Kiwi ears QUARTET 2DD+2BAの低音濃いめハイブリッド

今回ご紹介するのはコチラ。

Kiwi earsよりリリースされた2つのスイッチ付きハイブリッドイヤホン、QUARTET(カルテット)。Linsoulのリンクはこちら。
医療用クラスのレジン(樹脂)筐体で、充填されてはいないため比較的軽量。
0.78 2pin端子仕様で、ピン横には2つのスイッチ。見にくいですが小さめのベントもピンの近くにあります。
少々厚みのあるずんぐりな筐体ですがノズルの角度と、程よく凹凸のあるおかげで装着感は良好。
多少耳からはみ出ますが許容範囲。
ノズルはレビューしてきたイヤホンの中では珍しく音導管がノズル部分まで来ているタイプ。
BAユニットがノズルの先端に入って似たような見た目になってることはありましたけど。
比較的高額なイヤホンに見られる構造ですね。




特筆すべきなのは2DDの中身。10mmと他サイズの組み合わせではなく10mmが2基。
どちらもチタンコート仕様という中々に尖った仕様。
直近だとLegatoが12mm+6mmの2DDで低音濃いめのイヤホンでしたが、Legato含め
2DDは大抵 低音域担当+中高音担当というそれぞれ別の役割を当てています。
カルテットはその点、中高音はBA2基に任せて2DDはどちらも低音を担当するという力しか感じない構成。
商品ページでも低音の質を強調していますが、一体どんな音質なのか。

音質の第一印象は非常に濃いが過度にボワつかない、包み込まれるようなサブベースを主としたイヤホン。
2つの大型DDから出されるサブベースは土台を担うどころか左右前後かなり広い空間を包むような存在感。
ミドルベースの量感は相対的に標準的に感じますが、サブベースがとにかく相当に濃いです。
メタルやEDMは勿論ですがジャズでも重さのあるベースラインを響かせてくれる。
音導管の効果なのか、とても力強いベースでありながら中高音とは分離感があり
中高音を飲み込むようなチューニングにはなっていません。
昔レビューしたイヤホンで同じ音導管の構造で低音の強いPink Ladyというイヤホンがありますが、
それを思い出す解像度の高さと濃さを両立した質の高い低音。

中音域は若干凹むように感じますが、実際には均整の取れた割とパンチもある音をしています。
BAらしく解像度高めですが刺さりはゼロで、シルキーというかフラットに感じる。
高音域も同じ印象で、遠すぎず近すぎず。でも解像度はしっかりと保っている。
楽曲によってはシンセサウンドがDDの担当する領域に入ってきてかなり芯のある音を出してきます。
中高音域は商品説明にもありましたが疲労感のない自然なサウンドを体現したバランスですね。
刺激はないが曇ってもいない、フラットなバランスを高いレベルで表現している。

ライブ音源等ではギターの音が極太になってしまって圧がとんでもなくなったり。
でもそんな時はスイッチをいじればレベルを下げることが出来ます。
本来スイッチは好みに合わせて音質調整可能というのが売りになるギミック。
でもカルテットに関しては基本的にどちらもONのままで楽しんで欲しい。そんな音。
低音の濃さと中高音のフラットさを両立した音質は長時間聴いてもまったく聴き疲れしないし、
その上で解像度が高めなので純粋に音楽の細部まで楽しむことも出来る。
日本円で現在約16,000円ですが、十分にその価値がある低音イヤホン。
音楽鑑賞は勿論、映画鑑賞でもかなり面白いイヤホンなので低音好きにはぴったり。
重低音をどっしりと楽しみつつ、アクションシーン等で急に大きいSEや声が出ると
うるさく感じてしまうシーンもカルテットは良い意味で大人しく聴かせてくれます。

個人的には残念ながら2時間ほど使っていると耳がちょっと痛くなってしまいましたが
Yanyin Canonでは問題なかったのでノズルの根本あたりの形がちょっと合ってないのかなと。
ちなみにスイッチを切り替えるためのパーツはおそらく付属していません。
爪楊枝等でもいけなくはないけどまずは開封時の両方オンのままを堪能して欲しい。

上記で少し触れましたがQOA Pink Ladyの低音が好きだったけど、中高音の刺激が強くて合わなかった。
という人がいればカルテットはかなり良い候補になると思います。(見た目もちょっと似てる)
中高音は良いけど低音濃すぎ!と思ったらそこでスイッチ調整も出来ますしね。



総評
オススメな人:重低音メインに楽しみたい方。中高音はなるべくフラットで良いという方。
個人的好み度:10点満点中/9点
完成度:10点満点中/10点 見た目含めて価格に見合うクラスの重低音イヤホンでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿