SLIIVO SL224 ブランド最新のトライブリッドイヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。(アリエク購入元リンク
MYER AUDIOのSLIIVOより発売されたばかりの2DD+2BA+4MP(micro planer)搭載のトライブリッドイヤホン。SL224。

0.78 2pin端子で、ちょっと凹みのあるタイプ。
特徴的なフェイスプレートは本物の貝殻を使用しているらしい。ぱっと見ると落ち着きのあるグリーンを基調とした
仄かな輝きですが、光が当たるとかなり綺麗。個人的に余りギラギラしたカラフルなのは好みじゃないですが
この個体は特に落ち着きがある気がして、非常に良いですね。

パッと見て大きめの筐体ですがかなり凹凸のタイプで、絞るところをぎゅっと絞ってる分案外キツさは無い。SR5の方が全然圧迫感ありますね。
ノズルは短く、根本からの盛り上がりはありますが特にキツさを感じるような食い込みも無し。
ベントはブランド独自のX型の蓋がされた大きめベントが端子側に1箇所のみ。

先に構成内訳について触れておくと2DDは6mmチタンコート+10mmコンポジットバイオ振動板。
6mmの方は低音域用ではなく中音域~用みたいです。
中高音メインは2つのカスタムBA。
高音域~超高音域は4つのMP。
構成的にDK3001 BDがチラつきますね。値段は結構違いますが。

音質としては広めの空間+解像度のあるドンシャリ。
サブベースは強いが量感としては余り出しゃばらない。楽曲の底でどっしり構えてるタイプ。
キックも同じくらいの存在感で、ミドルベースは前者2つに比べると少し落ち着いた強さ。
とはいえパッと聴くとまずは低音全体のボリュームを感じられるチューニングだと思います。
公式紹介文でバランスの取れた広がりのあるサウンドスタイル~とある通り、全体に突出した
力強さはなく、まとまりのある範囲でまとめられています。
ダンス系の楽曲だと公式のグラフ通りゴリっと盛られた低音は味わえますが
ポップ・ロック等 普段聴く楽曲によっては「低音そんなにじゃない?」というギャップがあるかも。

中音域は特にナチュラル寄りというか、一定の生々しさと高い解像度は保ちつつ変に盛ってこない。
女性ヴォーカルがめっちゃ伸びて気持ち良ィ~!とまではならないです。
このあたりが非常に絶妙な距離感。時折音幅のあるギターソロで「ここちょっと天井感じるな」という部分もありますが
つい音量をいつもより上げてしまうナチュラルさ。
イヤホンなのにヘッドホンのような距離感がある。
解像度は欲しいけどちょっとでも刺激感あるのは苦手だという人にはかなり向いてそうな感じ。

高音域は特に4MPの恩恵を感じる。解像度が高いかつ広がりが強い。
DK3001 BDでも感じた、余計な刺激感は一切ないスムースさ。
ドラムの金属類がとても細やかに聴こえます。
チキチキじゃなくてシャキシャキという感じに。

人によってこの中高音域は「もっとギラつきが欲しい」と感じるとは思う。
もっと構成のシンプルなKZ系のハイブリッドイヤホンだとそれはもうパワフルなドンシャリになりますが
SL224の中高音はナチュラルさ強め。ギターのカッティングはキレキレだし分離感も良いし、
金管楽器も気持ち良く響くがグイグイと前に出てくる刺激的なタイプではない。
空間が広いこともあって良い意味で距離感がある。
音響の良い2000人~3000人クラスのホールのど真ん中で聴いてるイメージ。

DK3001 BDを聴いて「良いは良いけど聴き疲れるなぁ」なんて印象を持った人がいたら非常にオススメ。
個人的には装着感が非常に良いので長時間ゲームをしようなんて時にもヨシ。
構成の割に音量も結構取れやすい部類なので外使いにも。端子の凹みがある分場合によっては変換端子が必要ですけども。
何より見た目が良いのでセール時に買える価格(2万後半)を考慮すると非常に良い選択肢。
ZiiGaatシリーズも良いですがそちらと同じくらい本機は気に入りました。




総評
個人的好み度:10点満点中/10点(装着感と空間の広さは手持ちでトップクラス)
完成度:10点満点中/10点(開封直後、結構な糊がべっとりついてたのは許さない)

TWISTURA WoodNote 木製振動板搭載の1DD

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazon公式リンク)(Linsoul公式リンク
TWISTURAというブランドからリリースされている木製振動板を搭載した1DDイヤホン。WoodNote【PR】


0.78 2pin端子で、若干凹みのあるタイプ。航空グレードのアルミニウム合金ボディ。
全金属ですが素材のおかげで重厚感はありつつ軽め。マットな質感が良い感じ。
ベントがかなり特徴的で、DDの真上の辺りに一箇所と、pin側に大きなベントを設けています。
ちなみにそこそこ音漏れはあるほうです。 方向的に顔の正面側を向くので隣の人にもろ聴こえとまではいきませんが。

ノズルは標準体な長さで、根本から割と真っすぐ伸びているタイプ。内側は真っ平らと言ってもいい滑らかさなので
耳に食い込むような感じは全く無く、イヤピで自然に固定する感じ。
本体下側の方にはシリコンパーツが搭載されており、こちらは耳周りのラインにフィットすることで安定感を増す為のもの。
個人的には微妙に触れてる程度で、本体が軽いので特にこちらの影響は感じませんでした。

真鍮ノズル以外の2本が少し判別しにくい

実はこのイヤホン、ノズルが全部で3種類。
最初から付いているの金色はヴォーカル強調タイプ。銀色がインスト。わかりにくいですがグレーがかった銀色は
スタンダードのチューニングとなっています。
見た目にはフィルターの厚さも然程変わってるようには見えませんが、素材が真鍮、シルバーアルミニウム合金、ダーク・ステンレス・スチールと
それぞれ異なる素材を使っています。


音質としては広めの空間に加えて木製の柔らかさと金属の響きが同居する矛盾サウンド。
レビューなので製品特徴は見てから聴くことになるんですが、何も言われずに聴いたら「見た目金属なのに柔らかい音やなぁ」ってなると思います。
10mmサイズのDD一発ですが非常に豊かな低音。
ゴリゴリと突出した量感ではないのですが、サブベースからミドルまで全体的に盛っている。
金属筐体であることと、大きなベントを設けている為か濃いのにしつこさのないあっさりさまである。
出足は太いのにサッと素早く余韻が引いていく。

中高音域はノズルによって大分印象が変わる部分。
デフォルトの金色ノズル・銀色ノズルの2本はヴォーカルの辺りがぐいっと持ち上がって聴こえる。
個人的には女性ヴォーカルが持ち上がりすぎて低音とのバランスがチグハグな印象を受けたのでレビューは殆どスタンダードノズルで聴きました。
低音の量感自体はどのノズルも大差ないのですが、スタンダードがその名の通り一番自然なクリアさを残した雰囲気になってる。

ヴォーカルは低音域に飲まれず、分離はされているが若干力負けしている時はある。余韻の引きの速さは中音域にも影響がありますね。
男性ヴォーカルは熱量があって伸びも良いが低音と同じようにサッと引く。
女性ヴォーカルはナチュラルな響きになることが多い。低めのボイスだと男性ヴォーカルと同じ用に程よい熱が出て気持ちいいのですが
明るめの声だともうちょっと前に出て欲しいと思う部分はある。
木製振動板の特色かなと思うのがこの女性ヴォーカルの辺りで、ちょっと量感は少ないけど非常に自然というか、ブランドの狙いとして出している
「ナチュラルなアコースティックサウンド」なのかなと感じました。
ステージ感が広いので内容にもよるけどASMRがかなり気持ちよく聴けるヤツ。

音数の多い楽曲でも優れたチューニングで分離感よく、力強い低音とナチュラルなヴォーカル。
広めの空間と金属のアクセントも漏らさず伝える表現力。
濃いめの低音が木製のナチュラルさと金属のソリッドさの中で揺れるような独特の響きは面白い。
最近の低音が強い楽曲も十分良いのですが、アコギ一本で歌うシンプルなヴォーカルものだとまた特に気持ちよく聴けるイヤホンです。
装着感の優しさから、暑くなってきた今時期の長時間装着も苦じゃない。
大きなベントが空いてるだけあり蒸れもマシな気がする。
ヨドバシカメラでも取り扱いのある製品なので、全国的に試聴機はそれなりにありそう?
是非試聴してみてほしい面白さのある一品でした。




総評
個人的好み度:10点満点中/8.5点(最近はもうちょっと極端にドンシャリしてるほうが好み)
完成度:10点満点中/10点

TinHiFi C1 DLC振動板採用の1DD

 

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TinHiFiよりリリースされたDLC振動板採用の1DDイヤホン。C1【PR】

qdc端子で、本体は樹脂製のクリアボディに航空グレードのアルミフェイスプレート。
TinHiFiは割と全金属が多いブランドのような気がしますが、珍しくC1はフェイスプレートのみ金属。
加工は指紋の目立たないマットな質感。このあたりはTinHiFiらしい感じ。
ベントはDDの真上
標準的な長さで、角度も少しついたノズルは本体の軽量さもありしっかりと耳に収まる装着感。
ノズルまで樹脂になっていますが、真ん中に返しが付いてる樹脂ノズルは少し珍しい気がします。
ただこう ノズルのバリが凄いですね!



音質としては低音が非常に力強い、まるでKZ系のゴリラサウンド。
DLC振動板採用の10mmサイズのDDですが、君KZの中にもいたことあるんじゃない?というくらい
低価格KZで感じたことのある、サブベースからミドルまでどっしりと盛られた低音。
ただゆるい濃さではなく、一定の締まりがあるのでそこまでウォームに寄りません。
内部に精密に設計されたチューニングポートがあることで低音の深さを強化し、それでいて中高音のクリアさの維持を実現と
公式で紹介しているのですが、言われてみるとノズルも音導管までいかないけど何かただのスペースではなく、少し成形されてますね。
中高音は若干丸みがあるものの低音の力強さと良い意味で同調しており、余り凹んで聴こえない。
この低音に飲み込まれてのっぺりした音になってないのは流石TinHiFiのチューニングという感じ。
刺激感はないけどパワーというか圧がある。
それでいて中高音の分離感もそこそこあるのでどんなジャンルもそつなくこなせる。
ステージ感が奥行きのある広さなのも気持ちいい。

これで二千円~三千円くらいなら結構オススメな低価格帯だと思うんですが、四千円台。
以前レビューしたC2も出来こそ悪くないものの価格帯的にライバルが多くて相対的にちょっとイマイチかと思いましたが
C1も同じくらい相対的に立場が微妙かも。
中高音域の派手さを求めない、音量を上げても刺激感の出にくいシンプルな作りのイヤホンが欲しいという人ならギリオススメ。
フェイスプレートこそ少しかっこいいですが樹脂ノズルのバリはらしくない粗雑さ。
パワーがあって面白味のあるイヤホンではあるので、セールで手頃になったら試してほしいです。




総評
個人的好み度:10点満点中/8点(昔はBAの入ったキラキラ系よりこういうのが好きだったなぁとしみじみくる)
完成度:10点満点中/6点

Kiwi Ears Etude 骨伝導ユニット搭載のトライブリッドイヤホン

 

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骨伝導ユニットにベリリウム振動板搭載DDと3BAを搭載したトライブリッドイヤホン。Etude【PR】
正式にはÉtude(変換できない)。音楽的には練習曲の意。フランス語で「試み」という意味らしいです。
そんな名前を冠するこのイヤホンは去年あたりから増えてきている骨伝導搭載。
そこにカスタムBAとベリリウム振動板DDと確かに要素が盛々で意欲的な構成。


0.78 2pin端子で、スモークグレーの樹脂筐体。フェイスプレートは金属の枠があり、ハンドクラフトとのことなので
恐らく個体差のある黄色と黒と白が混じり合うデザイン。たまたまか色味も3色が混じり合うトライブリッド。
少々厚みと大きさがある本体ですが、軽量なことで装着感は良好。ノズルまで樹脂製です。
ノズルの先端は僅かに膨らみがありイヤーピースはちゃんと固定される。
標準的な長さで、斜めに角度がついてますが特に圧迫感や装着のクセは無し。
ベントは天頂部とpin側に小さなものが1箇所ずつ。

見える 見えるぞ

不思議な模様

音質としては骨伝導独特の耳穴の少し外から聴こえてくるような広い空間からくる弾力的な低音が魅力のドンシャリ。
おそらくはこの天頂部側にある大きなものが骨伝導ユニット。
正式にはKiwi Ears独自開発のKVT(キウイ振動トランスデューサー)という、通常の骨伝導ユニットとは異なり
普通のドライバーに近い?作りで、より低域から中域の音響を強化しているものらしいです。

まず前提として骨伝導ユニットを搭載したイヤホンは奥までしっかりと押しこみ、イヤホンが耳にしっかりと密着するように付ける必要があります。
Etudeの低音は決してゴリ押しのような強い主張ではないが、広い空間を低音で満たしたような優しく包まれるような不思議な量感。
低音が強いイヤホンは圧が苦手~という人には是非試してほしい新感覚の低音です。
その特性ゆえか、中高音との分離感がしっかりしてる。ボリューム感はちゃんとあるのに、混じり合わない距離感。
クロスオーバーが優秀なのと、骨伝導ユニットによる特性が相乗効果を生んでいる気がする。ただの色物じゃない。

中高音域はベリリウムDDとBAによる煌めきが目立つ明るめの音。
ヴォーカルは男性女性どちらも熱量や伸びが程よく、高めのVoもしっかり伸びる。
ギターはジャンルによって骨伝導の影響を受けゴリっと厚みのある音になるが、カッティング等キレがある音もしっかり出る。
分離感が高いので音数の多い楽曲だと本当に包まれている感が強く、かつ繊細に聴き取れる。
ドラムの金属類もしっかりと明るさがあり気持ちいい。刺さることはないが金管楽器に関しては人によって少し刺激を感じるかも。

一部気になったのは、楽曲に関しては殆ど問題ないのですがVCをはじめ喋る音声に関しては男性の声が一部ものすごく強調されます。
急に特定の声だけ狭い筒を通して喋ってるのかというくらいボワンボワンと響く。
装着を浅くすれば殆ど気にならないので骨伝導ユニットによる影響だと思います。
公式のグラフを見ても200hzのあたりにツノがあるのでこの辺り?
人と喋りながらゲームをする時は流石に気になってしまうくらいの強調でした。
あくまで音楽用と割り切る必要があるかも。
良い音悪い音以前に面白味のある音が聴きたいなぁ!と思ったらコイツはオススメです。


総評
個人的好み度:10点満点中/8点
完成度:10点満点中/7点(意欲作的な雰囲気)