NICEHCK Lofty ベリリウム素材を使用したハイエンド機

 

今回ご紹介するイヤホンはNICEHCKが満を持して送り出したハイエンド機 Loftyです。
10.1mmのベリリウム素材を使用したDD1発構成。0.78mm 2pin仕様。
ハイエンドだけあり高級感溢れる質感。せっかくなので独特のローズゴールドを注文しましたがとても綺麗です。
ずっしりと重い金属フルボディ。耳側の凸は程よいしあがりでしっかりと押し込んでも痛みはありません。
背面は少し大きめで、端の方は丸みがありながらも若干尖りがありますが耳には触れないのでここもセーフ。

ベリリウムを使用したドライバの特徴の一つとしては透き通るような独特の中高音があるようで、かなり高評価を得ていたようです。
DD1発で透き通るような中高音だと先日投稿したTinHifiのT5も中々のものでしたがLoftyは価格で言えばそのT5の倍以上。
高まる期待を胸に商品ページに記載された通り、まずは100時間のエージングをこなしました。
一応、エージング前にも試聴程度はしたのですが概ね事前に見かけた感想と同じく
ベリリウムという素材で期待されるような音ではなく、濃厚な低音が支配するこんもりとした音でした。

この時点では「これは失敗したか」という印象でしたがエージングでどれくらい変わったかを含めて音の印象を。

初めに断っておくとこのイヤホン、ケーブルとの相性差がかなりデカイです。
付属品やSpace Cloudで聴いたところ音が濃厚すぎて「あんま変わらないな」と思ったのですが
blue islandに変えたところかなり低音域はスッキリと引き締まりました。
公式が純銀線もオススメするあたり、どんな音を求めるかによってケーブルを選ぶ必要のあるイヤホンです。

以下のレビューはは全て付属ではなくblue islandで試聴した上で書きました。

低音域はボワついていた音から適度に引き締まり、全体を支配するような存在感では無くなりました。
それでも量感はかなりしっかりめ。どっしりとした重低音からミドルベースまでグッと前に出てきます。

中音域は元々このイヤホンの音では一番存在感のある音でしたが、こちらは変わらず。
低音に負けずしっかりと主張するが刺さりとは無縁。パンチがありながらも全体の中心としてちょうどいい響き。
金属の筐体なので残響感が綺麗に響きます。個人的にこの残響感は金属ボディならではなのでたまらないですね。
解像度はそれほど高いというわけではなく、TinHifi T5と同程度ですが、T5の少しクール目な音よりも熱量があります。
左右にバランス良く広めに響くのでギターのカッティング音や男性Voでも楽曲に埋もれず気持ちよく聴けます。

高音域に関しては存在感弱め。エージングとリケーブルをした上でもそこまで大きな変化は見られなかった。
1DDということを考慮しても一般的な1DDイヤホンとそこまで大きな差がありません。
ドラムの金物は若干曇っていて、遠くに聴こえる部分も多い。
このあたりは純銀線等に変えることでまた印象がガラっと変わるのかもしれません。高音好き、特にベリリウムの前評判からLoftyに手を出した人はこのあたりはガッカリしてしまうポイントかもしれません。

総合的には量感多めの低音に埋もれずしっかりと鳴り響く中高音が特徴的なイヤホン。高解像度で高級感のある上品な音ではないが
巨大なフルレンジ1発のスピーカーでドカンと大音量で鳴らしたような楽しさのある音。
エージングやリケーブルをした上でも「これがベリリウムか!」という感動には至りませんでしたが
作りの良さや付属品の豪華さは今まで手にした中でもハイエンドに相応しいものだと感じました。

付属ケースは指輪でも入ってそうな革張りのハードケース。


環境を選ぶというより、自分の環境からいかに好みの音に近づけるかというじゃじゃ馬なイヤホン。

今回の売出し方はメーカーの気合がとても感じられた一方、とにかくエージングを!という主張が目立ち
「それなら初めからエージングしてくれたらいいのに」と思ってましたが実際に今後のロットは出荷前にエージングがされるようで。
今後入手した人は一聴して「思ってたのと違う!」というショックを受ける危機は回避できそうです。


総評
オススメな人:濃厚なベースと伸びとパンチ力のある中高音が両立した音を求める方。リケーブル等の工夫を凝らして遊びたい方。
個人的好み度:10点満点中/8.0点
完成度:10点満点中/今後エージングしてから出荷されるなら10点



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