパンチは皆無。


BAを積んだイヤホンや平面駆動やピエゾ等、パンチの強い中高音や細やかな音を出せるユニットの組み合わせは
数あれど、1DDでここまで「中高音の気持ちいところだけ持ってきたぞ」と言わんばかりのチューニングは
中々秀逸なものだと感じました。

同じくらいの価格帯でいうとTRIPOWIN×HBB Meleがありますが、あちらはナチュラルな弱ドンシャリなのに対し
Cadenzaはそのナチュラルさをもう少し硬質マッチョにしたようなパワーがあります。
ハイブリッド系のギラギラ、精細さは聴いてて疲れる!でもあんまりナチュラルな音は
もうちょっと遊びが欲しい!という非常に我儘な耳を持ってる方がいたら是非Cadenzaを試して欲しい。

1DD系のイヤホンは刺さるか、反対にまろやか過ぎてイマイチという人でもCadenzaは違う印象を与える音だと思います。
奥行きのある力強い重低音とパンチがあるのに何故か優しい中高音。そして奥行きと分離感も高め。
ついつい音量を上げてしまう面白いサウンドです。


総評
オススメな人:1DDイヤホン好きな方、刺さりやすい音に悩んでるけど、ウォーム傾向ではないイヤホンが欲しかった方。
個人的好み度:10点満点中/9点
完成度:10点満点中/9点 潔いチューニングで楽しく、刺さり無く楽しめて良い。全体的に指紋がベタベタ目立つのが玉に瑕。

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