TRI-I3 PRO スリムになって帰ってきた名機のバージョンアップモデル

 

今回ご紹介するのは今年一番楽しみにしていたといってもいいTRI-I3のリニューアル版。
平面磁界駆動型DDを搭載した名機I3は人を選ぶ突出したボディの大きさを誇っていましたがPROはスリムになって帰ってきた!
構成は今までと同じく1DDと1BAを加えたトライブリッド。
中音域、高音域をより進化させたという謳い文句は果たしてどうなっているのか。

左がI3無印 右がPRO
まずは見た目から。
体積が26%減少というだけありパッと見ても全然違う大きさです。
ノズルのフィルターが今までと違い細かなメッシュ系のモデルに変更となっています。
0.78mm 2pin仕様。PROから2pinになったように思う人もいるでしょうが実は前から2pinモデルも存在していました。
私はMMCXで購入し一度手放した後、やっぱりあの音が良かったかなと買い直しを迷った際、2pinモデルを見て即決しました。


小さな点ですが無印はそれぞれプラグのメス側が青と赤の色付きで左右をわかりやすくしていましたがPROでは透明になっています。
個人的にはこれはそのままでいてほしかった。
ノズル自体も微妙に変更アリ。今までは艶無しの別素材に見えるものでしたが艶アリに。段差も真ん中ではなく先端に付きました。

基本的な形こそ変わってはいませんが大きさの差は装着感にも大きな影響を与えました。
無印では耳の穴にそっと置いてくるだけだったものがPROでは通常のイヤホンのように押し込んで安定させる感覚があります。

ここで問題が一点。ギチ ミチっと嫌な音がします。 頭頂部(プラグ側)に2つあったベントがPROでは4つに増えていますが、
それ以外にベントが無いためか、圧がかかってしまっているようです。
最近はあまり無かった感覚だけに「こういうのあったなー」と懐かしくなりましたがまさかI3で体験してしまうとは。
うまく装着しないとトンネルに入ったときのように音が変になります。
メインで使っているAZLA SednaEarfit Shortは圧がしっかりかかりすぎてしまうようなので
JVC Spairal Dotに交換したところ、穴の大きさと柔らかさで少しはマシです。
それでもしっかりと押し込むと音が変になってしまうので、この辺りは慣れが必要ですね。
無印では耳に押し込む必要がなかったのがPROでかなりコンパクトになったことで起きた弊害。
この問題は個人差レベルかなとは思いますが、少し残念でした。


音質について。先に言っておくと期待を裏切らない出来でした。

無印からステージの広さはわずかに狭くなった。圧は少し上がった。ざっくりいえばI3に迫力が加わりました。

低音が特に印象的で、無印では底を支えるような控えめベースだったのが圧を出して前に出てくるようになりました。
でも上ずったような支配的なものは無く、重低音をもう少し前に押し出したような印象。
ライブ映像等を見る時この低音がとても気持ちいい。ライブ会場にいるようなバァーンと広がるベースを味わえます。
中音域は繊細さをそのままにパンチが出ました。決して刺さることのない優しかった無印から刺さる手前までビシっと主張してきます。
スネアや男性Vo.にもう少し張りと伸びがほしいと思ってた人には良い変化。
高音域も少し量感がアップしてるように感じますが中音域の印象に引っ張られているだけかもしれません。
無印の時と同じ、しっかり鳴ってはいるが全体の半歩後ろにいる印象。
エージングは50時間程度ですが、おおよその実力は確認出来た気がします。

金属ボディのおかげで中高音の残響感が心地良い。無印の頃のヘッドホンのような音場の広さはわずかに狭くなったが圧と迫力が
加わったことで楽しく聴ける度が2割増しになりました。
装着感が難しくなったことだけは残念ですが、一度落ち着けば外さない限り安定です。
無印では大きさゆえ、押し込むことなんてしない(出来ない)で落ち着いてたのですが。
ただこればっかりは個人差だと思いますし、色々試そうと思います。
私の場合は一度ギュっと押し込んで音が変になった後、少し引っ張り出して圧を抜くとOKでした。



総評
オススメな人:I3に派手さが欲しかった方。 金属ボディの残響感が好きな方。 解像度が高くヌケの良い中高音が好きな方。 イヤホン好きな方。
個人的好み度:10点満点中/9.5点(装着の問題のみ)
完成度:10点満点中/10点(文句なし)




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