KZ ZS12 PRO X 1DD+5BAのフル金属筐体イヤホン

 

今回ご紹介するのはコチラ。(Amazonリンク
KZよりリリースされたばかりの筐体全てが金属のハイブリッドイヤホン。ZS12 PRO X。

qdc端子で、形状やデザインや割といつものKZ。
ノズルが根本から盛り上がっていて少し長めなのと、今回はフェイスプレートだけでなく全て亜鉛合金系の金属なのが一番の違い。
背面はまたもや大きくベントのようなデザインで穴が空いている状態。そこに金属メッシュ。
盛大には漏れませんが光の加減で中身が透けて見える程度のメッシュなのである程度漏れます。

電車で隣の人に何聴いてるかわかるレベルの漏れではありませんが。個人的にはちょっと気になる。
表面加工はツヤツヤではなくザラザラとした質感の厳ついタイプ。滑らかなマット系も良いけどこれも良いですね。
亜鉛合金でおそらくはそこそこの厚さもあるのでかなり重たいです。
根本の食い込みに耳が合ってる人は大丈夫だと思いますが、浅く装着したい人だと常に耳の中でプルプル揺れると思います。
付けた瞬間にずしっと重みを感じるイヤホンって中々ない。



そして今回もスイッチ付き。スイッチがお好きではない方は何とスイッチ無し版も用意されています。
DDは勿論、最新版のスーパーリニアダイナミックドライバ。低音の深さと強さに期待の持てるアイツです。
そこに今回はZS10 PRO 2では4基だったBAが5基に増えました。
スイッチは4つ付いていますが、うち3つが低音盛り調整、1つは高音域を減衰させるもの。

グラフを見ていただくとわかると思いますが、緑色が全スイッチオフですね。
3つのスイッチはあくまで低音域だけを持ち上げ、中高音域は変化なし。スイッチ4をいれると高音域が全体僅かに減衰。
正直私もスイッチは余り好きではなく、一発のチューンで勝負しろ!という気持ちもあります。
それでも今回のZS12 PRO Xに関してはスイッチあって良かったと思う出来でした。


スイッチオフの音質としては腰高のシャリシャリホン。
低音域の重みはベントがあることを考慮しても薄めで、中高音は5BAも載っているだけあり主張が厚い。
やや線の細さが目立ち、ヴォーカルもドラムの金属系も、シンセの音も気持ちよく分離感高めに伸びてくれる。
が、総合的には腰高過ぎて面白みに欠ける。これならKZじゃなくてもと思うタイプの音でした。

スイッチ123のみオンだとスーパーリニアドライバの持ち味が発揮されます。
かなり深めに沈むサブベースから、ミドルベースも程よく出しゃばってくれる。
ただ中高音域の軽さの印象は全く変わらないため、女性Vo系や音数の多い派手な曲だとどうしても耳に障ることが多い。

スイッチ4もオンにした全スイッチオンだとちょうど不快に関していた音域が程よく落ち着きました。
そのうえで分離感と伸びはまだ気持ち良さ高め。
ZS10 PRO 2は個人的に期待していたZSN PRO2の中高音域強化verという流れではなかったけど
ZS12 PRO Xにしてその理想はほぼ叶いました。

当然価格的にはコストもかかっているのでそれなりに上がっていますが
KZらしい低音の重さもとい、スーパーリニアの重さに負けず程よく主張する分離感高めの中高音は素晴らしい。
ギラつきのあるパワー感とは違いますが繊細な楽曲でもKZらしからぬ細やかな雰囲気を醸し出してる。気がする。
個人的にこんな大きいベントいらない!と思うところですが今回は
空間的なゆとり、不快な音域の無さに貢献していると思います。
金属的な残響感+広いホールのような響き。

ここ1年出た全てのKZを聴いているわけじゃありませんが、今多ドラのKZを狙うならコイツがオススメです。勿論スイッチ付きで。


総評
オススメな人:今上に書いてしまった。
個人的好み度:10点満点中/10点
完成度:10点満点中/9点(スイッチでプラス千円は少し厳しい気も)

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