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Hisenior Audioという2016年からミュージシャンを始めプロフェッショナルなカスタムおよびユニバーサルフィットの
インイヤーモニターの設計と製造に取り組んできたブランドのMega5ESTというイヤホンをベースに
低域を上乗せして販売された記念モデル。Mega5EST Bass+。
1DD+2BA+2ESTのトライブリッド構成で、樹脂筐体。
0.78 2pin端子で、形状としてはモニター系らしく奥までノズルがしっかり食い込むタイプ。
ノズル自体は標準的な細さで若干短いのですが、根本の樹脂部分が気持ち太めで長い。
程よく凹凸のあるデザインですがノズルの根本が太い分、人によっては少し耳の穴が圧迫される感覚が強いかも。
個人的にも太さは感じるが2,3時間使っても痛いとかはありませんでした。
レジン充填ではないので結構軽量。装着感の割には遮音性は並。
ちょっと根本太め |
ベントにメッシュが無いタイプ |
ベントは頭頂部に1箇所のみ。ZiiGaat系でもみた大きめのベントにメッシュで蓋をしたタイプとは違う、独自の形状。
左右ともに本体はブラックスモークで、フェイスプレートは右側がラメの目立つ赤で、左側は黒。
製品名ではなく何か紋章のような刻印がシルバーで刻まれています。
ドライバの詳細な構成としては低音に特化したDDが10mmサイズのバイオセルロース振動板。
ESTはSonion製。これは高音域特化。
BAはKnowles製の中音域に特化した仕様。
音質としてはド低音の波が襲ってくるのに、解像度や艶かしさの高い中高音も同居している価格帯に相応しい完成度。
元になっているMega5ESTは未試聴なのですが完成度の高さで高評価を得ていたので、そこに低音を5db盛っちゃいました!
ってことは元々低音は控えめ~並くらいのバランスなんだろうと思っていたけどそんなことはなかったようです。
Bass+の低音域はサブベースもミドルベースもえげつないほどに存在感が強く、濃く、しつこいです。
今まで聞いてきた低音が濃いイヤホンは基本的に、サブベースかその上のミドルベース周辺「どちらか」を盛って残りは
並程度に抑えて他音域とのバランスをとっているものが殆でした。
Mega5EST Bass+はどの曲を聴いてもまず低音が主役になる音作り。
樹脂筐体っぽい柔らかい低音域がいっぱいに広がりますが、解像度自体は高め。
ベースラインがゴリゴリ前に出てくるのは勿論、ドラムはタムの存在感までもぐいっと出てきます。
低めの男性Voがここまで前に出てくるイヤホンもまぁないと思いました。
古めのロックのバスドラムなんかは空気圧が凄くドフドフと来ます。音は振動だけど いくらなんでも振動が凄い。
はじめて低音域で聴き疲れするレベルのイヤホンに出会いました。
これでしか味わえない気持ち良さではありますが、連続して音楽を聴き続けるのは2時間が目安です。
映画、ゲーム、配信であれば何ら問題のない範囲ではあります。
どうしても映像を見るにあたってヘッドホン、スピーカーの低音圧には敵わないと思っている人はコイツです。
ライブ音源に関しては低音盛られすぎてバランスが壊れることがある。
中高音域は元のMega5ESTで言われていた完成度の高さがそのまま活きていると思われる分離感・解像度の高さ。
耳障りな不快感のある音が一切ないのは低音域に圧されたのではなく、機材とチューニングの技なのでしょう。
特にVoの生っぽい艶かしさやアコギ、ピアノの艶は圧倒的。眼の前で演奏されているかのような空気感。
解像度の高さというと最早リアルの音を通り越して非常にキメ細かく、キレのある印象があったんですが
Mega5EST Bass+の解像度はとにかくリアルで生っぽさに迫っている。
エレキギターやドラムの金物は正直天井の存在を感じる時はある。分離感が高いおかげで総合的な気持ち良さはある程度担保されてる。
金属筐体だったり、高音域に特化したようなイヤホン特有の抜けるような「気持ち良ェ~」という感覚はありません。
抜けの気持ち良さを差し引いても余りある圧倒的なリアル感が暴力的な低音と共に没入させてくれます。
EDMやダンスミュージックをメインに聴く人だと低音の強さと中高音のキラキラバランスが崩れてしまう気がする。
人によっては本当に「こんなに低音いらない もっとバランス考えて」と怒り出す程度に極端な低音持ちなので
このイヤホンはコレ一台で他はいらなくなるよ!というタイプでは決してありません。
10万近い定価でありながら個性に力を注ぎ込んだパワータイプです。
この価格帯のイヤホンを買ったら後は興味が無くなるのか、更に上を目指したくなるのか。
そんな気持ちもありつつチャレンジをしたイヤホンでしたがこの価格帯でしか得られなさそうな質の高さは感じれた気がします。
ポタオデ等のイベントでしか試聴する機会は中々無いかもしれませんが、このレビューが少しでも検討材料になってくれれば幸いです。
個人的好み度:10点満点中/9.5点
完成度:10点満点中/10点 この価格帯ではこういう音が聴けるんだなという体験は出来る気がする。
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