NICEHCK NX7 MK3 4BA+2DD+1セラミック振動板ドライバー

 

今回ご紹介するのは以前紹介したNX7 PROの後継機、MK3です。
NX7シリーズはエージングしないと相当に印象が変わるようなので50時間のエージングを済ませてからのレビューになります。

付属品が相変わらず豪華。
交換用のフィルターや背面プレートが交換可能になっています。

装着感はとても軽くて自然。
複数ドライバーを積んでいてもスリムなボディでかつ出っ張りが少ないので快適。
ノズルが短すぎると圧迫感があり、長すぎると嫌な浮遊感が出ますがベストな長さです。

音場は上下に広く、空間的な広がりは普通。
天井の高い部屋でスピーカーを近くで聴いているような不思議な広さです。近いけども圧迫感が無いというか。
NX7 PROは狭く近くでしたがこの辺りはMK3の方が好みでした。

低音はエージングのおかげなのか、PROと同じかそれ以上にしっかりと出ています。低音ジャンキーな私としては嬉しいくらいにブリブリと響いてくれますが
もっと自然に鳴ってほしいという人には不向きかも。
ただし低音も全体的に持ち上げられているわけではなく、ダンスやメタル系の重低音がメインで通常のベースラインはあまりでしゃばってきません。
メインに聴く曲がポップスであれば低音が邪魔することはあまりなさそうです。


音はカリカリの尖った中高音をしていたPROに比べると僅かに落ち着いた印象の音ですがPROが尖りすぎていただけで
MK3も一般的にみればカリっと乾いた中高音をしています。
ホーン系やドラムのハイハット・クラッシュ系がしっかりと響いてくるので籠もったような柔らかい音は嫌!でもあまり強すぎても困る!
という人にはぴったりだと思います。
シリーズの中では「丸くなってしまった」くらいの扱いなんでしょうが1万超えに相応しいバランスに纏まっていると思います。
女性Voも艶こそ少ないですがよく響きます。サ行の刺さりは僅かに感じるがVoのみの楽曲でなければ気にするほどではない。

高音に関してはちょっとクセがあると思います。
よく出て響いているのですがちょっと響き過ぎに感じる部分が。
TRI-I3では自然に響く金属系の音がMK3だと残響感があり、少しスッキリしない、過多な鳴り方をする時があります。
この辺りが聴き続けている内に落ち着いてくれば理想的な音に近づくのですが。

総評としてはメインで使っているTRI-I3とどちらをメインで使おうか迷うくらいには優秀なイヤホンという印象。
自然で広く、ヘッドホンのような音場で全金属のボディを活かした残響感を出してくれるTRI-I3ですが一つだけどうしても気になる点があります。
中高音のヌケの後一歩感。
はじめは気にならなかったのですがKZ ZAX等他のイヤホンを聴き比べしているうちにI3は解像度においては十分ですが
少し後ろに引っ込んでいる印象で、中高音に定評のあるイヤホンと
比べるとどうしても物足りなさを感じる点でした。
MK3はその点においてはI3を上回っています。
ヌケが良く、音場も独特ではありますが広さも感じ、低音も不足はない。
不満点を強いて上げるとすれば過多に響く時のある高音。I3に比べると中高音は僅かに音の線が細め。
この辺りはリケーブルでも多少変えられる部分だと思うので色々試して遊びたいと思います。


寒色系サウンドが好き、解像度高めの中高音が好きな人にはとてもおすすめです。
1万以上の高級クラスですがこれでスパイラル(沼ともいう)を終えた人がいるというのも納得のバランスの良さです。



0 件のコメント:

コメントを投稿